表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心に白き胡蝶蘭を。  作者: しっちぃ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/43

ひとつの、ゆうき。

「……考えたことないのよね、恋なんて、私にはそんなに近くになかったもの」

「そうなんだ……」


 なんか、しょぼんとするっていうか、さみしいっていうか。こころも全然知らなかったけど、こころよりずっとオトナっぽいから、そういうのも全部知ってるのかと思ってた。顔も近いし、ひそひそ話だから、吐息がかかるような距離。自分から話をしだしたけど、それだけでゾクゾクしちゃうし、ドキドキ、もっと増えちゃうな。


「色事だって、周りにあったのは寂しさを埋めるためのものばかりだったの、……だから、分からないのよ、誰かを想うとか、想われるとかも」

「そっか、……じゃあ、蘭さんも、はじめてなんだね、……デートするの」

「そうね、今更かもだけど」


 慣れてないって聞いたけど、初めてなんて思わなくって。初めてなのに、なんか、普通にされてる感じ。オトナのよゆーってやつなのか、そんなにドキドキしてないからなのかわかんなくなる。知りたいな、もっと。

 

「なんか意外かも、そういうの、いっぱい知ってるのかと思ってたな」

「そうかもね、……びっくりしたかしら?」


 スクリーンの向こうでは、いちばん、ドキドキするとこ。お互いの気持ちを伝えあってて、観てるだけでほっぺが熱くなっちゃうくらい甘くて。……『すき』って言われたいし、ちゅーだってされたいし。おでことか、間接キスとかじゃなくて、くちびるとくちびるで。


「うん、……ねえ」

「何かしら?」


 ドキドキさせられてばっかりで、こういうの、全然言えてない。想像しただけで喉がカラカラになっちゃって、また飲み物に手をつける。こころのほうからも寄りかかって、顔、すぐ近く。光でぼんやりと照らされた顔、いつ見てもキレイ。たった三年しかちがわないはずなのに、ずっとオトナに見える。


「……蘭さん、……すき、だよ」

「……こころさん」


 引っかかってた言葉、ようやく出せた。もっと、近づいてもいいかな。……映画の一番いいとこ、見逃しちゃうな。……でも、今はそれよりも、もっと特別なことがしたい。

 顔を寄せて。それでも、離さないでいてくれる。そのまま、こっちのほう向いたまま。……いいよってこと、……だよね、きっと。蘭さんの体を抑えるように軽くぎゅってして、……もっと、もっと、まつ毛が触れ合って、止まれない。


「……っ、ぅ」


 ふにふにで、ぷるんってしてて、……あつい。あったかいとか感じれないくらい一瞬だったのに、体の中、全部熱くなっちゃう。

 ……目、ぼんやりと開ける。まだ、夢みたい。力が入らなくって、寄りかかっちゃう。しっとりした手つきで髪をなでてくるせいで、余計に溶けちゃいそう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ