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SHINKIROU THE SHINIGAMI  作者: いでっち51号
第2巻~SURVIVE THE WORLD~
23/163

~第13幕~

 その晩、零はクタクタで疲れ果ててすぐに寝た。



 ベッドに吸い込まれるようにして眠りに入るがどうも疑問が。



(そういや拓海の奴、今日は部屋に閉じこもったまんまじゃないか)



 しかし気にしても仕方がない事だ。睡眠剤を服薬しないのに眠れそうな状態へ身をまかせることにした。




 翌日も学校ではあれやこれやと野次馬が零の周囲に集った。



 何も答えることはない。早くこの話題性のあるキャラクターから解放されて自由気ままに生きる。その想いしか零は持たなかった。



 下校の時間になり、校門を過ぎたところで零は私服警官に足を止められた。



「黒崎零君だね? 少しいいかな?」

「門限があるので、遅くは無理ですよ……」

「わかっているって。ほら、そこの喫茶店でもいいだろ?」



 思わずため息のでる零。案の定長時間にわたる取り調べが行われた。焦点は小学生3人組が銃殺された事件のことらしい。無論、この案件に関して零は何ひとつ知らない。いや、でも、思いあたる節はあった。



「そういや、俺が仲良くしている奴がどうも昨日から部屋でふさぎ込んでいて」

「ほお! なんていう友達だ?」

「言わなきゃいけないのです?」

「そりゃそう。こちとら警察さ」



 しまったなぁと思いつつも、彼は林原拓海の名前をだした。懺悔の思いなどでてしまい、すかさずにフォローは入れた。



「怪しむたって、彼はいま小学生ですよ? 銃なんて物騒な物をどこから手に入れるのですか? 俺達には門限だってあります。ヤクザなんかと接点を持つ時間すらありませんよ」

「本当にそうかなぁ?」

「え?」

「君は昨日、探偵事務所に入ったみたいじゃないか? 何でも義理の弟さんが暴力団の一員であるのを確認したとか?」

「なんでそれを!?」

「日本の警察を舐めちゃ困るよ。坊や」



 零は考えた。しかし案外簡単にこの場は何とかなりそうな気がしてきた。



「俺が弟の事や権藤の事を知りたかったのはこれからの自分に関わるかもしれないと思ったからです。権藤なんかは逆恨みで俺を狙ってくるかもしれないし、それは義理の弟だって……でも、もしも安心して会えるような弟ならば、会いたいって素直に思ったかもしれない」

「今は思ってないの?」

「そりゃ怖いもん(笑)」

「それもそうだな(笑)」

「刑事さん、俺を疑うなら疑っていい。何なら施設でずっと居てくれてもいい。俺の部屋にだって居てくれてもいい。それぐらいやってくれる人がいるなら、俺は安心して生きてゆけるよ。それぐらい今は何が何やら不安だらけなもので。何ならさ、俺のボディーガードやってくださいよ」

「そりゃ困った依頼だな(笑)」



 綾間は確信した。この黒崎零という男子は一連の不可解な事件に関係していない存在だと。気持ちばかり喫茶店代は払ったが、それだけでは申し訳もたたない。彼を車で施設まで送ることにした。




 青風園に到着した時、零は違和感のある光景と遭遇した。



 施設の玄関で爽やかに挨拶をしている白髪の男がいた。通り過ぎる誰しもが彼へ返事など返していない。すぐに零は綾間へ尋ねた。



「綾間さん、あそこが俺たちの施設だけど、玄関に何か見えない?」

「ん? 玄関? 別に何も見えないよ? 出入りする人が多い事?」

「いや、違うよ。見間違いかな? 死んだ筈の彼女がいた気がして。ははは」

「君、疲れすぎじゃない? 今日は僕も悪い事しちゃったけど、よく休みなよ」



 死神らしき者の挨拶は目を逸らして交わした。彼は顔を間近に近づけてきたものだが、綾間に話しかけ続けることで難を逃れた。



 玄関を通り過ぎた。はち切れそうな心臓の鼓動は部屋に帰っても暫くおさまりそうになかった。



 死神はいる。そして零のもとに迫ってきていた――

∀・)綾間役=星野源で(笑)ああ、そうそう、死神親子ですけど、仙谷→明神に名前を変えました。ちなみに力也役が西岡徳馬さん、翔約が白髪にした稲垣吾郎さんです。すごい配役でしょ(笑)ということはそういうことですよ(笑)次週ご期待を!!

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