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裏切り者 11

「大丈夫?」


そう言いながら、駆け寄る遥。

たった1体のゴブリンしか倒せないなんて情けなくて遥に顔向け出来ない。


「ああ、大丈夫。

ゴメン…、遥に負担ばかりかけて」


「ん?何の事?」


「僕はたった1体しか倒してないのに、遥は3体も倒すなんて、普通なら半々で丁度いいはずなのに、ゴメン」


「なに謝っているのよ。

初心者だから仕方ないじゃない?」


「そう言う遥だって初心者だろう?」


「えっ、まあ~、初心者といってもハヤトよりかは長く冒険者としてやっているから、戦闘は慣れたものよ」


「じゃあ、僕も戦闘を重ねれば強くなるのかな」


自分でも、なぜそう言ったのか分からなかったが、ただ、遥と同じように行動していて、そして同じ経験をしているはずなのに、遥との差が全く詰まらない。

最初の経験の差があったとしても、逆にどんどん差が大きくなっているような気がしていた。

ゴブリンを倒す数が違う所為かも知れないが、自分も少しずつは成長しているはずなのだが、遥を見ると自分の成長が止まっているように思えてしまう。


「当たり前でしょう!

このダンジョンに入ってからあなたも格段に腕を上げてるわよ」


「そうかな?」


お世辞だとしても嬉しい言葉だ。

言葉としても言ってもらえただけで、少しは遥に認められたようで嬉しかった。


「さあ、行くわよ!

まだまだ先は長いわよ」


「ああ」


遥は振り向かず先へ歩き始める。

僕はその後ろ姿を見ながら追いかける。

いずれは、遥と肩を並べるくらい強くなるだろうか?

本当に先は長いな、そう思いながら次のゴブリンを探し始めた。

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