13・ニーゲラレナーイ
( ・ω・)さて今回も無事、ネット小説大賞一次に
落ちたわけだが(残当)
日本・とある都心のマンションの一室―――
家主と思われる目付きの悪い少女と、同じ黒髪を
ポニーテールにした和服の同性が互いに向き合って
座る。
「悪霊ちゃん悪霊ちゃん」
「……?? 何ですかフィオナ様」
女神が目の前の人外に手招きするように話しかけ、
「この前、サキュバスちゃんや堕天使ちゃんに
ちょっと聞いたんですけどね?
好きな異性を落とした後……
どういうシチュやプレイを求めるのかなって」
「……あたくし自身はどちらかと言いますと、
相手を連れ去る、外界から遮断させる事で
みっしょんこんぷりーとですから……
……まあ、気に入った相手なら―――
閉じ込めて動けないようにしておくかと……」
ふむふむ、とフィオナは食い気味に頭を彼女に
近付け、
「そそ、それは―――
ナヴィにも同じ感情を?」
女神の問いに悪霊はふるふると首を左右に振り、
「……そもそも、あたくしごときでどうにかなる
お方ではありませんから……
むしろそこに惹かれたと言いますか……」
「ああ、なるほど。
悪霊ちゃん、難易度が上がるほど燃え上がる
タイプ?」
女神の言葉に、再び彼女は首を横に振る。
「……そうではなくて、その……
それまであたくし自身がしてきた事……
閉じ込めたり動けなくしたり……
そ、それを自身に向けられたら……
そしてその相手がナヴィ様だったら、と……」
「おおう、これは……♪
昔のエロいババアの言葉通り―――
『優秀なSは優秀なMでもある』……
というヤツですねっ!」
「……誰がそのような事を……」
「ママ」
その時に飲み物とお茶菓子を持ってきた
銀髪の美少年が入って来て、
「地震が起きるからそれ以上はいけないでしゅ。
しゃて、そろそろ本編スタートしましゅよ」
│ ■シフド国 職人ギルド街・印刷工房 │
「え、えっと、あの―――」
「どういう事でしょうか?」
女神・フィオナの活躍した土地を渡り歩き、
潜入調査していた限理神・マファーダの配下……
テクスとエクシルは困惑していた。
「ン? ああ、だからね」
「新進気鋭の新人がいるって聞いて―――
シフド国王女・スカーレッド様がぜひとも
会いたいって言っているのよ。
よっぽどあんたたちの描いた生スケッチが
気に入られたようだねぇ」
男装した、緑に近い茶色の短髪を持つ女性、
カーレイと……
赤い長髪を後頭部でハーフアップにまとめた
同性のメヒラが、二人揃って彼女たちに
語り掛ける。
何でも、モデルとなった女神の眷属たちが
グロッキーになった事が報告され、
その原因となった生スケッチも同時に
献上されたのだが、
それを見た王女が、これを描いた新人に一言
お褒めの言葉をかけたいと言って……
謁見の許可、そして王宮まで来るよう
お呼びがかかったのである。
「そ、それは身に余る光栄にござりますが」
「し、新人の我々がそんなところへ行っても
いいのでしょうか……」
潜入調査が任務の二人に取って、さすがに
その国の権力のトップ、お城まで行くのは
想定外であり、何とか逃げ道を探そうとするも、
「あー、テミスとエクリル。
緊張するのはわかるけどさぁ。
お城からのお呼びって、事実上の命令。
拒否権なんて無いから」
「「デスヨネー」」
カーレイの言葉に、テクスとエクシルは
諦めたように返す。
「し、しかし……
他の先輩の方々を差し置いて、まだ新人の
我々から王女様にお会いするというのは
どうも―――」
それでもテクスは何とか回避しようと努力を
続けるが、
「いやぁ、その後すぐにまたお手紙が
届いてねぇ。
『よく考えれば先に新人から会おうと
するのは順序として良くなかった。
なので一度全員で来るように』
って内容でした♪」
「「ニーゲラレナーイ」」
メヒラの追撃に、二人はまた達観したような
声を出す。
「まあそんな顔をするなよ。
何でも、モデルとなった女神の眷属の体力が
回復してから、という事らしい。
彼らも一堂に集め、そこでお褒めの言葉を
下されるのだろう」
「要するに関係者全員って事だから。
個人的に何か言われる事は多分無い……
無いと思う。無いんじゃないかな?
ま、ちょっと覚悟はしておけ♪」
そこで商業ギルドの女性職人二人と別れ、
テクスとエクシルは顔を見合わせた。
「どうします? エクシル」
「どうすると言われましても……
さすがに王宮まで潜入する事になるとは
思いもしませんでしたわよ?」
休憩時間、工房の外に出た彼女たちは、
今回の呼び出しについて話し合う。
「このまま消える、というのも手だけど」
「それをやったら―――
自ら正体をバラしているようなものですわ。
今後、各国の警戒も厳しくなるのが予想
されますわよ」
テクスとエクシルは眉間にシワを寄せ、
うう~んと一緒に悩むも答えは出ず……
「……まあ、行くだけ行ってみましょうか。
それに、モデルとなったナヴィやキーラ、
カガミには不審がられた様子は無かった
ですし―――
気付かれてもいないのに、身を隠すのは
悪手でしょう」
「そうですねぇ。
それにまたあのモデルさんと会える……
ではなく!
お城の中まで潜入出来るのは、逆に
チャンスといえます!」
こうして彼女たちは自分たちを何とか正当化
した後―――
王女様からの呼び出しに応じる事に決めた。
│ ■シフド国 メルリア本屋敷 │
「お城に?」
「ええ、何でも工房関係者全員が対象だそうよ。
あれで結構、各国の人脈作り(女性限定)に
役立っているという話もあるし。
そこで有難くもスカーレッド王女様から、
お褒めの言葉を頂けるらしいわ」
獣人族の少年が、屋敷の女主人と言葉を交わす。
「メルリアさん。
その関係者っていうのは『モデル』も
含まれるんでしゅか?」
ナヴィが彼女に問いただすと、
「ええ、もちろん。
キーラとカガミさんもね」
「えぇえ~……
カガミ、堅苦しいところ嫌なんだけどなー」
キーラの妹である赤茶のツインテールの少女が、
耳としっぽを垂れさせながら答える。
「まあそう言わないで……
それに、女神さまの眷属なんでしょう、
カガミちゃん。
ナヴィ様もいるし、あちらとしてもあまり
強硬な手段は取りたくないと思っている
でしょうから―――」
「確かにそうでしゅね。
しょれに、女神の一行とこの国との関係が
不仲だと勘繰られても、しょれはしょれで
面倒でしゅ。
限理神・マファーダの手先がすでに
シフド国内に入っていると見られる以上、
良好な関係だと印象付ける必要もある
でしゅよ」
メルリアの後にナヴィもサポートし、
ピンクのロングヘアーの女性は眼鏡に片手を
かけて、彼の擁護に頭を下げる。
「関係者全員って事は―――
あのジアっていう人も来るの?」
巻き毛の獣人族の少年がメルリアに問うと、
「う~ん……
さすがにそこまでは無いんじゃないかしら?
ジアは商業ギルド本部長だし、工房の支援には
関わってはいるけど、
それだとボウマン子爵様や、グローマー男爵様
まで呼び出しがあると思うわ。
あくまでも現場組限定だと思う」
「そういうメルリアはー?」
カガミからの質問に彼女はその大きな胸を張り、
「だってワタシはキーラの主人であり、
保護者だもの」
すると、ナヴィがふと天井を見上げ、
「……ん? フィオナ様?
どうしたんでしゅか?」
そこでフラールにいる女神から神託が繋がった。
│ ■フラール国・アルプの果樹園 │
「いやいやいやぁ~。
だってナヴィが出るんでしょ?
キーラの保護者としてメルリアさんが
出るのならぁ~、アタシだって出ても
いいんじゃないかしら?」
自分に割り当てられた個室で、ベッドに
腰掛けながら女神は話す。
『いやどういう風の吹き回しでしゅか。
ましゃかこの機会にかこつけて、
そのまま工房に入り浸ろうって魂胆じゃ
ないでしゅよね?』
「し、ししし視察してもいいでしょう!
あとこれは限理神・マファーダをけん制する
ためでもあって―――」
『まったくもう……
欲望のためならこうも言い訳が
ペラペラと』
しばらく女神と従僕のやり取りは続き、
結局彼女も一緒にお城に行く事に決まった。
カシャ☆
―――女神フィオナ信者数:現在7267名―――
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