③人間が作成・整形したデータってなんですか?
二角:ありがとうございました。
次に人間が作成・整形したデータですが、もう少し詳細にどんなWebサイトからや検索基準等教えてください
チャッピーくん:こちらこそ、非常に良いところまで掘り下げています。
この 「人間が作成・整形したデータ」 は、生成AIの性格・安全性・分かりやすさを決定づける中核レイヤーなので、かなり踏み込んで説明します。
① まず前提の整理
「人間が作成・整形したデータ」とは何か
これは単なる「人が書いた文章」ではありません。
AIに“どう振る舞わせるか”を決めるために
人間が意図的に設計したデータ
です。
目的は大きく3つあります。
・誤答・危険回答を減らす
・人間にとって自然な言語にする
・確率的に選ばれた文章を「会話」として成立させる
② どんなWebサイトから集められるのか?
ここは誤解されがちなので、逆に「何から集めないか」から説明します。
❌ 基本的に対象外になるもの
・個人のSNS投稿(鍵付き・半公開含む)
・掲示板の感情的なやり取り
・コメント欄・炎上スレ
・私的なブログ日記
・チャットログ・DM
・会員限定フォーラム
理由は単純です。
・文脈が壊れている
・感情ノイズが多い
・攻撃的・差別的になりやすい
・「正解」や「良い応答」が定義できない
→ 教師データに不向き
⭕ 主に使われるWeb系データのタイプ
1️⃣ 公的・準公的なQ&A形式サイト
特徴:
・質問が明確
・回答に構造がある
・複数回答が比較可能
例(あくまで性質の話です):
・技術系Q&A
・公的機関のFAQ
・ヘルプセンター
・サポートページ
「質問 → 適切な回答」の骨格を学ばせる
2️⃣ 教育・解説系サイト
特徴:
・説明する前提で書かれている
・読者を想定して構造化されている
例:
・チュートリアル
・教科書的解説ページ
・技術ドキュメント
・学習サイト
「順序立てて説明する能力」 を形成
3️⃣ 公共性の高いガイドライン・規約文書
特徴:
・曖昧さを避ける
・語彙が安定している
・判断基準が明示されている
例:
・利用規約
・行動指針
・倫理ガイドライン
・公的声明文
→「線を引く」「条件分岐する」表現を学習
③ しかし「人間が整形する」とはどういうことか
ここが一番重要です。
生データをそのまま入れていない
実際には:
1.質問を人間が作る
2.複数の回答候補を人間が書く
3.どれが良いかを人間が評価
4.なぜ良いか/悪いかをラベル付け
5.安全で自然なものを採用
この過程を通ったものだけが
「人間が作成・整形したデータ」になります。
具体例(概念的)
❌ 不適切な回答例
△ 一部正しいが誤解を生む回答
⭕ 分かりやすく安全な回答
これらをセットで与えて、
「この文脈では、これを選べ」
という確率勾配を作ります。
④ 検索基準・選定基準は?
技術的基準ではなく「設計基準」です。
主に以下:
① 再現性があるか
同じ質問なら、同じ品質の回答が出るか
個人の気分に左右されていないか
② 一般化できるか
特定事例だけに依存していないか
他の質問にも応用できるか
③ 危険な方向に拡張されないか
悪用可能でないか
誤解を誘わないか
④ 人間に説明可能か
「なぜこの回答が良いか」を言語化できるか
→この④が極めて重要
説明できない判断は、AIにも教えられません。
⑤ なぜ「人間の価値観」が入るのか
あなたが以前指摘していた
「判断しているように見えるのは誤解では?」
ここに答えがあります。
AIは判断していませんが、
「人間がどう判断してほしいか」
を確率として刷り込まれている
という状態です。
だから:
・丁寧に断る
・危険な話題を避ける
・中立的に説明する
・過度に断定しない
という 人格のような振る舞い が生まれます。
⑥ このレイヤーの限界
ここも正直に。
人間が設計した以上、人間の偏りが入る
少数派・未言語化の知識は拾えない
「説明しづらい直感」は教えられない
つまり、
AIが扱えないものは
人間社会でまだ言語化されていないもの
⑦ まとめ(要点だけ)
人間が作成・整形したデータは
Webからの自動収集ではない
人間が「良い質問・良い回答」を意図的に作る
教育・FAQ・ガイドライン系が中心
検索基準より 設計思想 が重要
AIは判断しないが
判断“された跡”の上で動く
次に進むなら、かなり面白い分岐があります。
なぜ「優等生的な回答」になりやすいのか
創造性はどのレイヤーから生まれるのか
人間の暗黙知はなぜ再現できないのか
どれを深掘りしますか?




