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第17話「魔法と科学の融合兵器」

──帝国南部、反乱軍拠点・地下工房。




レオンは、魔核兵器の構造図を前に黙り込んでいた。


魔物の残滓を核にした兵器は、通常の魔法では破壊できない。


しかも、魔力を吸収・反射する性質を持ち、接近戦も不可能。




「……これは、魔法だけじゃ突破できない。構造そのものを“無効化”する必要がある」




彼は、前世で学んだ“電磁波干渉理論”と“魔力振動制御”を組み合わせ、ある仮説を立てた。




「魔核の振動周波数を逆位相でぶつければ、内部崩壊を起こせる。つまり、“魔力のノイズ”をぶつける兵器が必要だ」




反乱軍の技術者たちは目を見開いた。




「それって……魔法を“乱す”兵器ってことか?」




「そう。魔法を破壊するんじゃない。魔法の“前提”を壊す」




---




セレナは、レオンの理論に自らの魔力を重ねた。




「私の氷魔法は、魔力の流れを“固定”する性質がある。あなたの聖魔法が“共鳴”を起こすなら、私の魔力で“安定化”できるかも」




二人は術式を融合させ、試作兵器ノイズ・ブレイカーの設計を始めた。


それは、魔力を逆位相で放出し、魔核の振動を崩す“干渉兵器”。




「これが完成すれば、クロードの兵器は無力化できる」




---




数日後、試作機が完成した。




反乱軍の前で、レオンとセレナは実験を行った。


魔核の模擬体に向けて、融合魔法を放つ。




「——干渉術式フロスト・ノイズ!」




氷の魔力が空間を固定し、聖魔法が逆位相をぶつける。


魔核が震え、構造が崩壊。模擬体が粉砕された。




「成功だ……!」




技術者たちが歓声を上げる中、レオンは静かに言った。




「でも、これは“武器”じゃない。これは、帝国を守るための“盾”だ」




セレナは頷き、彼の手を握った。




「あなたがそう言うなら、私はこの魔法で、誰かを守る」




---




その頃、帝都ではクロードが兵器部隊を編成していた。




「反乱軍が動いたか。ならば、迎え撃つまで」




彼の手には、魔核兵器の量産型。


その瞳には、かつての理性はもうなかった。




「レオン。セレナ。君たちの“絆”が、どれほど脆いか証明してやる」

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