21・脱皮したてのザリガニより弱い
( ・ω・)夏休みは放棄した
(会社の冷房の方が涼しいので)
日本・とある都心のマンションの一室―――
やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女と、
シルバーのロングウェーブの髪を持つ同性が
向かい合う。
「これなんかどうかと思うんですけどねー、
メイさん」
「いやいやフィオナ様!
それはちょっと大人し過ぎでしょう?
やはりここは大胆にこれなんか
どうでしょーかっ!?」
女神と少女が手にしているのは、男児用の
水着、水泳用のパンツであり、
「何をしていらっしゃるんですか、
お2人とも」
銀色の長い毛並みの猫……
ナヴィ(猫Ver)が呆れながらも問う。
「いえ、我が夫の水着の厳正なる審査をして
おるのですよゲフゲフゲフ♪」
「こっちにあるプールなる公共施設―――
そこでわたくしたちの夫がいかなる姿で
注目されるのか……
それを精査するのは妻として当然の事……♪」
そこでお目付け役はため息をついて、
「別にそれはいいんですけどね。
それに水着ならプールでなくても、
健康センターとかスパとかでもいいのでは」
「なるほど。お試しならそれもアリですね」
「もしくは、混浴がある温泉施設でも―――」
すっかり地球の施設に慣れたのか、メイは
フィオナと同じ感覚で話し合う。
「まあそれにしたってだいたい……
もう5年以上になるんでしょこの作品。
それでいて水着回・ポロリ回・
ラッキースケベ回がまったく無いって
いうのは」
「あり得ないですよね」
女神と第三眷属の妹はうなずき合い、
「ラッキースケベも真っ青のドラッグ回と
いうのはありましたけど。
後ですね―――
普通、ご自分の水着をまず検討すると
思うんですけど、違いますか?」
冷静にナヴィがツッコミを入れると、
「え? だってもうアルプきゅんには、
下着も裸も見られていますし」
「今さら水着を見られてどうこうなんて
無いですよー」
そこで彼は首を傾げ、
「でもそれならアルプ君も同じなのでは?」
と、なおも続けてナヴィがツッコむと、
「いや何を言っているんですか!
水着は見せるためのものなんです!
隠すのが前提の下着とは違うんですよ!!」
「意外とわかっておられないんですね、
ナヴィ様は……」
その回答に従僕の猫は再び首を傾げ、
「申し訳ございませんが私の読解力が
おかしいのでしょうかまあいいや。
それではそろそろ、本編スタートしますね」
│ ■コザイ国・王都 │
「しかし、待機っつってもなぁ」
「情報収集しようにも、すでに調べるところは
調べ尽くしたって感じだし―――」
中肉中背の、濃い緑色の短髪を若い男性と、
そして彼よりは細身の、薄いブラウンの
短髪をした青年……
トニックとソルトが、ぼやきながら街の中を
歩いていた。
「つーかよ、アルプとファジーをさらったヤツ、
俺たちの名前を騙っていたって話だが」
「そこなんだよなあ。
相手もそれなりの諜報能力があるって
事なんだろうが―――
俺たちのような小物の名前まで知っているって
相当だぜ?」
自嘲気味に話しながら、彼らは歩き続ける。
「そこまで卑下しなくても良いと思うがね」
「あの遺跡付近をうろついていただろう?
人間にしてはいい線いっていたよ」
その言葉に思わず二人は振り返る。
見ると、人間の男性の姿をしているが……
明らかに異様な雰囲気をまとう者たちがいた。
限理神・マファーダの配下の魔族―――
フォルドとワーダーである。
「お前らが……!」
トニックとソルトは身構えるが、その戦力差は
足が震えるほど本能に訴えかける。
するとそれを見透かしたかのように、
「申し訳ないが、我々は荒事は苦手なんだ」
「今回はただの伝書鳩の役割でね」
魔族二人の申し出に、トニックとソルトは
顔を見合わせる。
「まあ聞きたまえ。用件は―――」
そこで彼らは、魔族からの伝言を聞く事にした。
「あの遺跡?」
「しかし、あそこにはもう何も……」
魔族の本拠地を知らされ、二人は困惑するも、
「ウソは言っておらんよ。
マファーダ様のお力で、次元の異なる世界へ
飛んでいるだけだ」
「その入口があの遺跡だ。
そこへ招待するよう、我々は言伝された」
想像の外の事態に人間の青年二名は黙り込む。
「歓迎の準備が出来たのでね。
何人で来ても構わんぞ?」
「もっとも、誰を迎え入れるかはマファーダ様
次第だが……」
フォルドとワーダーが不敵に笑うと、
「アルプとファジー、あの2人は
無事なんだろうな」
トニックの問いに彼らは微妙な表情となり、
「無事……な事は無事だと思うが」
「事が済めば解放されるから、急いで
行ってやった方がいいかも知れない」
人間側はわけがわからず、
「命に別状は?」
「それはない。保障する」
「暴力によるケガとかは」
「女性陣が担当している。
決して手荒には扱っていない」
それを聞いてトニックとソルトは、
魔族側の二人の顔をまじまじと見つめ、
「いや、それなら何で早く助けてやった方が
いいとか言うんだ?
確かに、早く身内の元に帰してやるのが
一番いいとは思うんだが―――」
今度はソルトが疑問を口にすると、
「精神的なものかなあ……」
「同じ男としては同情するけど、何というか
逆らえない圧みたいなものがな。
一応注意はしたんだ。
でも聞き入れてはもらえなくて―――」
「???」
魔族の説明に彼らは理解出来ず、戸惑う。
「とにかく用件は伝えたぞ」
「まあ……後はなるべく早く行ってやれ」
そこまで言うと、ふらりとフォルドとワーダーは
雑踏の中へ消えて行った。
│ ■コザイ国・王都王宮 │
「というワケで、魔族らしい連中から伝言を
受けたんだけど」
「アルプとファジーは無事らしいんだが、
意味がわからん」
そう話すトニックとソルトだが―――
ソニアやミモザを始めとする女性陣は
『あ~……』という半ば納得した表情となり、
男性陣は微妙な顔で視線をあちこちに
そらす。
「アルプの事ですし、女性が相手ならまあ
そうなるでしょうね、としか」
「ファジーもなー……
容姿がいいってのは妄想をかきたてるし」
身内である母と姉の言葉に、他の女性陣は
ウンウンとうなずく。
「まあ女性の集団の中の少数の男の立場なんて、
脱皮したてのザリガニより弱いですからねえ」
「どんな例えなんでしゅかそれは。
ある意味わかりやすいでしゅけども」
女神の言葉にナヴィがツッコミを入れる。
「しっかしまあ、本拠地指定かあ。
いつでも来いって事だよねえ、コレ」
「罠がある前提で向かうしかないでしょうね」
バーレンシア侯爵とビューワー伯爵が話を
元に戻し、
「次元の異なる世界……
それなら、本拠地が今までわからなかった
事もうなずけます」
「迎え入れるのはマファーダ次第とも言って
おりましたけど、つまり向かうだけなら
制限は無いという事でしょう」
レイシェンとマルゴットが婚約者として続き、
「まっ、行くだけ行ってみましょう!」
「カガミも眷属として、当然行くよー!」
こうして、敵の本拠地である遺跡に行く
メンバー選定が始まった。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在7841名―――
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