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14・言い切りやがったぞコイツ

( ・ω・)体が慣らされたせいか、30度未満だと

エアコンのお世話になる気がしない。


日本・とある都心のマンションの一室―――


やや目付きの悪い黒髪セミロングの少女と、

顔の片方がストレートの黒髪で隠れている

ワンレングスの同じくらいの年の同性が、

向かい合って座る。


「ふーん。このタワマンですか。

 あんまり離れていないんですね」


「多分、アルフリーダ様もここをこの世界の

 拠点にと思っていらっしゃるようですから……


 娘であるフィオナ様が結婚された事ですし、

 今まで通りここに頻繁に来るわけにも

 いかないんでしょう」


ナヴィ&人外5人娘の住まいとなるタワマンの

資料を見ながら、女神と邪神は語り合う。


「そういえば夫であるそのアルプ様は?」


「ま、まだ正式に結婚したわけじゃなくて―――

 今は通い? でこちらに週2・3回の割合で

 来てもらっていますからっ。


 果樹園の方も今、忙しそうですし」


「あ、そういえばお仕事もあるんでしたっけ。

 なるほど……そういう事情はワタクシも考え

 なければ。


 っていうか、ナヴィ様のお仕事って今、

 どんな事になっているんです?」


話が夫方向に向かい、妻たちはそれについて

意見を交換する。


「んー、ナヴィは今のところ、アタシのサポート

 という形になっていますから」


「あの、そのお仕事が落ち着くのは

 いつ頃でしょうか?」


「えっと、どうなんでしょう。


 今、限理神・マファーダとやりあって

 いるので―――

 それが片付き次第?」


そこで邪神はハー、と息を吐いて、


「それが終わらないと時間が空きませんか……」


「ま、まあそれはアタシも同じなわけで。

 ちゃっちゃと済ませてアルプきゅんと早く

 結婚式を―――」


と、そこでフィオナと邪神は目が合い、


「その障害を排除するのに、ワタクシ……

 力は惜しみませんことよ?」


「出来れば他の4人―――

 サキュバス堕天使悪霊ワーフォックスちゃんズ

 にも伝えておいてくれませんか?」


そこへ銀髪の美少年がお茶とお菓子を持って

現れ、


「人外大戦争でもする気でしゅか。

 天界市役所の人たちの胃を、これ以上

 痛めつけるなでしゅ。


 それではそろそろ、本編スタートしましゅよ」




│ ■コザイ国・王都王宮 │




「なかなかやるでしゅねえ」


「そもそも荒事は得意じゃないんでね、俺は。


 しかしなぜ仲間を呼ばない?

 この扉の向こう―――

 女神一行がいるんだろう?


 それとも、俺の相手など自分1人で十分って

 事か?」


女性陣が集まった部屋の扉の前で、

魔族・フォルドと女神の従僕ナヴィは、

静かな格闘を繰り広げていた。


「いえまあ、加勢して欲しいっていうつもりは

 あるんでしゅけどね?

 私少し疲れているんで。


 ただあの空間の熱量というか悪寒というか、

 それを持ったまま乱入されるのもちょっと

 嫌だなーといいましゅか」


「それは俺も同感だから何とも……

 いやでも緊急事態だよな?

 そうまでして呼びたくないものか?」


「はい(断言)」


「言い切りやがったぞコイツ!!」


そういうやり取りをしつつ、均衡状態が

続いていた。




「トニックさんとソルトさんから、ですか?」


「ボクたちでよければ、お話を聞きます」


グリーンの短髪と瞳をした少年と、

ブラウンの髪の、やや垂れ目の少年―――


第一眷属のアルプと、第二眷属のファジーが

扉を少し開けて顔をのぞかせる。


「他の方々は?」


ワーダーの問いに二人はいったん部屋の中へ

視線を向けると、すぐに戻り、


「バーレンシア侯爵様とビューワー伯爵様が

 いらっしゃいますが……」


「お2人とも疲れているご様子なので」


そこで魔族の青年は少し困った顔をして、


「そうですか―――


 出来ればそのお2人のうちどちらかに、

 と言われていたのですが」


ここでもワーダーは慎重に言葉を選ぶ。


「(例の2人……

 『バクシアの鬼神』『フラールの剣聖』が

 動けないという事であれば好都合だ。


 だが念には念を入れて―――

 その2人に話せないのは想定外だ、という

 態度を取らないと)」


「う~ん……

 全然動けない、という感じですか?

 そもそもどうしてそんなにお疲れなんで

 しょう」


すると少年二人は微妙な表情となり、


「体力はあると思うんですけど」


「精神的な疲れの方が」


その答えに、魔族の彼は思考を巡らせ、


「(確か各国の重鎮(じゅうちん)、なぜか序列上位国の

 王妃・王女まで来ているという話だったな。


 その接待で疲れたという事か?


 しかし体力はある、という言葉は気になる)」


そこでワーダーは最後の一押しとして、


「一言だけでも、どちらかに直接伝える事は

 可能ですか?


 部屋に入る事は」


彼の問いにアルプとファジーは、チラっと

部屋の中を見るが、


そこにはグロッキー状態の侯爵と伯爵がいて、


「ちょっと……難しそうです」


「それと、部屋には予め予定されている

 来客以外、誰も入る事は許可されて

 おりませんので―――」


その言葉に魔族の青年はふむふむとうなずき、


「しかし、それはそれで……

 このような場所で話してもいいものかどうか。


 誰かが聞いているとも限りませんし」


すると少年二人は顔を見合わせて、


「少しの間なら、そこの廊下の(すみ)で、

 というのは」


「なるべく小声でお願いします」


彼らの答えにワーダーはうなずき、


「そうですね、すぐに済ませましょう」


そして二人を誘導する事に成功した。




一方その頃―――


「やれやれ、ですね。

 こうまで魔族である俺と渡り合えるとは」


「荒事は苦手と言ってましゅたが……

 なかなかの手練れでしゅ」


うっすらと汗をかきながら、フォルドと

ナヴィの戦いは続いていた。


「体調も万全ではないのだろう?」


「そうでしゅね。

 やはり思ったより疲れていたようでしゅ。


 精神的な意味で! 精神的な意味で!!


 大事な事だから2回言いましゅたよ」


「お、おう……?」


どう答えたらいいかわからず生返事をする

フォルド。


するとそこへ、同じく潜入したワーダーの

声が、


「何やっているんだ! フォルド!


 目的は達成したぞ!

 いつまでもそんなやつに構うな!!」


そう言う魔族はヴァンパイアのように大きな

コウモリの羽を広げ―――

両脇に二人の少年を抱えていて、


「―――!!

 アルプ君、ファジー君!!」


ナヴィは叫ぶも、二人は眠らされているのか

反応を示さず、


「よし、ここまでだ。

 俺も退かせてもらうよ」


フォルドも同じ魔族のような羽を広げ、

高い天井へ逆さまにぶら下がる。


だがそこへ、


「させるかっ!!」


「二人は置いていきなさい!!」


頬にクロスの傷を持つ侯爵と―――

まだ二十代にしか見えないホワイトシルバーの

短髪の伯爵が、空に向かって切りかかる。


「く……!」


「いかん、3対2か。

 だがこちらには―――」


と、いつの間にかワーダーはフォルドに

アルプを渡し……

盾にするように前に抱きかかえる。


「マズいでしゅね」


「アルプ君とファジー君が人質に……!」


「このままでは―――」


ナヴィ、そしてバーレンシア侯爵と

ビューワー伯爵が苦渋の表情を見せると、

その背後から、


「そこまでですっ!!」


そこに現れたのは女神と、付き従うように

女性陣も一緒で


「ぬっ!?」


「アレが女神か……!

 くそ、このままでは」


さすがに状況が悪化した事を魔族二人は

認識するが、


「ちょっと!!

 アルプはそっちの方と合わせる方が

 似合うでしょーが!!」


「それは違いますフィオナ様!!

 それより姿勢の方が重要ですよ!!」


「ちょっとそこの者!

 もう少しこう、片手を少年の首に

 添えてみてくれぬか?」


「いえ、ここは王道でお姫様抱っこのように」


と、いろいろと魔族二人に注文を付け始め、


「ぐ……っ、な、何なのだこの疲労感は!?」


「精神攻撃、いや精神汚染か!?


 これ以上ここに留まるのは危険だ!

 退くぞ、フォルド!!」


その言葉と共にフォルドとワーダーは、

アルプ・ファジーの姿と一緒に消えた。




カシャ☆


―――女神フィオナ信者数:現在7732名―――



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

基本、土曜日の午前1時更新です。

休日のお供にどうぞ。


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(;・∀・)カクヨムでも書いています。

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【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

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