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異世界転生(運命から逸脱した者)  作者: わたあめ
~異世界転生編~
6/52

4話:主従契約とスライム

少しずつ展開を進めます。

そしてこの話しにはいくつかスキルがでてきますが作者のお気に入りの内の一つのスキルがでます。


さてそれはどんなスキルなのか!



異世界生活3日目、まだほんのりと外が暗い時間にリュートは目を覚ます。 ベッドから出たリュートは窓に近づき開く。

すると、ひんやりとした冷気が部屋に侵入しリュートの肌を粟立たせる。

リュートがこんな早く起きたのは理由がある。一人で強化魔法を練習するためだ。


幸いなことにここは、モンスターがはびこる森だ。ワルド達もリュートのような子供が一人で森を抜けられる訳がないと考えているので特に監視などはつけていない。そのため迂闊に外に出ることはしないが部屋でならいくらでも特訓可能だ。





「やはり冷えるな」

一時間ほど強化魔法を練習したリュートは、外の空気を吸おうと館をでる。

誰かにあっても怪しまれないように堂々と玄関からでたリュートがのんびりと歩いているとバルトが剣を持ち、歩いているところだった。


バルトもこちらに気づき話しかけてくる。


「ずいぶんと早いな、まだ5時だぞ」

「何だか目が覚めてしまって、バルトさんこそ何でこんな時間に?」


「俺は毎日この時間に起きて、裏庭で剣の鍛練をしてるんだ。お前は何を?」


「僕は、寝れそうにないんでぶらぶらと歩いてただけです」

「そうか、だが気をつけろ、柵があるからといってここがモンスターだらけの森という事実は変わらん。俺達が見てない時にモンスターが侵入してきたら大変だ」


「はい、その時はちゃんと全力で逃げます」

「ははっ、なら平気だな」


モンスターか、そろそろ実戦で訓練した方がいいのかも知れない。


唯一倒したゴブリンは森林の中では、最弱の部類にはいる。あの時よりも確実に強くなっているがリュートはそれがどのくらいかを測れないでいた。いくら、数値でわかるとはいえ、力量を測れるようになるための実戦経験がリュートは不足していた。


せめて今の自分がどのくらいの強さか、それくらいでもわかっていないと駄目だと考える。


「じゃあ僕は先に戻ります」


「おう、今日から館の手伝いを始めるんだろ?」

「はい、お世話になりっぱなしで心苦しいですから」


リュートはワルドが初めて会った時に言っていた手伝いを今日からやるようにと頼まれていた。



ワルドとしてはリュートが遠慮して館をでていかないようにとの方便だろうが、リュートにとってもこの館をうろついても不自然じゃない理由ができる事になり願ってもないチャンスだった。




バルトと別れたリュートはバルトが言っていた、柵をこえて侵入してくるモンスターを探していた。といっても今日は家事の手伝いが始まるまでの一時間ほどを軽く見て回り、本格的にモンスターを探すのは明日からだ。


「やっぱり、柵を越えないとそう簡単に見つからないか」

それから十分ほど、柵のなかの敷地内を探したが、結局モンスターは一匹も見つからなかった。

それも、当然ではある。そんな簡単にモンスターが入ってきたら柵をたてる意味がない。


「どうするかな、時間はまだあるしこのまま後ちょっとだけ探してみるか」

それでも諦めないと再度探し始めた時、前方百メートル程先に二匹のモンスターを発見する。


「なんだあれ?」

そこで、異様なものを見つけたとリュートは目を細める。

一匹のモンスターは赤毛のゴリラのようなモンスターだ。しかし、もう一匹の方がリュートは気になった。

そのモンスターは遠目からは輪郭が定まらず何のモンスターか見当がつかない。


そこでスキル『神眼』を発動させる。

神眼でステータスをみれば何のモンスターかを知ることができる。これは、最初に見た兎と狼のモンスターを見たときに知ったことだ。


ストロングコング

Lv:20 HP300/800 MP80

力250、耐久400、敏捷200、器用100

スキル:頑強、剛腕、雄叫び


どうやらストロングゴングというモンスターは力が強いのはもちろん、耐久とHPが高くて倒すのが厄介そうだ。


「うん?HPが減ってる?」

リュートはステータスの数値が変化していることに気づく。

よく見るとストロングコングには切り傷がいくつもついておりそこから大量の血液がでており痛々しい。また、体が赤く見えたのは流れ出た血のせいだったらしく、よく見ると白毛だという事がわかる。


恐らくもう一匹のモンスターと戦い、負った傷だろう。そのもう一匹のモンスターのステータスをリュートは見る。


スライム

Lv:15 HP50/200 MP3/250

力10、耐久30、敏捷200、器用200

スキル: 水魔法、圧縮、物理耐性


モンスターはリュートでも知っている王道のモンスタースライムであった。

輪郭がハッキリしなかったのはスライムが液状の塊で常に揺れているので判別できなかったようだ。


状況から推測するに、スライムが魔法を使って攻撃していたが、魔力切れで追い詰められたというところだろうか。


スライムの事については、雑談によってバルトから教えられていた。スライムは物理攻撃に強いが魔力の攻撃を使えば簡単に死ぬほどもろく、また物理耐性をもつからといっても完全に効かない訳でもなく、ちょっと鍛えている者でも倒せるらしい。


だがバルトはスライムが魔法を使えるなんて言っていなかった。


物理に強く、魔法を使えるモンスターにちょっと鍛えた位の者が勝てるとは思えない。あのスライムが特殊という事だ。


「う~ん、今物凄いチャンスだよな、俺の全力の攻撃の威力を測るのにちょうどいい」


リュートは魔力を放出させる。この時調整を上手くしないと魔力の無駄遣いになってしまう。放出した魔力を全身を覆うようにして、これで強化魔法の完成だ。


ストロングコングはリュートが見ている事に気づかずにスライムの方に意識を向けている。


そして、ストロングゴングはスライムに向かって攻撃を仕掛ける。


今だ!


全力で駆ける。


魔法で強化したリュートは、地球でなら世界一かもしれない速度で一気にモンスターとの距離を詰める。


近づいたリュートは強化魔法と気絶する寸前に得たスキル『剛腕』を使う。大振りに振られた拳は最後までこちらに気づかないストロングコングの背中に吸い込まれる。


拳は鈍い音と共に背中に数センチもめり込み、背骨が砕ける音が響く。背骨を砕かれたストロングコングは、口をあけ肺の空気を吐くのを最後に絶命した。


「スピードが遅く、大振りになってしまったけど、最初はこんなもんか」 その時、頭に響くスキルを発動したという声、またスキル『孤独』が使われたのだろう。


リュート

Lv:1 HP300 MP200/275

力100、耐久150、敏捷100、器用200 スキル:神眼、適応進化、学習、孤独、主従契約、頑強、剛腕

またも魔力は増えていない。スキルをオンオフできない今は強化魔法に使う魔力を増やせないのは痛い。

リュートの魔力はキースやワルドよりも多い。しかし、魔力コントロールが拙いリュートでは消費する魔力が10倍位違う。今のママじゃ数分強化魔法を使っただけでガス欠になってしまう。


「なんだ?」

リュートの足元に小さく不定形なスライムが寄ってくる。


「くっ、また油断してた。鈍っているな」


リュートはクラスメイトなどを恨んだりはしていなかった。しかし、無自覚の内にストレスは貯まっていたらしく、異世界に転生したことで張り詰めていた気が緩んでいた。


リュートは強化魔法を使い即座に離れるざスライムの様子が何だかおかしい。

リュートにはスライムに敵意がなく、むしろ、どことなく笑っているようにさえ感じていた。


リュートは自分でも何を考えているのかわからないが、本当に何となくそんな感じがしていた。


その時、頭に中性的な声が響く。

「スキル『主従契約』を発動しますか、使う事により成否に関わらずモンスター相手でも意志疎通が出来ます」

今回はスキルの説明まであった。


「なるほど」

確かに契約するのに意志疎通がとれないんじゃあ意味がない。この声は便利だ。神が面白くするためにやっていると思うと釈然としない気持ちになる。が、そんな事はどうでもいいことだ。

リュートはスキルを発動する。


プルプルとしかしていなかったスライムだがスキルを使用した瞬間、スキルの説明の時のように頭に直接声が響く。


(あの、助けていただきありがとうございます……なんて人間に話しかけても通じないよね。これ以上近づいたら殺されちゃうし帰らなきゃ、…あの本当にありがとうございました。そのっ、かっ……かっこよかったですよ)


思った以上にまともなスライムにお礼を言われてしまった。 声も真面目そうな女の声だしスライムにも性別なんてあるのか?


そんな事を考えていたリュートは、足下から離れ帰ろうとするスライムに声をかける事にした。


主従契約を試すのにこのスライムがちょうどいいと思ったからだ。

リュートは声を相手に直接送信するイメージで話す。


(あ、あーー、聞こえてるか? )

(えっ)

(だから聞こえるか?)


(アッ、アハハハ、私可笑しくなったのかな人間と話せてるように感じるよ)


(話してるからな)

(…………本当に?)


(あぁ)

(じゃあまさか、……さっきの聞いてた?)


(あぁ、俺を褒めてくれた時の? それなら聞こえてたよ)

(キッ――キャァァァーー)

スライムの叫びがリュートの頭にガンガン響く。

女なのか? リュートはスライムにも性別があるのかと頭を押さえながら思う。



(う~恥ずかしいよ~)


スライムは恥ずかしがっているが、パッと見ただくねくねしているようにしか見えない。


スライムは(コホンッ)としてから居住まいを正したのか体をピンッとさせる。


(では改めまして、この度は危ないところをお助けいただきありがとうございました)

ペコリとスライムは体を折り曲げる。


(いや、気にするなたまたまそうなっただけだ、正直お前が殺されたらあのモンスターの油断を誘えなかったからな)


(それでもお助けいただいたのは事実です、何かお礼を)


(まぁ別に気にするな)


(いえそういう訳には、……あのもしよろしければ私を連れてってくれませんか、何か貴方には惹かれる気がして)


先程中性的な声は成否があると言っていた。今回は向こうから言っているし間違いなく成功するだろうが、


(悪いなそれは断る)

リュートは躊躇いもなく断る。


(そうですよね、モンスターの私何か……)

スライムはシュンと落ち込んだ雰囲気を放つ。


(そういう訳じゃない。ただ俺はお前を信じられない。何故会ったばかりの俺と居たがる。惹かれるといっても人間の俺と)

このスライムはここまでの感じ、知能があるように感じる。

なら、初対面のリュートと居たがるのは不自然だ。


(……私は魔法を使えるスライムでほかの仲間においだされました。私はほかの個体よりも知能が高く、この世界は一人では生きていけないのが分かります、でもモンスターの私は違う種族のモンスターとは仲間になれません、あのストロングコング達にもお願いしたのですが攻撃され逃げようとしたしたが追い詰められてしまいました。そんな時にあなたが現れたモンスターの私を助けてくれて、普通に話しかけてくれるそんなあなたと私は一緒に居たいんです!!)


リュートが思った通りこのスライムには知能がある。

今言った事にも特におかしな所はないし本当だろう。


(悪いな。それでも俺はお前を信じられない)


(はい、私も急すぎました。だけどたまにでいいのでまたこうして話してくれませんか?)

(あぁ、たまにな)


恐らくもう会う事はないだろう。ワルド達を殺したらリュートはこの森を出るからだ。


(じゃあな)

(はい、お元気で)






スライムと別れたリュートは時間がないと館に戻る事にした。


あのスライムはリュート会えて本当に喜んでいた。しかし、今、本当に信頼できるか分からない不確定要素を抱える訳には行かない。


あの、スライムの事を考えていた時だった、

(にげてっ!)

頭にそのスライムの声が聞こえたのは。


声と同時に殺気を近くから感じるが、今度は油断していなかったリュートはそれには気づいていた。


「出て来いよ、居るのは分かっている」


木の上から落ちてくる影、それは先程のよりも一回りは大きいストロングコングだった。


「そういえば、スライムはあのストロングゴング『達』って言ってたな」


リュートはさっそく癖になりつつある『神眼』を使う。


ストロングコング

Lv:32 HP1020 MP300

力400、耐久600、敏捷300、 器用150

スキル:剛腕、雄叫び、強靭


そのステータスはリュートよりも格段に高かった。


ここは逃げるべきだ。リュートは地面を剛腕で殴り土煙を上げることで目隠しにする。

よし、このまま逃走する。リュートは地面を蹴ろうとする。

「ウォォォォォォ―――」


その時空気が震える。リュートの体は萎縮し足が止まる。


スキル雄叫びを使われたのだろう。空気を振るわせる事で相手の体を萎縮させて動きを止める。それが雄叫びの効果か。

『スキル【学習】が発動、スキル雄叫びを学んだ、スキル雄叫びの再現に成功、スキル雄叫びを取得しました』


どうやらスキルを手に入れたらしいが、それどころではない、動きを止めたリュートにストロングゴングが殴りかかってくる。


ヤバいっ!頑強!!


リュートはとっさにスキル頑強を発動させる。


殴られたリュートは勢いよくとび、地面を転がる。


(だっ、大丈夫ですか!)

倒れたリュートにスライムが心配そうに駆け寄ってくる。


(大丈夫だ、かなりの衝撃はあったが、スキルと自ら後ろに飛ぶ事でかなりダメージは軽減された)

(本当ですか!ならよかったです)


(それよりお前もう魔力ないだろ、逃げろよ)

(なっ、何故それを)


(……まぁ、それは気にすんなそれより早く)

スキル鑑定は珍しく、また、相手はモンスターだ。知らなくて当然だ。



(なにいってるんですか!あなたをおいて行ける訳がないでしょ、これは私のせいなんだから逃げるならあなたが)


スライムは少しも逃げる素振りを見せない。


(よしっ、わかった。ならあいつを倒そう)

このまま話していても殺されるだけだ。なら、二人で倒した方がいい。リュートは痛む体に力を入れて立つ。

(そんな事出来るんですか、さっきとは違い不意をつくことはできませんけど)


(そこは多分大丈夫だ)


リュートは息を吸い込み、先程覚えた雄叫びを使う。


「ウォォォォォォ―――」

まさか同じ技をやられるとは思っていなかったのか動きを止めるストロングコング。


リュートは隙だらけのモンスターにお返しとばかりに剛腕と強化魔法で威力を上げた拳で攻撃する。


「……っ!!」

だが、殴りかかったリュートの拳はモンスターの肉に食い込んだが相手に衝撃が伝わった手ごたいがない。


モンスターのスキル。強靭により完璧に衝撃を吸収されてしまった。ストロングゴングはニヤリと笑う。


不運な事に雄叫びの効果が切れたのか、ストロングゴングは拳を突き出した体勢のままのリュートを叩きつけようと、丸太のような腕を振り下ろす。それは無防備なリュートに吸い込まれていき――――


(危ない!)

眼前に腕が迫った瞬間、リュートを横から衝撃が襲う。

衝撃により、リュートの体は拳の射線上からはみ出し代わりに、リュートを突き飛ばしたスライムの体がはいる。


(なっ!)

(今度は私が助ける番です)


そのまま拳はスライムにあたり地面を何度も跳ねる。


(おいっ、大丈夫か)

リュートは慌ててスライムに近付く。


「っ! 神眼!」

スライムをスキルで見ていく。


スライムのHPは5/200と出ている。瀕死だがどうやらまだ無事なようだ。


(にげ、て……ください)

スライムは死ぬかもしれないという時までリュートの心配をする。


(何で。一歩間違えてたら死んでたぞなのに何で俺を助けたんだ)


リュートにはスライムがとった行動が理解できない。


(あなたは、私を助けてくれたから、それにあなたが死んだら話し相手がいなくなっちゃうから)

(それで自分が死んだら意味がないだろ)

(えへへ、そうだね。でもきっとこれでよかったんだよ。私はモンスター死んでもだれも悲しまないもの)

(良くない)

(えっ)

そう、いいはずがない。俺のせいで奪われるなんて、リュートは風前の灯のスライムをみて覚悟を決める。


(俺もわかった。今の俺じゃこの世界は1人じゃあ生きられない。だから1人者どうし、組んで見るのもいいかも知れない)

それは、スライムと一緒にいるという覚悟だ。

(本当に……ですか)

見た目からはわからないが、スライムは嬉しいのか声を震わせる。

(あぁ、だからあいつを倒すぞ)


(そんな事できるの)

(あと一発魔法撃てるか)

(えっ、うん何とか一発分くらいなら回復したよ)


(ならそれをあいつにぶつけろ俺も全ての力を一発に集中させる)


強化をするのは腕だけでいい。だから、その一転にのみ魔力を集める。リュートの雰囲気が変化したのに気づいたのか、勢いよく迫るストロングゴングが迫ってくる。


(今だ!)

リュートはスライムに合図をだす。


(はい!)

スライムは全力の水弾を放つ。


水弾に対して、迎え撃つモンスターははじこうと腕をふるう。

瞬間ストロングゴングの目の前で水弾は破裂する。


舞い散る水飛沫に気をとられてモンスターは視線をリュートから逸らす。その瞬間リュートは全魔力を腕に集めるのに成功した。


リュートはそれに剛腕を使いさらに威力を底上げした攻撃をストロングコングにぶつける。


「ウォォォォォォ」


激突!

「アガガっ」

強靭な体で必死に抵抗するストロングコング。このままでは倒しきれない。


「まだだ!」

リュートは拳をひねり勢いよく回転させる。


衝撃が吸収されるなら一点に力を集中させて貫くだけだ。リュートは異世界初日に見た一角兎のスキル一本突きを思い出す。


『スキル【学習】を発動、一本突きを取得しました』

声が頭に直接聞こえた瞬間、直ぐにスキル一本突きを発動させる。


「はぁぁぁ!」

「グゴァ!」

リュートの拳に心臓を貫かれたモンスターは呻き声をあげる。


モンスターは血を吹き流しながら倒れる。


「……かったのか」


(はい、そうですよ! 私達二人がかったんです!)

スライムが嬉しそうに駆けつける。


(動いて大丈夫なのか)


(はい、私は大丈夫ですこれもあなたのおかげです……それでその)


そわそわしながらスライムはいいよどむ。


リュートは少し可笑しくなり、安心させるように言う。

(リュート)

(えっ)


(俺の名前はリュートだ。これから一緒なんだ、いつまでも貴方は変だろ?)


スライムは嬉しそうして、

(はい、よろしくお願いします、リュートさん)

元気よくリュートの名前を呼ぶ。

表情はない。しかし、この時彼女が笑顔だとリュートは確信していた。


(じゃあ本当にいいんだな。俺もこのスキルを使うのは初めてなんだ)


(はい、私はリュートさんを主とします……それでお願いなんですけど)


(お願い?)

(はい、私の名前をつけてくれませんか)

(名前俺がか)

(はい! リュートさんにつけてほしいです)


(う~ん、単純だけどスライムだから、らいむ……とか?)


(ライムですか)

(やっぱ変か、ならちょっと待ってくれ今考える)


(いえ、ライム、ライムがいいです)


(まぁそれでいいなら俺は別にいいけど)


(ハイ、今日から私はライムです)


(……じゃあ、スキルを使うぞ)

(ハイ)


『スキル『主従契約』発動その効果で配下が成長する度にその主も成長する事ができるようになりました』


どうやらこのスキルも強力なようだ。これで、もしかしたら、魔力が増えないという問題が解決するかも知れない。


しかし、今は主として配下に言葉をかけるのが先だろう。


(これからよろしくなライム)

(こちらこそお願いします、リュートさん)


リュートはこの世界に来て、初めて嬉しそうに笑った。


この日リュートは配下と仲間を手に入れた。




ハイ、正解は主従契約でした。まぁタイトルにもなってますしね。あっ強靭もすきです言葉の響きも意味も、そしてそして

ついに使った主従契約う~ん惹かれるものがありますね。

あっライムの事書くの忘れてた、ヒロインです!

誤字脱字などの感想があったらどしどし送ってください!!!!

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