第18話「最終決戦の前夜」
──帝国南部、反乱軍拠点。
魔核兵器に対抗する《ノイズ・ブレイカー》の量産が完了し、帝都奪還作戦の準備が整った。
反乱軍の士気は高く、各地から集まった魔導士や技術者たちが、最後の調整に追われていた。
「明日、帝都に向けて進軍する。目標は王宮の奪還と、魔核兵器の無力化」
レオンは作戦会議の中心で、冷静に指示を出していた。
その背中には、かつての“転生者”としての迷いはなかった。
「俺たちは、ただ戦うんじゃない。帝国の“未来”を取り戻すために動く」
セレナはその言葉に静かに頷いた。
「私も、皇女としてではなく、セレナとして戦う。あなたと並んで」
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夜。
作戦前の静かな時間。
レオンとセレナは、拠点の丘に並んで座っていた。
「……明日が終わったら、どうなるんだろうね」
セレナの声は、少しだけ震えていた。
レオンは彼女の手を握り、空を見上げた。
「勝てば、帝国は変わる。負ければ、すべてが終わる。でも……俺たちが選んだ道に、後悔はない」
「私も。あなたと出会って、感情を知って、愛を知った。だから、もう怖くない」
レオンは微笑み、彼女の額にそっと口づけた。
「君が隣にいる限り、俺は何度でも立ち上がれる」
セレナは目を閉じ、静かに言った。
「なら、明日も一緒に立とう。帝国の未来を、私たちの手で選び取るために」
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その頃、帝都ではクロードが王宮の玉座に座っていた。
「反乱軍が動いたか。ならば、迎え撃つまで」
彼の周囲には、魔核兵器を搭載した部隊が待機していた。
その瞳には、かつての理想も、情も、何も残っていなかった。




