19・『アンカー』ってみましょう
( ・ω・)暖冬なんだろうけど夏が暑過ぎたからか、
体が慣れてくれない。
日本・とある都心のマンションの一室―――
家主である、やや目付きの悪い黒髪セミロングの
ヒロインと……
小悪魔っぽいシッポとコウモリのような翼を
持った少女がくつろいでいた。
「あのう、本日はナヴィ様は?」
「もーすっかりコタツの住人よ。
あ、捕まえようとしてもムダだから。
この前邪神ちゃんと一緒にチャンレンジしたん
だけど、2人だけならまた逃げられるわ」
恨めしそうな視線をコタツに送りながら、
フィオナはサキュバスの問いに答える。
「なるほど……
という事は人数を揃える必要があるのですね」
「でもまあ、四方向から攻めたところで
猫ですからねー。
するりと抜けられてしまうような気も
するんですよ」
そこで二人はう~んと考え込み、
「で、では視姦―――
ではなく、ただそのお姿をコッソリと
覗き見るというのは」
「それはこの前やったんだけど……
息を殺してやらないとダメよ?
ちょっとハァハァ言っただけで猫パンチが
飛んできたから」
「やったんですか」
サキュバスは女神の経験談に呆れながら答え、
「それならば、コタツの中のナヴィ様のお姿を
想像してみるのはどうでしょうか?
さすがにそれくらいは許されるかと」
「えぇ~……そんなんでいいの?
せっかく現物があのコタツの中にいるのに」
人外の女性二人は話し込むが、
「だからこそです……!
猫の姿のナヴィ様の寝姿を想像し、さらに
そこから人間の時のお姿を連想する―――」
「ふむ……すぐそこにいる、というシチュで
それは萌えそうですね。
よろしい、アタシも取り組んでみる事に
しましょう」
そしてサキュバスとフィオナは、妄想の世界に
その身を沈めていった―――
「ふぃい~……すっかり暖まりましたね。
おや?
フィオナ様、それにサキュバスも来ていたん
ですか」
一時間ほどした後、コタツの中からシルバーの
長毛種の猫が出て来たが、
「どうして2人とも、体を横にして痙攣して
いるんですか?
悪いものでも食べました? それとも何かの
健康法?
まあ詳しく聞きたくは無いという感じで、
本編スタートしましょう」
│ ■シフド国 メルリア本屋敷 │
「しかしまあ、今後どう動くかは決めないと
いけないでしゅよ。
しょれと、テクスとエクシル―――
あの2人の気配は近くに感じりゃれません。
シフド国に来るのを諦めたか、もしくは
しゅでに調査が終わって入れ違いに国外へ
出たとも考えられましゅ」
女神一行は協力者の屋敷で、改めて次の方針を
話し合う事に。
まずフィオナの従僕である銀髪の少年が、
その事で口を開くが、
「でも、各地に眷属を配置しておくって
いうのは、この前決めたんですよね?」
「そもそもここにカガミが来ている事自体、
ナヴィさんに同行出来る人選として、
だったよね?
だったらまた2人での調査になると思うけど」
ピンクのロングヘアーに眼鏡をかけた秘書風の
巨乳美人と、首まで伸びた銀髪の巻き毛を持つ
獣人族の少年が確認も兼ねてたずねる。
「まあ問題は行き先なんですよねー……
フラール、バクシア、ルコルア。そして
シフドと来て次は」
「序列上位国に移動しているような感じは
しましゅ。
となると、ここシフドを除いて―――
グレイン国かミイト国になりゅかと」
そこで一行はそれぞれが悩み始め、
「順番としては、ミイト国が先になりそうな
気がするんですけど……
でもそれならここシフド国より先に行って
いないとおかしいんですよね」
メルリアが額に人差し指をあてながら語り、
「そうなんでしゅよね。
これまでもフラールを始めとして
序列下位国から―――
段々と上位国目指して、という動きに思い
ましゅたので。
ただ相手は2人。
私が出会った時は一緒にいましたけど、
もしかしたら場合によってはそれぞれ
単独行動している可能性も」
「今日の晩御飯って何かなー」
キーラはふむふむと聞いていたが、その妹の
赤茶のツインテールの少女は理解の範囲外
なのか目が宙を泳ぐ。
「しょれはそうと聞いていましゅかダ女神」
「えっ!? ははいもちろん!
週開けから売りを浴びせてまず市場を混乱
させた後、暴落した株から買い取るという
形で」
いきなり呼ばれたフィオナは出まかせのように、
株取引もどきを口にするが、
「脳を使ってしゃべるでしゅよ。
1ミリも理解していない単語の羅列を
発さないでくだしゃい」
「あ、あああ―――
こういう時は、そう!
超お久しぶりになりますが例の困った時の
ネタ箱!
『アンカー』ってみましょう!」
「だかりゃ『アンカー』を動詞として使用
しないでくだしゃい」
逃げるようにフィオナは地球・自分の部屋の
PCへと意識を繋ぎ、そこから掲示板に質問を
書き込んだ。
【 よお、久しぶりだな(超皮肉) 】
【 この前は三ヶ月くらい前だっけ? 】
【 まあ、便りが無いのは何とやら、だが 】
かなり久々という事は覚悟していたが、
書き込んでからの即座の切り替えしにフィオナは
多少怯んだものの、
「ここ、こちらだってそれなりに忙しかったん
ですよ!
あと情報の整理とか秘密にしなきゃならない
事とか、あれやこれやがあって……!」
【 つーか内部設定ちゃんと言って
もらわないと、対応出来んて 】
【 ほんでまあ、今どんな感じなんだ? 】
【 以前は確か、ナヴィのお供にカガミを
選んだところで終わったよな? 】
前回までのあらすじのように説明してくれる
『アンカー』たちは、何だかんだ言って面倒見は
良く―――
「そ、そうですね。
実は今……」
フィオナが状況を説明すると、
【 ふーん……限理神・マファーダの
手先とやらが、ねえ 】
【 次の調査先はグレイン国かミイト国か、
で迷っているわけか 】
【 つか手先は2人いるんだろ?
下手したらそれぞれが両国へ向かう
可能性も 】
「そ、それでですねっ。
シフド国の次はどこへ行ったらいいのか……」
フィオナが答えを得ようとたずねるが、
【 どっちでもいいんじゃね? 】
【 調査の妨害って言ってもなぁ。
意図的に出来るかどうかもわからんし 】
【 ナヴィはわかるんだっけ? 気配とか 】
「近付けば多少はわかるらしいです。
それに調査する場所も限られると思い
ますので―――」
女神は出来る限りの情報を共有する。
【 まああちらさんも、手当たり次第に……
ってわけじゃないだろうしな 】
【 行き先が限定されているんだったら、
少人数でも対応可能か 】
【 でも国だしなあ……
どちらにするかって言っても 】
そこで『アンカー』同志で話し合いが始まり、
【 ミイト国はトーリ財閥っていうのが
あるんだろ? 】
【 そっちは大丈夫じゃないかなあ。
腕の立つ従者もいるんだし 】
【 でも人員がなあ。これまで通り、
ナヴィ&カガミでいいのか…… 】
行き先がグレイン国一国に絞られ、また出向く
メンバーにまで話が及び、
「わ、わかりました。
では行き先、そして行くメンバーですね?
『アンカー』は今のスレで……
700と750!
聞きたい事は―――
『・行く国。
・そしてそのメンバー』!
―――さあ、アタシを導き給え……!!」
>>700
【 グレイン国 】
>>750
【 フィオナとカガミ 】
その書き込みを見たフィオナは一瞬首を傾げ、
「アタシ自らですかあぁああっ!?」
と、現実には周囲に人がいるにも関わらず
絶叫し―――
それはメルリア本屋敷全体に響いた。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在7372名―――
( ・ω・)最後まで読んでくださり
ありがとうございます!
基本、土曜日の午前1時更新です。
休日のお供にどうぞ。
みなさまのブックマーク・評価・感想を
お待ちしております。
それが何よりのモチベーションアップとなります。
(;・∀・)カクヨムでも書いています。
こちらもよろしくお願いします。
【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】
https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894
【指】【完結】
https://kakuyomu.jp/works/16817330662111746914
【ロートルの妖怪同伴世渡り記】【毎日更新中!】
https://kakuyomu.jp/works/16817330666162544958





