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草夾竹桃:花魁花は花嫁の香り
もう花魁草って呼んじゃダメって
花冠が大きく華やかな姿が
名前に合ってると思ってたのにな
白花はあまりにピュアで
白粉の香りがほんのりして
秋の佳き日の花嫁さんだね
その純白の姿は
何故か君を思い出させる
あの時
僕の手を取らずに
涙ながらにあいつの許に
嫁いで行った君……
想いの深さだけでは勝てない
優しさだけでは勝ち取れない
何かに僕は負けたのだろうか
あの秋の佳き日に嫁いだ君は
皮肉にも今までで一番美しくて
そして、儚かった
僕は秋が近づくときまって君を思い浮かべる
花魁草の白粉の香りを漂わせながら
嫁いでいった君を……




