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最強のキョウダイ  作者: ジータ
第一章
60/309

第59話 孤立した村17 待ち受けるモノ

誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

 洞窟の中に入ったハルト達は、


「洞窟の中……思ったよりも明るいね」

「あぁそうだな。もっと暗いもんだと思ってたんだが」

「たぶん、色んな所に魔晶石があるからそのせいじゃないかな」

「結構高い鉱石だと思うんだけど、確かに色んなとこにあるな。魔晶石」


 魔晶石。大気中の魔素を吸収し発光する鉱石だ。これを加工することで部屋の明かりにしたり、街灯になっていたりする。その魔晶石があることで洞窟内の明るさは一定以上に保たれていた。


「おかげで進みやすいからいいけどね。でも、この洞窟静かだね」

「あぁ、でもこんだけ静かだと逆に不気味だな」

「この奥に本当に聖剣があるのかな」

「だと……思うんだがな。まぁ警戒するに越したことはないだろうし。このまま慎重に進んで行くか」

「うん。そうだね。でもこれなら木剣じゃなくて普通の剣持ってくるべきだったかもね」

「今さら言ってもしょうがないだろ。それに、一応その木剣でも切れるんだろ?」

「まぁ、魔力を纏わせることができればね。さっきゴブリンに対してできたのは運が良かったっていうか……まだ確実に成功するわけじゃないし」

「お前……それでよくゴブリンと戦う気になったな」

「いやだって、あの状況ならボクがやるしかなかったし」

「そうだけどよ。でも大丈夫なのか? 下手したらこの奥にゴブリンよりも強いのいるかもしれないんだぞ?」

「そうなんだけど……でも、なんでかわからないけど行かなきゃいけない気がするんだ」

「なるほど……聖剣と《勇者》は惹かれ合うってやつか」

「そうなの?」

「いや、オレもよくは知らないんだけどな。そういう話を聞いたことがあるってだけだ。でも、《勇者》であるお前がそういうこと言うならあながち間違いじゃないのかもしれないな」

「聖剣……か。私聖剣って見たことないけど、そんなに特別な剣なの?」

「まぁそりゃな。聖剣によって力は様々だ。炎を生み出す力を持つ聖剣もあれば、ただただ斬れるだけって力を持つ聖剣もある。この国にいるもう一人の《勇者》……エクレアは、雷の力を持つ聖剣【ケラウノス】を持ってるしな」

「雷の聖剣……」

「手に入れるまでわからないって話だな」

「私よく知らないんだけど、そのエクレアさんって強い人なの?」

「強いなんてもんじゃねーよ。ありゃバケモンだ」


 イルは過去に一度だけ見たことがある。エクレアが聖剣を振るう姿を。とある街を襲った魔物のスタンピード。やってきた魔物をエクレアはただの一撃で葬り去った。あれが《勇者》と聖剣の力なのだと言われ、畏怖したことをイルはよく覚えている。


「そっか……強いんだ。エクレアさんって人」

「そうだけど、それがどうかしたのか?」

「ううん。ちょっと興味があっただけ」


 そう言って笑うシアにどこか奇妙な引っかかりを覚えたイルだったが、目の前に分かれ道が現れたことで思考を中断される。


「分かれ道……か。どっちに行けばいいんだろう」

「正解は二つに一つってか。間違えたらろくなことにならないんだろうな」

「確かに、こういう時の分かれ道って間違えたらトラップとかあったりするもんね」


 選べる道は一つ。しかし何かヒントのようなものがあるわけでもない。不用意に選んで二人を危険にさらすことはできないとハルトは考えていた。しかし、イル不意に片方の道を示して言う。


「こっち……かもしれない」

「え?」

「いや、なんつーか。確証があるわけじゃねーんだけど。こっちの方から何か感じるっていうか。あー、すまん、なんか変なこと言ったな。気にすんな」

「……そっちに行ってみよう」

「は? いいのか?」

「どうせこのままここにいるわけにもいかないし。ならイルさんのその感覚をボクは信じるよ」

「ハルト……」

「そうだね。思い切っていっちゃおう」


 ハルトは何も考えずにイルの意見を信じると言ったわけではない。イルは《聖女》だ。そして《聖女》には導きの力があるとハルトはリリアから聞いていた。だからこそハルトはイルの直感を信じることにしたのだ。

 イルの示した方向に進むハルト達。その道中は先ほどと同じく、静けさに満ちていたが不意に道が開けて大きな空間に出るハルト達。


「なんだ……ここ」

「さっきまでと比べて随分広い場所に出たね」

「なんか……変な雰囲気だね」


 その空間は、さきほどまでとは違う空気が流れていた。その空間の中央には巨大な岩の塊がポツリとあるだけで、それ以外には何もなくハルト達が入ってきた位置とは反対側に道が続いていた。


「なぁハルト……オレさ、なんか嫌な予感がするんだけど」

「奇遇だねイルさん。ボクもだよ」

「え? どういうこと?」


 そう、まるで戦うために整えられたかのような空間にハルトとイルは警戒心を強める。その直後のことだった。ゴゴゴゴゴ、という地鳴りと共にハルト達が来た方の道も、その先の道も封じられる。


「道が!」

「くそ、閉じ込められたか!」

「な、なに?!」

「わからねぇけどとにかく構えろ!」


 地鳴りが収まるのと同時、空間の中央にあった岩の塊が動き始める。それは徐々に形を成していき、ハルト達が見上げるほどに大きくなる。


「これは……」

「まさか……嘘だろ」


 三メートルほどの大きさとなったその岩の塊はどこか歪ながらもヒトの形になっていた。それが何であるかということに気付きハルト達の心臓が痛いほど早鐘を打ち始める。

 怯えを含んだ声音でイルが呟く。


「ロック……ゴーレム」


 ハルト達の目の前に現れた存在、それはゴブリンなどとは比較にならないほどに強大な力を持つ魔物。ロックゴーレムであった


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク&コメントしていただけると私の励みになります!

それではまた次回もよろしくお願いします!


次回投稿は4月13日18時を予定しています。

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