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裏切り者 6

逃げる?

こんな思いをするくらいなら逃げれば良い。


自分自身に問いかけていた。


そう、こんな思いするくらいなら、この場から立ち去って冒険者なんて辞めてしまえば良い。

そして、また、人と関わらず当たり障りのない生活をすれば良いんじゃないのか?


そもそも僕は冒険者に向いてなかったんだ。

ゲームじゃ無いんだから、モンスター相手に命のやり取りなんて僕にはあってなかったんだ。

怪我もするし、最悪、死ぬ事もあるだろう。


それなのに何故、冒険者になりたかったんだろう。


名声?お金?ハーレムを作りたいから?

そんな事、どんな職業でも頑張れば出来るのでは?

冒険者になるのが、手っ取り早いから冒険者を目指したのか?


更に思考を巡らす。

何で…、何故…。


そうだ、自分自身強くなりたかったからだ。


自分が弱かったから、いつも回りに関心を持たないように壁を作っていた。

自分が虐められないように、そして回りで何かあっても知らぬ存ぜずを突き通し関わらないようにしてきた。


惨めだった。


学校へ行く度に、いつもビクビクして過ごし、自分に被害が及ばないよう空気になっていた。


もっと力が有れば…、


もっとましな学校生活が過ごせたかも知れない。

だから、強くなりたかった。

だから、冒険者を目指した。


そして、今まで出会った皆に見返してやりたかった。

こんな所でへこたれてどうする。

逃げたらまた同じ弱い人間に戻ってしまう。

それで良いのか?

相手はモンスターだ。

このくらい動じず倒せないと強くなったと言えないだろう。

強くならないと助けたい人も助けられない。

見て見ぬふりをするのは、もうごめんだ。


モンスターを倒さないと死ぬのは僕なんだ。

それに、もしかすると冒険者同士で争いが起き戦いになったら、どうする?

戦わないまま殺られるを待つか?


いや、かなわないと分かっていても、自分に向かってくる敵は排除しないと、自分が生きている意味がない。


こんな嫌な感覚がなくなるまでモンスターを倒さないと。


もっとゴブリンよ、来い。

そして、僕にこの感情を慣れさせろ。


そんな事を考えていると現実に引き戻すかのように遥の声が聞こえてきた。


「ハルト!ねぇ!ハルト!

聞こえている?」


そう言いながら、僕の身体を大きく揺さぶっていた。


「ああ…、大丈夫」


「もう、突然、ぼーっとしてどうしたのよ」


「もう、大丈夫だから」


「あっ、もしかして初めてゴブリン倒したの?

私もあの時は凄く感動して、今でも昨日のことのように思い出すわ。

初めて狩ったゴブリン。私でも出きるんだと、未来に眼を輝かせていたわね」


遥はひとり頷きながら納得したようだが、僕とはちょっと違う意見のようだ。


「ハルト、この辺で1度休憩する?」


「僕は平気だから、ドンドン行こう」


「ハルトがそう言うなら…、分かったわ。

先へ進みましょう」


そう、僕は強くなる為に戦わなければならないんだ。


少し脱線気味になりましたが、ちょっと投稿します。

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