表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は〈元〉小石でございます! 〜癒し系ゴーレムと魔物使い〜  作者: Ss侍


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

332/380

323話 魔物の記憶を辿るのでございます!

「さすがはジーゼフだよね!」

「恐れ入ります」



 会議の時間になったので主要メンバーがみんな一室に集まった。すでに魔王軍から送られてきた魔物がおじいさんの手によって早々に始末されたのは広めておいてある。そしてさっそく、おじいさんは王様に褒められたというわけ。



「……魔王軍はすでに城内の構造とかを把握してるから、これからもこういう魔物がちょくちょく侵入させてくると思う。みんな、疲れるだろうけど探知は切らないようにしてね」

「ガーベラの特訓場所も変えたほうが良いかもしれません。どこから魔王軍がこちらを観察しているか分かりませんからな」

「そだね。今後、ガーベラくんが特訓する場合は、この国で一番大きいギルドに厄介になったほうがいいかな? あそこなら設備が整ってるし、オーニキスも内部を詳しく把握してないだろうし」



 オーニキスさんの話が出てくるたびに、王様は酷く悲しそうな顔をする。王様のことを知れば知るほど、あの人のことは王様に心に大きな傷を負わせたんだとわかってしまう。



「うん、あのギルドなら他国の強い冒険者も呼びやすいよね。そうしよっか。ギルドの方には話をつけておくから、ガーベラくん、明日か明後日からはそっちで特訓するようにしてね」

「承知しました」

「それじゃあ本題に入ろっか。タペヤドンの記憶玉をどう使うかだけど……」

「タペペドンですぞ、王様」

「てへへ、改めてタペペドンの記憶玉を誰にどう使うか決めたいんだよね! なにか意見ある人てーあげて!」



 ここは私が行くべきでしょう。さっきそう思い立ったのだから、行動しなくちゃね。私は挙手をした。



「はい、アイリスちゃん」

「魔物が持っていた記憶玉、やはり魔物が使うべきでしょう。そこで私です。私、実は探索に向いた特技が結構あるのです。最前線で動いても大丈夫な実力も持ち合わせていると自負しております」

「ごめん、却下で」

「えぇ!?」



 王様から即座に否定されてしまった。わ、私ではお役に立てないのかしら? 王様は口を尖らせながら私の提案に対して、却下した理由を述べ始めた。



「魔物が使ったほうがいいっていう意見は、その通りだよ。相手も半魔半人化してるのばっかりとはいえ、魔物は魔物。魔物が使う予定だったものを人間に使うのは危なそうだからね。事実、記憶玉を使った記録によると、だいたい魔物から魔物か、人間から人間だったはず」

「そ、それではなぜ……」

「それはね、アイリスちゃんは元魔物……よりさらに前。元の元は人間だったわけでしょ? だから今回の記憶玉を使うのは厳しいと思うんだ。それに記憶玉を使ったら最前線にでて魔王探しをすることになる。アイリスちゃんは僕たちにとって最重要と言っても過言じゃない人物。しかも無茶をしやすい性格ときたら、任せるわけにはいかないよ、ごめんね?」

「そ、そうですね、その通りです……」



 まったくもって王様の言う通りだわ。必要に感じると、すぐ私は突っ走ってしまう。ロモンちゃんからもガーベラさんからも厳しく咎められたんだからそろそろ直さないといけないわね、本格的に。でも私以外となると一体誰が……。



【はーい! オイラしますだゾ!】

「ケルくんが立候補するの?」

【ゾ!】



 いつものようにロモンちゃんに抱っこされてて羨ましいケル君が片前脚を前に伸ばして手を上げている風にしている。

 あの子、最近あの一番幼い姿で城中を歩き回ってはメイドさん達に可愛がられてるのをよく見かけるのよね。それにしても、ケルくんならたしかに……。



【まず、オイラは純粋に魔物なんだゾ。半魔半人もしてないんだゾ。知っての通り実力もあるし最前線に出ても大丈夫なんだゾ。それに何より、オイラにはこの自慢の鼻があるんだゾ!!】

「たしかに、ケルくんの鼻の活躍はよーく聞いてるよ。なるほどね……」

【それにオイラ、蛇の魔王軍幹部以外全員と接触済みゾ。オーニキス含めて。臭いをきちんと覚えてるんだゾ】



 ケルくんの犬離れしてる、いや、人間より遥かに優れている知能なら半年以上前に嗅いだニオイをはっきりと覚えていても不思議ではない。サナトスファビドのニオイだって、あの魔物が持っていたナイフのアーティファクトは管理してあるわけだから嗅ぐことだってできるもの。記憶玉を使うべき候補として申し分ないわね。



「ケルくんの知能の高さ、嗅覚、ロモンちゃんと合わせた時の強さ、たしか探知系の特技も一通り揃ってたはず。うん、ケルくんが最適かもしれないね。こちらが念話を使わずに話が通じるというのも大きい。これほどの適任はなかなかいないよ」

【オイラ、頑張るんだゾ!】

「でも主人に意見聞かなくちゃね。ロモンちゃんはどうなの?」

「ケルがやりたいっていうなら、私はやらせますよ。この子ならきっとうまくやってくれるので!」

「じゃあ、そういうことで。みんないいかな?」



 王様がそう呼びかけると、みんな賛同の拍手をした。ケルくんは得意そうにふんふんと鼻を鳴らしている。



「よし、それじゃあ記憶玉を。ジーゼフ」

「はい」



 おじいさんはクロさんを呼び出し、持たせていたタペペドンの記憶玉を預かった。クロさんは出てくるなりすぐに自分に任せてくれたら良かったのに、と不満そうに言ったけど、ケルくんの鼻の良さの話を聞いたら納得してくれたみたい。 

 記憶玉は使用者の額に当てればその中の内容が移っていくらしい。おじいさんはロモンちゃんに抱かれた状態のケルくんの額に、その記憶玉を押し当てた。記憶玉は淡い赤色に光りだす。



【ゾ……ゾゾ……ゾ……!】

「ケル、大丈夫!?」

【お……他人の記憶が流れ込んでくるっていうのは……なかなか気持ちわるっ……ゾ。で、でもそれ以外は問題ないゾ】



 ケルくんはしばらくプルプルと震えていたけれど、その震えが止まるとロモンちゃんに自分を下ろすように言った。

 地面に降りたケルくんはロモンちゃんの足の周りをくるくると周りだし、その途中で止まって遠吠えを一回すると、お風呂から上がった後のように体を揺さぶった。



「え、な、なに!? 本当に大丈夫なのケル!?」

【んっんー……んー、よし、大丈夫だゾ。記憶はしっかりと受け取ったんだゾ! ちょっと吐き気がするけど回復魔法掛ければ多分治るんだゾ。アイリスよろしくゾ】

「は、はいっ」



 私はすぐにケルくんに回復魔法をかけた。本当に吐き気がなくなったようで、ふらふらとしていた足取りがしっかりとしたものになっている。



【さて、じゃあどっから話せばいいかゾ?】

「じゃあケルくん、さっそく魔王の居場所から喋っちゃってよ!」

【具体的な場所を言うのが難しいゾ……タペペドンは空を飛ぶからよく雲で視界が遮られたりして……。でもオイラなら逆算したりできると思うゾ。時間はかかりそうだけど、ちゃんと計算してみるんだゾ】

「お、おお……! 速度とか距離とかだよね、ケルくんわかるの? そーゆーのって科学者さんたちの領域でしょ?」



 そういえばこの世界って基本的な計算以外は科学者の領域だとされていたわね。すっかり忘れていたけど。でもケルくんなら大丈夫。私達と一緒に勉強してるし、なにより、自分でも進んでそう言う本を読んでいる。



【わかるゾ! 今すぐに分からなくてごめんなさいゾ、でも絶対判明させられるゾ!】

「心強いなぁ……」

【あと、アイリス達が一丸となって倒した魔王軍幹部はどうやら全員復活してるみたいなんだゾ。そいつら以外にもあと二人、オイラが全く知らない魔王軍幹部が居るみたい。それとそれと、配下の魔物はかなり数が多いって覚悟しておいたほうがいいゾ。ついでに、魔王はドラゴンだったゾ。もうこれで前の世代のと同個体で確定なんだゾ】

「す、すごい、情報がわんさか出てくるね……」

【まさかタペペドンが見つかって倒されるなんて魔王たちも思ってなかったみたいなんだゾ。そこはガーベラがナイスだったんだゾ!】



 しかしこれで、魔王軍討伐までは大きく前進したわね。なんなら魔王が本格的に動く前に叩くこともできてしまいそう。ガーベラさんにケルくん。男性陣活躍がすごいわね。









#####


次の投稿は2/3の節分の日です!


先週宣伝した私の新作、『題名のない魔王』はもう見ていただけましたでしょうか? まだ見てないという方はよろしければご覧ください! 今日の分も既に投稿してありますので!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「それじゃあ本題に入ろっか。タペヤドンの記憶玉をどつ使うかだけど……」 ↓誤字 「それじゃあ本題に入ろっか。タペヤドンの記憶玉をどう使うかだけど……」
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ