表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/156

第151話 正面突破

 バルバラの小屋に急いで戻り、今度は完全武装してからシャーウッドにとんぼ返りした。そして、同じく武装した面々と共に、ご神木の神殿へと殺到した。神殿を守る兵士達はこちらを追い払おうとしているが、全くもって効果がなかった。


 ツバキはもう内部に潜入している頃だろう。あとはこちらがどうやって、正面の守りを突破するかだ。正門前の押し問答を見ながら、オレは腕を組んで頭を悩ませた。すると、少し離れた場所から爆発音が響いてきた。


 何事かと誰もが神殿の上空を見上げると、ちょうど正門と奥の間の中間地点から、もうもうと白い煙が上がっていた。さらに、正門が乱暴に開かれたかと思うと、中から一人のドワーフの男が飛び出した。


 一瞬、奇妙な間を置き、次の瞬間には兵士達もドワーフの男も押し倒して、怒れる村民達は正門を突破してしまった。本来は先導すべき『暁の至宝』は、むしろ危うく置いてけぼりにされそうだった。


 神殿の内部はというと、中庭は荒れ放題、正面玄関は開けっ放し、窓ガラスも何枚か割れている。あまりの惨状に一同が立ち尽くした。黄金の森で一番重要な施設が、どうしてこのありさまなのか。兵士達に、ドワーフの男に、そう問い詰めた。


 すると、『星の円卓』が神殿に来てすぐに、神殿の管理よりも自分達の研究への協力を優先しろと、武力をちらつかせて強要してきたのだと返した。具体的にどう協力したのかも聞いてみたが、そこで口をつぐんでしまった。


「もう中にお邪魔しちゃいましょ。今頃、ツバキちゃんが怪しい部屋を押さえてくれているでしょうから」


 キャロラインが正面玄関へと向かっていく。それを見て他の面々に、危険だからここで待つように言い聞かせて、オレ達『暁の至宝』の者だけが、キャロラインを追って正面玄関から奥へと進んでいく。


 通路を進んでいると時々、『星の円卓』の下っ端と思われる連中が、武器を手に襲いかかってきた。だが、ここまで数多の戦いを経験してきたオレ達を、その程度で止められるはずがなかった。


 先頭を走るオレは、敵が二人同時に攻撃してこようが、いとも容易く撃退していった。マキナの斧には歯が立たず、ジャックの奇襲には反応すら出来ず、魔法や矢は全て被弾した。


 そして、扉に『魔法研究室』と書かれたプレートが張り付けられた、一際大きい部屋の前に辿り着いた。扉は鍵もかけられずに開け放たれている。罠がないか確かめながら、オレ達は慎重に『魔法研究室』へと足を踏み入れた。


 踏み入れた瞬間、水と肉が腐ったような臭いがした。嫌な想像が脳裏をよぎる。先客のツバキが暗く固い表情で、口を閉ざしたまま床を見つめている。彼女の視線を辿り、想像が的中していたことを知った。


 冷たい床の上に、二人のエルフの子供らしきものが倒れていた。何故、らしきものと表現したのかというと――あまりにもおぞましい姿だからだ。


 皮膚は半透明の青色に変色していて、その中、あるいは内側を流れる血液が、赤い葉脈となって全身を覆っている。そして、胸元にはブルースライム特有の、あの青色の核が埋め込まれていた。


次回は1月11日に公開予定です。

ツイッターもよろしくお願いします!

https://twitter.com/nakamurayuta26


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ