海での最優パーティー 2
「まじか、王都じゃこんなんが流行ってるのか……」
そういえば、最近は前と比べて露出度が高いファッションの女の子が多い。おへそ出してる娘もよく見るけど、あれって目の毒だ。目のやり場に困る。前々から一つ疑問がある。上半身裸の男はまあ見苦しいだけだけど、丈が短い服でヘソを出した服を男が着た瞬間に変態臭がするのはなぜだろうか? マイはたまにそういう服を着てるのに、僕の服のお腹だけ破れたりした時はすぐに脱ぐか着替えさせられる。男女差別だと思う。
「はい、感度がいい水着の女性はだいたいみんなつけてますよ」
「へぇー、そうなのか」
そう言えば今年はまだ王都の海には行ってないもんな。紐を伸ばしてみる。これって隠れるのが女性の胸の先端と股間のアレだけだな。やばっ、こんなの着てる女の子、見てみたい。けど、自分は無理だこんなん着られるか!
「ザップさん、俺ら海に入りますね」
ジニーを残してデュパンたちは海に向かう。あっちでみんな遊んでるもんな。
「さあさあ、ザップさん、早くザパンさんになってこれを着てくださいよ」
強引だな。
「じゃ、お前がこれに着替えろよ」
「嫌ですよ」
「自分が嫌なものを人に着させるな。自分が嫌な事を他人にするなって教えられなかったのか?」
「そうね、二人っきりなら、いつでもそれ着るわよ」
もう、なんかこいつヤだ。訳が分かんない。こういう時は。
「マーイー!」
「なーにー、ザップー」
アンジュたちとボール遊びしてたマイが駆けてくる。
「「マイ姉様。お久しぶりです」」
4人とも深々と頭を下げる。
「なーマイ、ジニーがザパンになってこんなん着ろって言うんだよ」
マイがまるい目で布きれをまじまじ見る。
「うん、着たがいいわよ」
まじか、マイも敵なのか? マイも僕がザパンになって局所だけ隠して痴女になれと言うのか?
「おいおい、無理だろ。マイは着られるのか、これ?」
「着られるも何もいつも着てるわよ」
えっ、まじか、もしかして海で僕と一緒じゃない時にはこんなエグい水着でビーチを歩いてるのか? 見てみたいけど、なんか他の男の前でマイがこんなん着て見られてると思うとムカつく。
「マイ、服装は自由だけど、これってほとんど裸じゃないのか?」
「えっ、何言ってるの? あーもしかしてザップ、それだけ着るつもりだったのー」
「どゆことだ?」
んー、訳が分からない。それにさっきから頭にそのマイクロビキニ姿のマイの姿がチラついて離れない。
「ザップ、それ、水着のインナーよ」
「あーあ、ばれちゃった」
ん、水着のインナー。
「水着って透けたり、下の形が浮き出たりするじゃない。それを防ぐために下にこんなの着てるのよ」
マイがブラジャーの下をめくると、下にもまたブラジャーが。あ、そゆこと。
「おい、からかうなよ。けど、じゃ、これはもらっとくよ」
「えっ、ザップ、何に使うの」
「せっかく貰ったんだから、今、これに着替えて泳いでくるよ」
「止めときなさい」
「えっ、じゃ、貰ってくれたって事はザパンさんになってくれるんですね」
「それとこれじゃ話が別だ」
「あたしも、ザパンの新しい水着買ったのよ。着替えるわよ」
「いや、だから」
「四の五のいわないのっ」
「そうですよ」
僕はマイとジニーに引っ張られて、いつの間にかビーチの傍らに発生してたログハウスに引きずり込まれて水着ザパンになったのであった。




