27・……これには、独自の決まりがあります……
( ・ω・)今年のGWはまばらなので
助かったぜ……(傷が浅い的な意味で)
日本・とある都心のマンションの一室―――
黒髪セミロングの、やや目付きの悪い少女と、
赤茶のツインテールをした、獣人族の同性が
向かい合う。
「ちゅーわけで料理関係最後の1人、
カガミさんに来てもらったわけですが」
「でもカガミの事はワーフォックスちゃんから
聞いてるんじゃないのー?
生肉・生魚は獣人族の基本だしー」
話せる事が無い、というように彼女は
困った表情を見せる。
「しかしまあ、生肉ともなると……
全員で、というわけにもいかない
でしょう?」
フィオナがそう疑問を口にすると、
「んにゃ?
みんなで食べているよ?
ただナヴィ様とカガミ―――
ワーフォックスちゃんの獣トリオ以外は
微妙な空気になるけど」
「えっ。
他のみなさんも食べているんですか?」
意外そうに聞き返す女神に獣人の少女は、
「まー何と言ってもナヴィ様が食べている
からねー。
彼、『別に無理しなくてもいいでしゅよ』って
言ってくれるけど……
邪神ちゃん、サキュバスちゃん、
堕天使ちゃん、悪霊ちゃんも―――
気合い入れて食べるし」
「なるほど。
愛する人と一緒の物が食べられない、
なんて選択肢は彼女たちには無いで
しょうし。
しかしなかなかチャレンジャーですね。
いくら人外とはいえ」
「結局、そのへんは悪霊ちゃんが全部
管理してくれているから、っていうのも
あるんだろうけどねー。
ただいくら安全で、さらに人外だから
食あたりの心配が無いとはいえ……
文明や文化の違いで片付けられるレベルじゃ
無いからねー。
まんまこっちは野生だからさー」
カガミの言葉にフィオナはウンウンと
うなずいて、
「そこを乗り越えてこその愛、ですねえ。
しかし、獣トリオとしてはそれで納得
しているんですか?」
「そこが微妙なんだよねー。
気を使わせちゃっているみたいでさー。
ナヴィ様も悪霊ちゃんに、火を通した
料理でいいって言ってくれているんだけど、
邪神ちゃんたちみんなで、ナヴィ様と一緒に
同じ物を食べたいんです!!
って猛反発されちゃって」
そこで女神は『う~ん』とうなり、
「確かに、一緒に食卓を囲んで―――
違うものを食べているんじゃ、味気ない
ですからねえ。
でも生か焼くかは個人の好き嫌いという
段階では無いと思いますし」
「ぶっちゃけ、料理じゃ無いもんねー。
でも生肉スキーのカガミたちからしたら、
こればかりはどうしようも」
するとフィオナは『……ん?』と、何かを
思いつき、
「ではカガミさん―――
こういうのはどうでしょうか」
「??
何かいい手段でもあるわけ?」
そこで女神と獣人の少女は話し合い……
カガミはそれを持ち帰る事にした。
│■日本国・ナヴィ新居タワマン│
「いただきましゅ」
「「「いただきまーす」」」
後日―――
ナヴィと人外六人娘との新居で、夕食が
始まろうとしていたが、
「この鉄板は何でしゅか、悪霊しゃん」
それぞれ、各自の前に置かれた熱々の
プレートを見て、銀髪の美少年がたずねる。
「……ええと……
たまには、みんなで焼肉を、と……」
黒髪ロングのポニーテールをした、和装の
少女が彼に答え、
「それぞれ、自分で焼き具合を調節出来るって
わけね」
「なるほど。
これは考えられていますわ」
黒髪のワンレングスで顔半分を隠している
邪神と、
ブラウンのワンカールロングの髪の、
小悪魔コスプレのような姿のサキュバスが
理解を示す。
しかし、そこで悪霊が口を開き、
「……いいえ……
……これには、独自の決まりがあります……
……みなさんには、それを守って頂きたく……
……よろしい、でしょうか……?」
それを聞いた、ブロンドのウェーブロングに
カラスのような羽を持った堕天使と、
黄色に近い首までの長さの金髪をウルフカットに
した、半人半獣のワーフォックスが心配そうに、
「え、何かあるの?」
「あまり複雑そうなのは―――」
そこでカガミがパンパン、と手を叩いて、
「まーまー。
ここは1つ、我が家の料理責任者である
悪霊ちゃんの言う事を聞きましょう!」
「そうでしゅね。
料理に関しては一任していましゅし。
しょれで、どうすればいいのでしゅか?」
ナヴィも同調して彼女にたずねる。
「……まず、あたくしが手本を示します……
……それではまず、ナヴィ様……
……焼き加減はほぼ生で構いませんか……?」
「そうでしゅねえ。
せっかくですから、表面だけちょっと焦がして
もらえましゅか?」
と、夫のリクエストを聞いた彼女は注文通りに
焼いて、
「……で、では……
……ナヴィ様、あーん……♪」
突然の『あーん』に彼は戸惑うも、これも
ルールの見本なのだろうと口に入れる。
「……と、このように、ですね……
……自分で焼くのではなく、相手に伝えて……
……食べさせてもらう……
……それが、今回の決まり、です……!」
悪霊がそう言いながら周囲を見渡すと、
全員、納得したようにうなずいて、
「なるほど。
これは面白いでしゅね。
では悪霊しゃん。
君の焼き加減はどうしましゅか?」
「ぶぅええぇえっ!?
おぶうぅえぇえええっ!?」
ナヴィからの問いが不意打ちだったのか、
悪霊は聞いた事も無い叫び声を上げて驚く。
「いや、だって私はしてもらいましたから。
次は悪霊しゃんの番でしゅよね?」
「……あ、あぁあ……は……はい……!
……ででで、では……あたくし、は……
……ちゅ、中心まで火を通して頂いて……」
そして彼が肉を焼くのを―――
女性陣全員が見守り、
「これくらいでいいでしゅかね。
じゃあ、あーん」
差し出された肉を、悪霊はまるでキスでも
するかのように口を近付け、
それを迎え入れると、とろけた表情になって
満足そうに咀嚼する。
「……と、とても……美味しい、ですわ……♪
……ナヴィ、様……♪」
恍惚の表情で彼女は答え、長い溜息をつく。
「わわ、ワタクシも!」
「私も!!」
「我も!!」
「私もー!!」
「カガミもー!!」
そして火が着いたように、他の五人も次々と
名乗りを上げて、
「わかっていましゅ。
順番でしゅよ、順番」
悪霊の様子を見て、すでにこうなる事を
予想していたのか―――
ナヴィは夫として、妻たちとお互いに
『あーん』する事を受け入れた。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在8723名―――
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