表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/30

第19話「帝都決戦」

──帝都グランゼル、夜明け。




反乱軍の旗が翻り、帝都の外縁に集結した兵士たちの間に緊張が走る。


レオンとセレナは先頭に立ち、王宮の尖塔を見上げていた。




「……ここが、終わらせる場所だ」




レオンの声は静かだったが、確かな決意が込められていた。


セレナは彼の隣で、氷の魔力を纏いながら頷いた。




「私たちの物語は、ここで決着をつける。帝国の未来を、私たちの手で選ぶ」




---




突入開始。




反乱軍は《ノイズ・ブレイカー》を前線に展開し、魔核兵器の干渉領域を突破。


魔力の逆位相が空間を揺らし、クロードの兵器が次々と機能を停止していく。




「聖魔法、展開! 氷魔法、補助陣へ!」




レオンとセレナは術式を連携させ、前線を押し上げていく。


氷の槍が空を裂き、聖なる光が敵陣を貫く。




だが、王宮前広場にて、クロードが姿を現した。




「よくここまで来たな。だが、君たちの“理想”はここで終わる」




彼の背後には、魔核融合型兵器ヴァルゼン・コアが展開されていた。


それは、魔物の残滓と人間の魔力を強制融合させた、禁忌の兵器。




「この兵器は、感情そのものを喰らう。君たちの絆など、最も美味な餌だ」




---




レオンは聖魔法を展開し、セレナは氷魔法で空間を固定。


だが、《ヴァルゼン・コア》は二人の魔力を吸収し、暴走を始める。




「……このままじゃ、押し切られる!」




セレナの魔力が乱れ、氷が砕け始める。


レオンは彼女を抱き寄せ、静かに言った。




「君の魔力は、恐れじゃなく、愛から生まれた。なら、俺たちの“心”でぶつけるしかない」




二人は手を重ね、融合魔法の最終術式を展開する。




「——共鳴術式フロスト・ルミナス・ゼロ!」




氷と光が混ざり合い、空間が震える。


《ヴァルゼン・コア》の核に、二人の感情が直接ぶつけられる。




──爆発。


──沈黙。


──そして、光。




魔核兵器は崩壊し、クロードは膝をついた。




「……なぜだ……感情は、弱さのはずだ……」




レオンは静かに答えた。




「弱さじゃない。それは、誰かを守る力だ」




セレナはクロードに背を向け、王宮の扉を開いた。




「帝国は、もうあなたのものじゃない。これからは、私たちが選ぶ」




---




戦いは終わった。


だが、帝国の再建はこれから始まる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ