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詩集 そんざい刺繍  作者: 三屋城 衣智子


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11/11

どれだけかえらなかったか

土の中

種が蒔かれる

たくさんの

たくさんの

小さきから大きくまで

数多 数多


それからどのくらいの

芽 芽 芽

芽は出たか


どれだけかえらなかったか


かえすべきではなかったか


それはやさしさ だっただろうか

それはひとりよがり だっただろうか


ひとひらのような 手の中から

こぼれおちる

広く撒かれる


ちいさくて

目に見えなくて

人知れなくて

そこはかとない


いいとも言えない

わるいとも言えない


誰も、それは知らない

誰も、それを言えない


全てはまだ土のなか

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