表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/46

名もなきダンジョン

僕達は団長に続いて歩き出した。

僕は、てっきり玄関に向かうものだと思っていたら、玄関に向かう長い廊下の1室の扉を開け、中へと入っていく。


勝手口があったのかと思い、団長、メンバーの後に続いて部屋に入ると、そこは人ひとりが入れるような狭い空間に、下へ向かって伸びる螺旋階段があった。


『カン、カン、カン』


辺りは、オロチクランのメンバー達が装備しているブーツと鉄の階段が音が反響しあい響きあっていた。

付いて行くしかないのは分かってはいるのだが、何処へ向かうのか、説明があっても良いのではないのか?


「ほら、早く行きなさいよ」


「分かってるよ」


僕は遥に急かされ、階段を降り始めた。

何処まで続くのだろう。

狭い分、圧迫されるし、何処まで続くかも分からない。

電気は灯っているが、ロウソクの炎のように薄暗い。

不気味に思えるのは僕だけだろうか?

不安だけが僕の中を支配していた。


かなり降りて来たようだが、螺旋階段の為、どれくらい降りたかは不明だ。

いつの間にか、オロチクランのメンバー達の足音は聞こえなくなっていた。


そして僕達も螺旋階段の最後まで来ていた。

螺旋階段を降りると、そこは全員が余裕持って寝られるくらいの空間。

目の前には、よく船で見られる水が入らないように隔離出来る頑丈そうな扉が1つ。


団長が真ん中にある大きなハンドルを回すと、


『ギィギィギィ、ガチャン、ガチャン』


と、嫌な音をさせながら扉のロックが外れていく。


「これからダンジョンに入るが、この扉は絶対に開けっ放しにしない事。

必ず締めてくれ」


「えっ、ダンジョンって!!

建物の下に有るんですか?」


「たまたまだけどね。

元々、天文台があった所にダンジョンが出現してね。

まだ出来たばかりだから、モンスターも強くないしドロップアイテムも、そんなに落ちないし、こんなダンジョンは底辺にいるクランの我々が管理していると言う訳さ」


「モンスターが強くないと言っても暗視スキルは必要なのでは?」


「まあ、見てみれば良いさ」


団長の龍人さんが扉に手をかけ引くと、『ギィ〜〜〜〜』と音を立てながら開いていく。


眩しい。

扉の先から光が差し込み、目を開けていられないほど眩しかった。

ようやく目が慣れてくると扉の向こうの景色に驚かせれた。


「なんだここは!?」


扉の向こう側にあったのは、野球場ほどの広い空間に、膝までくらいの草花が広がっていた。

空間の端は高い絶壁となっており、高さは30メートルくらいか、その先は明るく青々とした空。


まるで深く大きな穴に落ちた印象を受ける。


「ようこそ、名も無きダンジョンへ」


「名も無き?」


「ダンジョンが出来たばかりで名前が無いのよね」


「龍人が、なら、名前がないのなら名も無きでいいんじゃないかって。

男って単純よね」


「別に名前なんて良いだろう。

ダンジョンはダンジョンなんだから」


ダンジョン内だというのに、オロチメンバー達は余裕があるのか、緊張感もなくフザケあっていた。


「ここがダンジョンならモンスターも出るんですよね」


「勿論、ダンジョンだからな」


「なら、もっと緊張感というか」


「ああ、大丈夫大丈夫」


「そうそう、そんなに構えなくてもいいのよ」


「このダンジョンは出来たばかりだから、強いモンスターはいない。

初心者がレベル上げついでに戦闘経験を積むような感じで大丈夫だぞ」


「まずは二人には、この一階で兎を狩ってもらうから」


「兎ですか?」


「そう兎だ。

毎日、階層のモンスターを掃討しても10匹は、次の日には、また生まれる。

何処から生まれるかは分からないが、狩ってしまっても、また同じ数だけ生まれるから、まずは兎10匹を狩ってくれ」


「それと注意点だけど、狩ったモンスターはそのままにしない事ね。

1時間くらいそのままにして置くと、ダンジョンに飲み込まれ消えてしまうから、血抜きをして持ち運んでね」


「血抜きをするって、モンスターの兎、食べるんですか?」


「勿論よ、食料にもなるけど、余った肉は売る事も出来るし、魔石も小さいけどお金になるわ」


「モンスターですよ、モンスター」


「モンスターでも兎は兎。贅沢を言っていたら食べ物が無くなっちゃうわよ。

それに意外とモンスターの兎、美味しいわよ」


「という事で、我々は下の階層へ向かうから、あとは二人で頑張ってな」


「ついでだけど、絶壁の先がどうなっているのかと気になって登っても、見えない壁があって進めないから無駄だぞ」


「居たわね、無理して絶壁登った人」


「うるさいな」


そんな事を言いながら、クランメンバー達は先へと進んで行った。


「ちょっと、僕達は…」


聞こえないのか、聞こえない振りをしているのか、振り返ることもせず消えていった。


いきなり兎狩りなんて、二人で出来るのだろうか?

辺りを見渡すが、兎どころか何もいないような気がする。

何処かに身を潜めているのだろうか?

どうやって探すか、先行き不安にしか思えなかった。







決算月で忙しく、なかなか進めず申し訳ありません。

コロナウイルスも拡がりをみせる中、健康管理に気をつけて皆様頑張っていきましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ