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23・まーどうぞ駆け付け一杯

( ・ω・)そろそろ衣替え(夏か冬かの

2種類のみ)


日本・とある都心のマンションの一室―――


黒髪セミロングの少女と、ロングウェーブの

銀髪を持つ少女が、


ストレートの長い黒髪を後ろでポニーテールに

した、純和風の装束に身を包んだ同性と対峙(たいじ)

していた。


「……お料理、ですか……」


悪霊はお茶に口をつけながら静かに聞き返す。


「以前、邪神ちゃんとサキュバスちゃんが

 ウチに来た時に聞いたんですけど」


「何でも、ナヴィ様の奥方たちの中で唯一、

 調理をほぼ担当しているのが悪霊ちゃんだと

 話しておりまして」


フィオナとメイは、恐る恐るその事について

彼女にたずねると―――


「……それはまあ、確かに事実です……


 ……旦那様……ナヴィ様に何を召し上がって

 頂くかで、毎回議論になるのですが……


 ……あたくしを中心にメニューが決まって

 いきまして……

 今ではほとんど、あたくしが皆様の分を含め

 作る事になってしまっています……」


彼女の答えに、女神と第三眷属の妹は『おおー』

と同時に感心し、


「でも、彼女たちも普通に暮らして来て

 長いですよね?」


「わたくしたちが言うのも何ですが―――

 腕の良し悪しはあれ、料理は出来るのでは。


 特に日本(ここ)は、ある程度カットされていたり

 予め味付けされている食材も多い事ですし」


フィオナとメイが一般論をぶつけてみると、

ふぅ、と悪霊は軽くひと息ついて、


「……知ってしますか?

 メシマズは3種類に分けられます……


 ……基礎も出来ていないのに、自分流に

 改変する人……


 ……そもそも味覚が人と異なる人……


 ……適当でおおざっぱでとにかくお腹に

 入れば一緒だと思っている人……


 ……そう……あの方たちは……」


「そうなる人には謎が多い。

 誰もが正義となり誰もが悪となる―――」


「そして誰が被害者で誰が加害者か……

 いやこの場合はハッキリしているんですけど」


「……一体、食事とは何か……?」


「テーブルマナーはただ1つ」


「「「生き残れ」」」


そして通りいっぺん何かを成し遂げたように

3人の少女はうなずき合い、


「とはいえ、別にそれほど腕が悪いようには

 見えないんですけどねー、他の4人……

 いや今は5人ですか」


「あー、カガミちゃんが参戦したんでしたっけ。

 夜のベッドインプロレスで5人がかりでも

 体力が持たないってどういう」


「……取り敢えずお料理の話に

 戻りましょうか……


 ……こちらの5人の腕前についてのお話に

 興味がある、という事でしょうか……?」


悪霊は女神と少女の話をいったん仕切り直す。


「まあ無くはないんですけどー」


「どちらかと言いますと、悪霊ちゃんの腕前の

 方に興味があると言いますか」


「……わたくしに……?」


二人の答えに彼女が首を傾げると、


「何でも、和食を作らせたらプロ顔負け

 とお聞きしております」


「それで是非、わたくしたちにもご教授頂け

 たらなあ、と―――」


そこで和装の少女は少し考え込み、


「……とは言われましても、あなたたちが

 どのくらいの技量なのかわかりませんし……


 ひとまず、どれくらいのものが出来るのか

 教えて頂けませんか……?」


すると二人の少女は顔を見合わせ、


「えーと、アタシ―――

 お菓子作りでですが、生命を創造した事が

 ありまして」


「市販のカレールーを使って、まずく作る事が

 出来るのですが、これってどのくらいの

 レベルでしょうか?」


それを聞いた悪霊はこみかめに手をあてて、

両目を閉じ……


「……ひとまず、あたくしが基本的な

 お味噌汁と、お茶漬けを作ってみますので……


 それを見て頂くというのはどうで

 しょうか……?」


という提案を彼女から受け、フィオナとメイは

それに従う事にした―――




「な、何コレ……!

 すごく美味しくて深みがある……!」


「このお茶漬けもそうです!

 香りと味わいが全然違います。


 ちゃんとした出汁(だし)で作るとこうなるん

 ですね!」


悪霊の作った味噌汁とお茶漬けに、

彼女たちは衝撃を受け、絶賛する。


「……料理の基本……

 『さしすせそ』をきちんと守れば、

 たいていの料理は無難に出来ますから……」


微笑みながら彼女がそう指摘すると、


「サシスセソ?」


「あー、多分それは―――


 さ=さっさと

 し=失敗したら

 す=素通りして

 せ=成功のための犠牲と言い張り

 そ=速攻で次に移る


 という事ですね?」


「……全然違います……」


フィオナとメイの言葉に、悪霊は頭を抱えて、


「……とにかく、あたくしが教えた料理に

 関しましては……

 絶対に改変もしくは手を加えないで、

 基本に忠実に作ってください……


 ……ひとまずあたくしが教える事が

 出来るのは、ここまでです……」


すると彼女に女神と少女は最敬礼し、


「イェッサー、マム!!」


「まずはこれを武器に成長してみせます!!」


そう高らかに宣言する二人に悪霊はうなずいて、


「……それでは、そろそろ……

 ……本編を始めましょう……」




│■フラール国・バクシア国代官館(改4)│




フラール国における、バクシアの代官館……

その応接室にあたる部屋で、頬にクロスの

傷を持つ侯爵が客人を出迎えていた。


「お久しぶりです、フィオナ様、ナヴィ様」


「ようこそいらっしゃいました」


侯爵の横で、金髪ロングの女性騎士といった体の

伯爵令嬢、レイシェンが一緒に頭を下げる。


「まーどうぞ駆け付け一杯」


「出会って最初に出る言葉がそれってどうなん

 でしゅかね」


フィオナに同行していた銀髪の美少年、ナヴィが

呆れながらツッコミを入れる。


そして差し出された栄養ドリンクを二人は

受け取ると、ほぼ同じ動作で腰に手をあてて

ぐいっ、と飲み干す。


「くあぁああ……っ!

 これは効く……!」


「毎度の救援物資ありがとうございます!」


バーレンシアとレイシェンは、そろって女神に

感謝を述べる。


「はー、人心地(ひとごこち)ついたよ」


「それで今回はどのようなご用件で」


やや体力を取り戻した夫婦は、ようやく本題を

聞き出すが、


「いやー、あっちでナヴィも結婚しましたし、

 それで夫婦同士の顔合わせ?

 をしていたんですけど―――」


「侯爵様と伯爵令嬢はなかなか予定が取れません

 でしゅたからね。


 そりぇで、今調子というか忙しさはどれくらい

 かと思いましゅて」


その問いに、二人は軽く息を吐いて、


「まあ、やっと峠は越えたかなって感じかな」


「そうですね。


 それにバクシア本国からも何人か事務方を

 寄越してくれる運びになりましたので、

 かなり楽になると思われます」


そこでフィオナは『ン?』と首を傾げ、


「え、今頃ですか?

 もっと早く寄越してくれてもよさそうな

 ものですけど」


するとレイシェンが首を左右に振って、


「いえ、それが……

 今はレンジ様の人気が高く、誰が行くかで

 競争になったらしいのです」


「少し前までは、こんな辺鄙(へんぴ)な場所に誰が

 行くかって事で誰も来なかったんだけどねぇ。


 世の中、うまくいかないもんだよ」


侯爵が乾いた笑いで答える。


「あ~……それはまた何というか」


「しょ、しょれで―――

 ビューワー伯爵とマルゴットしゃんも招待

 したいんでしゅけど、今お二人はどこに?」


話題の方向性を変えようと、フィオナとナヴィは

本題に戻る。


「あの2人にもかなり手伝ってもらった

 からねえ。

 一段落して、今は館に戻っているんじゃ

 ないかな?」


「あのお2人にも、この異世界のポーションを

 差し入れてあげてはいかがでしょうか」


夫婦の言葉に二人はうなずき、


「では、そうさせて頂きます」


「あ、コレはこっちに置いていく分でしゅので」


そして数十本の栄養ドリンクを二人に渡すと、

フィオナとナヴィはビューワー伯爵の館へと

向かった。




カシャ☆



―――女神フィオナ信者数:現在8664名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

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