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第13話「帝国の崩壊計画」

──帝国北部、廃都ヴァルゼン。




かつて魔物の襲撃で放棄されたこの地に、今再び人の気配が戻っていた。


その中心に立つのは、クロード・ヴァレンティア。


帝都から姿を消した彼は、保守派の貴族と軍部の一部を引き連れ、密かに“帝国再編”を掲げていた。




「帝国は、感情に流された皇女と、異世界の異物に乗っ取られた。ならば、我々が“本来の秩序”を取り戻す」




彼の言葉に、集まった者たちは静かに頷いた。


その手には、魔物の残滓から抽出された“魔核”が握られていた。




「この力を使えば、帝都を制圧できる。聖魔法も、氷魔法も、無力化できる」




クロードの瞳は、かつての冷静さを失い、狂気の色を帯びていた。




---




その頃、帝都ではレオンとセレナが王宮の再建と民衆の保護に尽力していた。




「魔物の被害は広範囲に及んでる。復興には、帝国全体の協力が必要だ」




「でも、保守派の貴族たちは沈黙を続けている。彼らは、まだクロードの影に縛られてる」




セレナは王族としての責務を果たそうとする一方で、レオンは民衆の声に耳を傾けていた。




「人々は、君の魔法に希望を見てる。君が変わったことで、帝国も変われると信じてる」




「……でも、私はまだ怖い。父のように、誰かを支配する存在になってしまうんじゃないかって」




レオンは彼女の手を握り、静かに言った。




「君は、誰かを支配するために魔法を使ってない。君は、誰かを守るために魔法を使ってる。それだけで、十分だよ」




---




その夜、帝都の空に異変が起きた。




北の空が赤く染まり、魔力の波が王宮に届いた。




「これは……魔核の波動。誰かが、魔物の力を再利用してる」




レオンはすぐに魔力を展開し、セレナと共に防御陣を張った。




「クロード……彼が動き出した」




セレナの瞳が鋭く光る。




「なら、私たちも動く。これは、私たちの帝国。誰にも壊させない」




レオンは頷き、聖魔法を強化する術式を描き始めた。




「次は、戦争じゃない。これは、“価値観”の衝突だ。俺たちが守るのは、未来そのものだ」




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