~第11幕~
零と九龍姉妹は戦況を様子みた。
煙が引いているが、ところどころ炎があがっている。
「これは退散した方が良くないか?」
「ねぇ? 零君は?」
「ん? ああ、本当だ。いないね?」
「ちょっと! どうしてくれるの! 今の爆破で死んだとしたら!」
「私が撃たなきゃ、私達が死んだの! それもこれもアンタがぼっとしていたからでしょうが!」
「私は零君が……」
「戦う気がないなら此処に来るな! 死ぬか生きるかでどっちとりたいの!?」
奈美が大声で怒鳴り散らしたその時、彼女の心像に手刀が突き刺さった。
「あ……がはっ……」
振り向くとそこには見覚えのある白髪の青年が立っていた。
「全くだ。死ぬか生きるかのこの状況下で、その警戒心のなさは命取りだったワケだな。俺の力の強盗、ここでケリはつけさせて貰う……!」
胸の痛みに耐えながらも、奈美は明神翔の右肩に手を乗せた。そして――
「ナァアアニイイィィイイィイイッ!?」
翔の右腕は奈美の光腕力によって削ぎ落された。彼はすぐに光を集め、その修復に努めたが激痛に喘ぎ、ままならない状態は変えられなかった。
わずかながら息を残した奈美はうつ伏せに横たわって意識を失いそうな美奈のもとへ這いずり寄った。今更敵を倒す目的もない。ただ色んな想いが彼女を駆り立てていた。
「ごめんね……美奈……痛いでしょう……ごめん……ごめん」
奈美は美奈に覆いかぶさり、そして光粒子を少しずつ放ちながら、消えた。
彼女から瞳から溢れていたのは自身の美奈に対する懺悔と涙だった――
( ノД`)追悼九龍姉妹、美奈ちゃんがハンコック化したばかりに命とりに……でもキッチリ翔の身体の3ぶんの1を削りとった奈美ちゃんは本当に強いコでした。実はこの姉妹色々テーマを持ってこの作品に登場させていたんですけど、思った以上に人気を持っちゃっていて。この展開を持ってくるか悩んでいたりはしました。が、これは当初通りの展開です。むしろ長引いたほうかと。この姉妹が零たちのラスボスになるのも面白かったかもしれませんが、まあ、美奈ちゃんが譲る展開にはなるでしょうね(笑)まだまだ物語は続きます。心してついてきてください。九龍姉妹に温かい声をかけてくださった皆様、本当にありがとうございました!!美奈ちゃんは最後の最後でまた登場しますよ!!お楽しみに!!




