〜第13幕~
死神・権藤山太郎は雇用主である孫と電話を終えて自身の能力の鋭気を養おうと、能力の源である根を集めたスペースに腰掛けた。その時だった――
「!?」
彼の首は一瞬にして斬り落とされた。
しかし彼の能力でこれは「死」を意味していなかった。
彼は斬られた首から新たな顔を生やした。同時にそのフォルムを完全なる木人間の仕様へと変身させた。
目前には黒崎零を護った女死神が黒い鎌を持って構えていた。
「タフナ爺サンダナ」
「小童の死神か。わざわざ儂に殺されに来ようとは滑稽! 滑稽! ぬはは!」
エレナはすぐに山太郎の片腕を斬り落とした。
しかし斬り落とした木片はみるみる巨大化し、もう一体の権藤山太郎を産みだした。二体の山太郎は片腕をすぐさま木剣にしてエレナを串刺しにしようとした。
しかし、かわされた。いや、消えたといったほうが正しいかった。
「この力、さては幻術か? ぐぬっ!?」
喋るほうの山太郎の両足が両断された。
すぐに喋らない山太郎が反撃をする。しかしその瞬間にエレナは反撃した山太郎の首を狩っていた。
(速い……いやはや速すぎる。しかしいくら攻撃しようと無駄なことがわかる筈だ。儂の弱点は儂にないのだからな)
山太郎は口に指を入れると口笛を鳴らした。
間もなく下水道のいたるところで地響きが鳴り、下水道内のいたる所が崩れ、脱出不可能な状況を作りだした。
「ナニッ!?」
驚くエレナ。そのエレナへ槍が飛んできた。間一髪で避けるが、その頬に切り傷を負うこととなった。
みると山太郎は3体になり、そのうちの1体は弓矢を構えていた。
「どんな幻術使いなのかわからんが、もはやこの地は儂の土俵。逃れはせんぞ。そして儂の能力はいかなる攻撃を受けても再生可能だ。根本をとらん限りは」
「ネモト?」
「ああ、もはや逃れられん貴様にこそ言うが、儂を絶命させるには雇用主たる者を殺すしか手はない。それを貴様の雇用主に貴様が伝えるしか方法がないぞ。それはいつになるのか? 答えは『ない』だ。お前が疲れ果ててだ、その正体を現わして儂に殺されるまで、この森から抜け出すことはできん! ぬはは!」
山太郎からの猛攻撃がはじまった。本当に終わりのない闘いだと言うのか? エレナは攻撃をかわしながらも、その突破口を見つけることに尽力した。
エレナの体力が尽きた時、それはエレナの敗北でありエレナと零の死を意味していた――
∀・)権藤山太郎v.s.エレナの巻でした!エレナに勝機はあるのか!?また来週!!




