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名も無きダンジョン 5

「兎、取ったぞ〜〜!」


ようやく自分で納得出来た兎狩りが出来たので嬉しくなり、つい、兎を高々と決めポーズまで決めて掲げた。

これほど嬉しいことはない。本日2匹目だが、やっと自分の力で兎を狩ったというこの1匹の記憶は、多分、将来、忘れる事はないだろう。

だが、そんな気分を打ち砕く言葉を投げかけてくる奴がいる。


「兎を狩ったくらいで、何を浮かれているのよ」


そう、遥だった。

折角、人が兎を狩った喜びに浸っているのに、なんて無神経な奴。


「良いだろう。初めての狩りで倒した獲物なんだから、俺の勝手だろう」


「はいはい、浮かれているのはその辺までにしといてね。

まだ仕事は残ってっるんだから」


そうだった。残りの兎を狩らないといけなかった。

余韻に浸っている場合ではない。


「分かっているよ。残りの兎も探し出して狩って見せるさ」


「あら、残念」


「ん?」


「貴方が、その1匹と格闘している間に残りは私が狩ってしまったわよ」


「えっ!」


「だから、残りの仕事は兎がダンジョンに消えてしまう前に集めて持って帰ることよ」


どうやら僕が2匹狩っている間に、遥は残り8匹を狩ってしまったという事か。

初めての狩りだったし、レベル差もあるし…、だけど、やっぱりもう少し兎を倒したかった。

せめて、もう1匹。

いやあと5匹、半々となるくらい狩らないと、パートナーとして、いや、男として情けないだろう。


1日に出現する数は10匹なので、これ以上、この階層に留まってもモンスターは現れることはない。

まだモンスターを狩りたかった。全然物足りない。更に下の階層へと降りるかとも考えたが、兎でさえ手こずっているのに、兎よりも強いモンスターとは戦えないだろう。

それに、このダンジョンを管理しているオロチクランのメンバーなら、今更、下の階層に降りても既にモンスターを倒し終えているかもしれない。

まだ、初日だし焦ることはない。

一人で兎を全数狩れるようになるまで頑張ってみよう。

今の目標はそれだな。


「ちょっと、ハルト!

手を怪我しているじゃない!」


そう遥に言われて気付いた。

さっき兎を穴から引きずり出す時に噛まれたんだった。

兎を初めて狩った興奮からか、噛まれた事され忘れていたが、遥に言われた瞬間、手にジンジンと痛みが走ってきた。

手にくっきりと付いた兎の前歯の後から、流れ出ている血を見た所為かもしれない。


「ちょっと貸しなさい」


「えっ」


遥は、そう言うと僕の怪我している手を取り、自分の荷物の中から小さな簡易的救急箱を取り出した。


「沁みるけど我慢しなさい」


そう言うと消毒液をかけ、


「つぅ!沁みる」


「男の子でしょ、我慢しなさい」


そう言われても、沁みるものは仕様がない。

噛まれた手がドックン、ドックンと大きく脈打っていた。

血止めのスプレーをかけられ、ガーゼ、包帯をグルグルと巻かれていった。

意外と遥は気が聞くのではないか?

僕の中で少しパートナーとして、いや、女性として株が上がった。


「バイ菌が入ったらどうするの?全くも〜う、モンスターにやられた傷で手足を失った人もいるのよ」


「もしかして、噛まれたのは不味かった?」


一気に青ざめてしまった。

何も考えずに穴の中に手を突っ込んで噛まれてしまったけど…。


「僕の手は、無くなるの?」


「大丈夫よ、ちゃんと消毒したから。

それに兎に噛まれたくらいじゃ、問題ないけど、モンスターの中には毒や麻痺、腐食を持つ者もいるから気をつけなさい」


「はい、分かりました」


素直に警告として受け止める事しか出来なかった。

しっかり学んで、次に活かせばいい事。

同じ過ちを繰り返さないように肝に命じた。


「さあ、兎の解体でもしようか…、と言っても、その手では無理か。

仕方がない。私がやるから次からはハルトもしなさいよ」


そう言うと遥は兎を解体し始めた。

ついつい顔を背けてしまうが、その度に遥に叱られてしまった。

初めてだし、グロテクスだし、背けてしまうのは仕方ないだろうと思ってしまうが、これが出来ないと冒険者としてやっていけないだろうし、早くしないと折角、狩ったモンスターがダンジョンに吸収されてしまうかもしれないので、遥は手早く解体し、それを僕がリュックに縛り付け持つという作業になっていた。


解体し終わり、残されたいらない部分はどうするのかと聞いたら、普通なら他のモンスターが食べるらしいが、この階層には明日にならないとモンスターは現れないだろう。

その時は、その内ダンジョンに吸収され消えてしまうらしい。

便利な仕組みになっているなあと一人で感心していた。


このままこの階層で下の階層に向かったオロチクランのメンバーを待つかとも考えたが、兎10匹も重いし、(僕が一人で持ってるんですが、遥にも半分渡したいが女性に持たせるのもなんだし、兎を一人で解体してくれたから仕方なく持っているけど)早く降ろしたい。

だけど下に降ろしているとダンジョンに吸収されるかもしれないからリュックごと担いでいるけど、重すぎる。


なので、ノルマは達成したし、いつ戻って来るか分からなかったので、先に戻ることにした。





投稿、遅くなりました。

いつも読んでくれてありがとうございます。

どう繋げようかと考えているのですが、全然、浮かばず、申し訳ありません。


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