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 海での最優パーティー 5


「ヒャッファー、ここは通さねーぜ」


 砂浜を歩いてる僕らの前に立ち塞がったのは、モヒカンの上半身裸で湾曲した剣を手にした5人の男。もしかして、また海賊なのか? 王国では最近は盗賊や山賊など滅多に出ないのに……諸国連合って素晴らしいな。


「通さねーってどういう事だ?」


 シベリアンハスキー男がズイッと前に出る。リーダーの面目躍如して欲しいものだ。


「なんだてめーは? 犬っころは引っ込んでろ」


「俺は犬じゃない。狼だ」


 何で暑いのにデュパンは犬スタイルなんだろう。ツッコミ待ちなのか?


「ぷっ。そんな色した狼なんざ、見た事ねーよ。鏡見て出直してこいや」


「「ゲラゲラゲラゲラ」」


 モヒカンのリーダーっぽい奴の言葉に仲間達も爆笑する。そりゃそうだ。僕の前に喋るシベリアンハスキーが来て、自分が狼だって言った日には僕でも失笑するだろう。


「笑うなっ! 通さねーって言うのなら力尽くで通ってやるぜ」


「ほう、力尽くかよ。じゃ、これならどうだ!」


 リーダーは地面に落ちてた流木を拾うと、それをぶん投げる。棒はクルクル回って飛んでいく。ほう、モヒカン、中々の力だな。デュパンはそれを見るなり棒に向かって走って行く。あ、本能に引っ張られたな。しまった。しっかりとデュパンと遊んでやるべきだった。


「犬だな……」


「犬ね……」


 レリーフとジニーが呟く。ん、パムは? モヒカン5人の後ろに、パムが立っている。


「おっさん達、ザコいなー」


「なんだと!」


「いつの間に!」


 モヒカン達は振り返る。


「通さないんじゃなかったのかよ。オイラ、簡単に通れたぞ」


 デュパンにみんな気が向いてる隙に移動したんだと思うが、僕ですら全く気付かなかった。本職スカウト恐るべし。


「で、どうするんだい」


 パムが微笑む。そしてレリーフが前に出る。モヒカン達にも分かったはずだ。自分たちが相手にしてる者の実力が。しかも奴らは囲まれてる。どういうリアクションしてくれるかな?


「いやー、坊ちゃんも兄さんも、そんな怖い顔しないでくださいよ。俺たちは冒険者で、ここを通る人たちをお金を貰って護衛してたんすよ」


 モヒカンリーダーはハーフパンツから冒険者認証票を出す。鉄で出来てる。駆け出しじゃないって事だな。


「皆様はお強そうなんで、護衛は要らないみたいですね。じゃ、また。おいっ、テメーら帰るぞ」


 モヒカン達はそそくさと立ち去る。けど、冒険者だったのか、海賊だったのか判断に困るとこだ。まあ、放置でいいだろう。けど、なんか消化不良気味だな。オチも無かったし。


「いやー、ただいま」


 犬男も帰ってくる。『影が薄いだけじゃなく、ネタも面白くない』って言いそうになったけど止める。そんな事言ったらコイツ、泣きそうだもんな。



 


 この四人、暴れ過ぎます。ツッコミが居ない世界ってこんなんなるんですね。全く話が進まないです。

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