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みんなの居た過去、私の歩む未来

作者: 時世

久しぶりの投票です。


最近忙しくて(?)小説を書く暇がありませんでした。

なので、この話はリハビリも兼ねています。


ちゃんと書けているか不安ですが(たぶん書けてないです)よかったら読んでみて下さい。

「知らない天上だ」


私は、有名な『あの』セリフをいいます。

なぜなら、私が目を覚ますと、見たことのない部屋にいたからです。

部屋に中は、ほぼ白で統一されており、清潔な感じがします。

・・・・・病院?



とりあえず、現状を把握しましょう。




今日はたしか・・・・・・普通に過ごしましたね。

朝起きて、ご飯食べて、学校行って友達と雑談して、部活はサボって、そのまま帰宅・・・・・帰宅?あれ?私、家に帰りましたっけ?


・・・・・そういえば、家に帰る途中で車に轢かれたような気が?


腕、異常なし。

足、ちゃんと二つあります。

顔、ペタペタ触ってみましたが、おかしい所はありません。

お腹、寝巻きです。

痛い所、なし。




ふむ、一通り確認してみましたが、おかしい所はありません。

むしろ、体調がいい気がします。

たいした事故ではなかったんでしょうか?




「おはようございます、夕維さま。お加減いかがですか?」



私が身体の確認をし終わると、すぐ横から声がしました。

声の方を見ると、ナース服を着た、美人さんが立っていました。


何時の間に!?・・・・・って、最初から居たんでしょうけどね



「あ、大丈夫です・・・・・えっと、ここは?病院?」

「はい、ここは国立病院11583棟です」



(えっと・・・国立病院?名前は?それに11583棟って、なんですか、その数字?)



「とりあえず、現状を説明しますね。色々疑問に思うこともあると思いますが、とりあえず最後まで聞いてください。

まず、貴方は交通事故に遭い意識不明の重態になりました。それから5年、貴方は目を覚ますことはありませんでした。

いわゆる、植物状態というものです。

臓器提供者になるという話も出たそうですが、貴方のご両親はこれを拒否しました。

次に、その当時、国が『コールドスリープ』の実験を行っており、これに貴方を使わせてもらえないか、と言う話が来ました。

もちろん、貴方のご両親はこれも拒否しました。

しかしながら、一般家庭である貴方のご両親では、貴方を入院させ続けるにはかなりの負担があったようです。

ある時、貴方の母親が、疲労のため倒れました。

そこで、貴方の父親は、貴方を『コールドスリープ』にすることを決断しました。

それにより、貴方は『コールドスリープ』をしました。

詳しいことについては、貴方の両親が書いた日記がありますので、後でお渡しします。

それから、貴方はずっと眠り続けたのですが、最近になって、脳死の状態から覚醒させる治療法が確立したため、今日めでたく貴方は目を覚ますことになりました。


ちなみに、今は、西暦2183年で、私は貴方の専属サポート型アンドロイド『美夕』

です。

よろしくお願いします」




・・・・・・・・・

・・・・・

・・・



はい!?

なんですかそれ!?

意味わかんないんですけど。

『コールドスリープ』とか、思いっきりSFじゃないですか!!

それに2183年?

なにそれ、つまり、私の知り合いは誰も居ないってこと?

冗談じゃないです。



「・・・・・・冗談・・・ですよね?」

「いえ、残念ながら事実です」



思わず私の口から漏れた言葉に美人さん(美夕さん?)が答えます。



「な、なら・・・証拠・・・納得できる証拠を見せてよ!!」

「分かりました。では、こちらに来てください」



思わず、私が叫ぶと、美人さん・・・もう、美夕さんで言いや・・・美夕さんに連れられて、私は部屋(病室?)を出ました。



そういえば、ずっと寝たきりだったはずなのに普通に動けるんですけど・・・やっぱりさっきのって冗談?それともこれぞ超科学(笑)の力?










私は、美夕さんに連れられて、大きな卵型の物がたくさん、ふよふよと風船みたいに浮いている変な部屋に案内されました。

変な卵(巨大)が浮いてるとか・・・かなり奇妙な光景なんですけど・・・・・


「これは、天使の卵、通称『エッグ』と呼ばれているもので、現代では、『車』兼『家』として、復旧しています」


「・・・・・ちょっと待って、家?これが!?」


思わずそう叫んでしまいました。

なぜなら、この卵、確かに巨大ですが、卵は卵、縦横2メートル、高さ3メートルくらいしかありません。



「そうです。そして、こちらが夕維さまのこれからの家となる『エッグ』です」



そう言って恵さんは、一つの卵の前で立ち止まります。


(肯定された!!しかもこれが私の家って・・・こんなに小さくちゃ寝れないじゃん!!)



「ちょ、ちょ、待って、待って、これが私の家!?いくらなんでも小さすぎるでしょ!!」

「問題ありません」



私が慌てて言うと、恵さんは平然とした顔で答えました。



(え~~~~~~問題ないって・・・・・なにこれ?いじめ?)



私がこの世の理不尽(大げさ)に嘆いていると、恵さんが、コンコンと卵を叩きました。

すると、恵さんが叩いた部分が、ちょうど人が一人入れるだけ消えました。

ええ、文字どおり消えました。

扉みたいに開くとか、横にスライドするとかではなく、消えたんです。



「では、こちらへどうぞ」


私が驚いていると、恵さんが中へ入るよう、薦めてくれました。



・・・・・・・・!?



そこで、私はまたも驚きました。

卵の中は広く、見た所8畳くらいあります。

そこには、机、ベッド、箪笥があり、全体的にピンク色をしていました。


(ピンクて・・・・・私はそこまで乙女じゃないです・・・・・じゃなくて!!なにこの広さ!?ここって卵(?)の中ですよね?質量保存の法則はどこいった!!)



「えっと・・・これって・・・?」

「はい、この卵には『亜空間技術』が使われておりまして、お金さえ出せば、広さは自由に決められます。それと、ピンクなのは私の趣味です」


(趣味って・・・美夕さんってアンドロイドじゃなかったのですか?・・・・・じゃなくて、亜空間?なにそれ?いつから世界はファンタジーが存在できるようになったのですか?)


「亜空間?」

「そうです。技術的なことは『発見者』しか分からないとされていますの不明です。『そういうもの』と納得しておいて下さい」


(そうですか、公開されてないのなら仕方ないですね、ここは納得しておきま・・・って納得できるか!!)



「ところで、ここが西暦2183年だと納得していただけたでしょうか?」



そういえば、そうでしたね。

混乱してすっかり忘れていましたが、ここの連れられて来たのは、私が『証拠を見せろ』と言ったからでした。



「一応・・・納得した・・・納得できないけど・・・納得したことにする」



未だに混乱していたので、微妙な答えになってしまいました。


「では、これから夕維さまの生活必需品を揃えたいと思います」

「うん・・・あ、ちょっと待って、その夕維さまっていうのはなに?」

「はい、一応私は夕維さま専用のアンドロイドなので『さま』をつけて呼んでいたのですが、やめた方がいいですか?私としてはめんどくさいのでやめたいんですが・・・?」


(めんどくさいって・・・)


「あ・・・うん、とりあえず『さま』は付けなくていいから・・・てか、本当にアンドロイド?」

「わかりました。それと、私のことは美夕と呼び捨てでいいですよ。アンドロイドなのも間違いありません。何かおかしいでしょうか?」

「いや・・・すごく人臭い(?)かなぁ・・・って?」

「・・・・・?人とアンドロイドにそれほど違いはありませんよ?機械で出来ているか有機体で出来ているかの違いだけです・・・・・そういえば、昔はアンドロイドといえば、命令に従う順従な人形だと信じられていたのでしたか?残念(?)ながら、アンドロイドはそのように出来ていませんよ、感情もあれば、怒ったり泣いたり笑ったり・・・時には失敗もしますよ。もちろん人権もあります」



どうやら、私が考えているアンドロイドとはかなり違うようです。

見た目も人とまったく変わりません。



「では、そろそろ買い物に行きましょう」



美夕はそういうと、いきなり服を脱ぎ始め、箪笥からメイド服を出して着ました。


(いきなり脱ぐとか・・・・・いや、それよりもここって私の部屋ですよね?なんで箪笥の中に美夕さんの服・・・それもメイド服が入ってるんでしょう?)



「あの・・・ここって私の部屋(家?)なんですよね?なんで美夕の服があるんですか?」

「あれ?言ってませんでしたか?私は夕維の『専属』です。ここにも一緒に住むんですよ。ちゃんとベッドも『ダブルベッド』でしょう?」


・・・・・・・・・・


(百歩譲って一緒に住むのはいいとしましょう。でも、『ダブルベッド』ってなんですか?

もしかして一緒に寝ろってことでしょうか?いえ、別に嫌と言うわけではないのですが・・・美夕も優しそう(?)ですしね。それでも、いきなり一緒に寝ろっていうのはどうかと思います)



「美夕と一緒に住むのは分かりました。だけど、なぜダブルベットなんですか?」

「それは・・・・・夜に夕維が不安になったとき、私がすぐそばに居るためです」



(なるほど、確かにそれはあるかもしれないです。今は出来るだけ考えないようにしていますが、ここにはもう私の知り合いは一人もいないのです。夜になったら、私はきっと泣いてしまうでしょう。これは素直に感謝ですかね?途中で恵さんが言いよどんだのが気になりますけど、まぁいいです)



「それじゃぁ、あんな・・・・・出口どこ?」



話しているうちに、美夕が着替え終わったので、外に出ようと思いましたが、入るときにあった出入り口が消えていました。



「出口なら、何処でもいいので壁を2回叩けば開きますよ。ちなみに、物があるところも開きますが、『人』以外は基本的に『エッグ』から出ることはありません。なので、物を外に落としてしまうことはないです。もちろん、物が置いてある所からは出られないですけどね」



(どうやらこの部屋(家?)は私が思っているより安全(?)高性能(?)なようです)



「それと、買い物は基本的に窓からしますので、外に出る必要はありませんよ」

「窓?」

「そうです。現代の買い物は基本的に『エッグ』の中からします」



(どういうことでしょうか?通販のようなもの?)



「そうですね、一度実際にやってみましょう」

「移動、ファンシーリリー」



美夕が窓に向かってそういうと、外の景色が変わってやたらとフリフリが付いた服が沢山ある場所になりました。



「・・・すごい」



思わず、そんな言葉が出ました。



「っとまぁ、こんな感じです。さぁ、まずは服を探しましょう。移動の仕方は窓の所に浮いてる球体を回すことで出来ます」



美夕がそう言って窓の前を私に譲りました。











それからしばらく、私は窓のそばにある球体をころころ回してよさそうな服を探しました。


(この球体はつるつるしていて、すごくさわり心地がいいです。それにしても、どの服もなぜかフリフリが沢山付いています。こんな服しかないのでしょうか?)


「美夕、何かフリフリの付いた服しかないんですけど・・・もっと普通の服はないんですか?」

「普通・・・ですか?基本的に現代ではここにある服が一般的なのですが・・・」



美夕は少し困った顔でそういいました。



(う・・・・・もしかして、私のファッションセンスってすでに古いものなんでしょうか?)


「あの美夕、今のファッションって私には良くわからないので、美夕が私の服選んでくれませんか?」

「わかりました。私の任せてください」



私がお願いすると、美夕はききっとして、服を物色し始めました。

そして、美夕はよさそうな服をいくつか見繕うと、窓を開けて服を部屋の中に入れました。


(ってちょっとまって、支払いは?)



「美夕、美夕、そのまま持って来ちゃってるけど、支払いはしなくていいの?」

「・・・・・そうでした。昔は買い物をするとき、いちいちお金を払って買うという行為が必要でしたっけ?」



(・・・・・?物を買うのにお金を払うのは当たり前のことでは?)



「現代の買い物の仕方は、お店に行って、そのまま商品を『エッグ』の中に入れれば自動的にお金が支払われる仕組みになっています」

「なるほど・・・便利になったものですね」



私が納得したのを見て、美夕はまた服を物色し始めました。






それから1時間ほど美夕は物色を続けました。

どれもこれもフリフリが付いたとってもファンシーなものでした。


(うぅ・・・・・なんか、買い物に付き合わされる男性の気持ちを味わった気分です・・・・・って、かなり沢山買ってるみたいですが、お金大丈夫なんでしょうか?)



「ねぇ、いくら自動で支払いがされるっていっても、あるお金自体は変わらないのに、そんなに買ってお金大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ、実験の報酬として、夕維には国から基本的な生活費と、1億Pほどのお金が渡されています。ちなみに、Pというのは現代のお金の単位で、1Pは夕維のいたころだと1・・・・・円でしたっけ?それにあたります」



(どうやらお金の単位も変わっているようですね・・・・・って1億円!?)



「1億って・・・・・ほんとに?」

「はい。その・・・何と言いますか・・・夕維がこれからこの世界で生きていくのは大変なので、そのためのです」



(・・・・・そういえば、ここにはお母さんもお父さんも・・・それどころか知り合いさえ一人もいないんでした)



・・・・・ギュッ



暗い顔をしていると、美夕が私を抱きしめました。



「大丈夫です。私が夕維を全力でサポートします」



うれしくて、思わず泣きそうになってしまいました。








さて、私達はそれから、食べ物(?)や歯ブラシなど、生活に必要なものを一通り買った後、ご飯を食べて、その日はそのまま寝ることにしました。

買ったのがどれもこれもかわいらしいファンシーなものだったけど、現代ではそれが普通みたいなので、これはなれるほかありません。

それと、夕飯なのですが、美夕が丸い玉を電子レンジのようなものに入れ、ボタンを押すと一瞬でエビフライ定食になりました。

美夕が言うには「夕維のいた時代で言うコンビニ弁当のようなもの」ということでした。


そうそう、私はやっぱり夜中に泣いてしまい、隣で寝ていた美夕がそっと抱きしめてくれました。

美夕には感謝してもしきれないです。
















朝になりました。

私が目を覚ますと、目の前には美夕の顔のドアップがありました。



(えっと・・・なんで私は美夕にキスされているのでしょうか?)



「夕維~~~愛してる~~~~」



・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



(どうやら、美夕は寝ぼけているみたいです。とりあえず、蹴りだしておきましょう)



ドカッ



「うぅぅぅ・・・・・痛い・・・・・」



私は、一切手加減なく美夕をベッドから蹴りだすと、美夕はそう言って目を覚ましました。



「夕維いきなり何するんですか!!」

「だまりなさい!!いきなり人の唇奪っておいて、美夕こそ何のつもりですか?」



私は少し怒気をこめていいました。

朝目を覚ましたら、キスされていたのだから怒っても問題ないでしょう。



「あ・・・・・その・・・寝ぼけてました。ごめんなさい?」

「ほぉぅ・・・美夕は寝ぼけると人にキスするんですか?」

「そ・・・そうなんですよ~~、どうも寝起きに人にキスする癖があるみたいで・・・」



美夕はしどろもどろになりながら、目を逸らしてそういいました。



(あやしいですね・・・少し追求してみますか・・・)



「本当にそれだけですか?なんか「愛してる」って聞こえたんですけど?」

「え!?・・・・・私、そんなこと言ったんですか?」

「そうです。いったいどういうことなのかな?」



私が追求すると、美夕は黙り込んでしまいました。


(あれ?ちょっと言い過ぎた?でも、私の唇奪ったんですから問題ないですよね?なにしろフ・・・ファーストキスだったんですし///)



「・・・ないです」



・・・・・・・・?



「ばれたならしょうがないです!!はっきり言いましょう。夕維は私のタイプです。もう、ドストライクです。私が夕維専用になったのもそのためです!!でも安心してください。夕維の許可なくいきなり襲ったりしませんから!!むしろ愛でているだけでも十分です!!」



(なんか衝撃の告白来ました!!ど・・・どうしましょう・・・お、追い出しましょうか・・・い・・・いや・・・美夕がいないとこれからどうすればいいのか私には分かりませんし・・・それにいきなり襲ったりはしないみたいなのでいいのでしょうか?・・・あれ?なら許可したら襲ってくるんでしょうか?・・・いや、そうじゃなくて・・・美夕は私のことが好き?女性なのに・・・ってアンドロイドでした!!アンドロイドなら問題ないのでしょうか?でも、女性型なんですよね?・・・って今はそんなことどうでもいいです・・・いや、よくないけどいいです・・・今重要なのは美夕に告白(?)されたことです。いったいなんと答えればいいのでしょうか・・・というか、答える必要あるんでしょうか?・・・あぁ~~~もう!!混乱してきた!!よし、とりあえず美夕を殴っておきましょう!!うん、それがいいです)





「とりあえず・・・殴りますね?反論はその後聞きます」



ゴンッ



私はそう、笑顔で言って、美夕を思いっきり殴りました。



「うぅ~~痛いです」

「つまり、美夕は不純な動機で私の専属になったと?」

「う・・・で、でも、ちゃんとサポートもしますよ?」

「・・・・・まぁ、いいです。今回だけは許します」

「あ・・・ありがとうです」



(はぁ、なんか前途多難な気がします)



「で、では、夕維、朝食にしますので着替えましょう」



(・・・・・昨日は気にしなかったけど、美夕の目が怪しい気がします)


「わ、私も手伝いますよ」


美夕が手をワキワキして言いました。


「何か、邪な気配を感じるんですけど・・・本当に反省してる?」

「も、もちろんですよ。そ、それに卑しい気持ちなんて・・・ちょっとしかありません!!」



(ちょっとって・・・あるんじゃないですか・・・)



「服くらい自分で着られるので大丈夫です。美夕はご飯作っていてください」



私は美夕にシッシと手を振ってさっさと着替え始めました。

私が着替え始めたので、美夕は渋々といった感じでご飯の準備に向かいました。

ちなみに、来たのはフリフリの付いた少女趣味な服でしたが(というかフリフリなのしかなかった)あえて考えないようにしました。






私が服を着替え終わると、美夕はこっちをガン見していました。


(そういえば・・・ご飯作るのってボタン一つでしたね)



「すごくかわいいですよ!!」



ゴンッ



とりあえず美夕を殴っておきました。






「それで、今日は何するの?」



ご飯を食べながら美夕に今日の予定を聞きます。



「はい、今日はこの後『学校』に行ってもらいます。手続きなどはもうすんでいますので問題はありません。制服はこちらになります」



美夕はいわゆるセーラー服をだしました。



(いや、確かにセーラー服なんだけど、微妙におかしいです。まず、スカートが短いどっかのギャルゲーに出てくるくらい短いです。次に、ところどころにフリフリが付いています)



私は、何か悟ったような顔になりました。



(あぁ・・・味噌汁おいしいなぁ・・・)















さて、時間は飛んで学校に着きました。

私の通う学校は国立高校という所でした。

そうそう、何で学校に名前がないのか聞いた所、現代では国立の学校は1つしかないそうで、○○学校とつける必要がなくなったとのことでした。

ちなみに、学校を空から見た所、あたり一面校舎しかありませんでした。

大きいにもほどがあると思いました。

まぁ、色々と驚くことが沢山ありましたが、学校について、私が一番感じたことは「だまされた!!」でした。

なぜって?

だって、こんなフリフリが付いてミニなスカート穿いてるの私だけでしたから!!

みなさんにすっっっっっごく注目されました。

後で美夕を殴ることが決定した瞬間でした。






「時野夕維です。みなさん、これからよろしくお願いします」



私は、担任の教師に連れられて、教室に入って皆が注目する中、自己紹介をしました。


(すごくザワザワしています。まぁ、転校生がこんなフリフリの付いたミニスカートの制服着ていたら注目もされますか・・・・・。見た所こんな制服着ているの私だけ・・・いえ、もう一人いますね・・・ってあれは美夕じゃないですか!!何でこんな所いるの?というか、同い年だったの!?・・・・・アンドロイドに歳って関係あるのかな?・・・あぁ、もしかして、私のためにこの教室にもぐりこんだのかな?きっとそうですね)



「では、夕維さんは白百合さんの隣に座ってください」


ゴチャゴチャと考えているうちに、どうやら私の紹介は終わったようでした。

教室に目を戻すと、美夕が手を振っていました。



(そういえば、美夕の苗字知りませんでしたね)



私はそんなことを考えながら美夕の席隣に座ります。


「ゆ~い~、これからよろしくね~~」

「・・・・・とりあえず、後で殴るから」

「え!?なんで!?」

「自分の胸に聞いてみてください」

「ん~~?わかんないよ?」

「・・・・・はぁ、とりあえず殴ることは決定なので、覚悟だけはして置いてください」

「うぅ・・・夕維の意地悪」






そんなこんなで授業が始まり・・・・・いえ、終わりました。

授業風景なんて面白くもなんともないですからね。

そして、授業が終われば、転校生の試練、質問攻めです!!



「ねぇねぇ、時野さんって何処から来たの?今時って、転校かなり珍しいじゃない」



(う・・・・・いきなり答えにくい質問されました。さすがに「ずっと『コールドスリープ』で寝てました」なんていえませんし・・・どうしましょう?)



「夕維は、北海道の私立の学校に通ってたんだよ。ちなみに、私の従姉妹です」



私がどう答えようか迷っていると、隣に座っている美夕が助け舟を出してくれました。



「そ、そうなの。この学校のことも良く知らないから色々教えてくださいね」

「もちろんだよ。あ、私は咲、野原咲っていうの。咲ちゃんって呼んでね」

「うん。よろしくね、野原さん」

「ち~が~う~咲ちゃんです」

「えっと・・・・・よろしく、咲・・・ちゃん」

「よろしい」


咲ちゃんが『えっへん』という感じで胸をそらせて言いました。



(なんか・・・とてもほほえましいです。だって、咲ちゃんすっごく背が低いんだもの)



「ところで、夕維・・・あ、夕維って呼んでいい?」

「うん。いいよ」

「それじゃぁ、夕維。どうしてそんな・・・フリフリ(?)の制服着てるの?確かに学校の指定の制服の中にあった気がするけど・・・もしかして趣味?」

「違います!!これは、美夕に嵌められたんです!!この学校はこの制服が普通だって言われてね!!」

「そ・・・それは・・・ご愁傷様?」



(美夕が隣で「えぇ~~~この制服かわいいじゃん」って言っているけど無視です。それより、これちゃんと指定の制服ではあったんですね・・・どうりで先生も何も言わないわけです)






この後は特に変わったこともなく、私の学校初日は平穏無事に終わりました。

今日一日、私のことをずっと見ていた人がいたなんて気付くこともなく・・・・・ね。









学校に通い始めてから、一ヶ月が過ぎました。

初めのうちは色々戸惑うこともありましたが、今では何とか順応できました。

けれど、そんな折、私にとって驚愕の事件が起こりました。

それは、放課後教室で雑談をしているときに起こりました。

それは、クラスメイトの一人が外を見ながらある『歌』を唄ったのです。

別に、超音波とか変な力がその『歌』にあったわけではありません。

他の人・・・美夕も含めて、私以外はその『歌』を聴いても特に何も思っていないようでした。

それもそのはずで、その『歌』は私が目覚める前、つまり、100年以上前にはやった歌なのでした。

私が驚いていると、彼女と目が合いました。

私と目が合うと、彼女は意味ありげな笑顔を浮かべた後、唄うのをやめて教室から出て行きました。



「夕維?どうしたの?」



私が呆然としていると、美夕が声をかけてくれました。


「今の人・・・」

「ん?神宮さん?」

「うん、彼女って・・・どんな人?」

「な!?夕維!!もしかして彼女に惚れたの!?わたしというものがありながら!!」



・・・・・ゴンッ



とりぜず、変なことを口走った美夕は殴っておきました。



「神宮千世さん。話しかければちゃんと答えてくれるけど、進んで話の輪に加わることはない・・・かな?彼女がどうかしたの?」



「神宮さんが今唄ってた歌って・・・・・」

「ん?そういえば、何か唄ってたね?知らない歌だったけど」

「私も知らないわね・・・・・その歌がどうかしたの?」

「うん・・・あの歌は・・・・・いえ、なんでもない。きっと気のせいです」

「そう?ならいいけど」



私は、途中でこの話を切り上げました。

なぜなら、あの唄のことを話すには私が『コールドスリープ』から目覚めた人だということを話さなくてはいけません。



(とりあえず・・・『エッグ』に戻ってから美夕に聞いてみましょう)




その後、私達は普段と変わらない雑談を少しして、帰りました。

けれど、その間、彼女のことが頭から離れることはありませんでした。











『エッグ』に戻った私は、早速さっきのことを美夕に話しました。



「う~~ん、確かに少し不思議な感じはするけど、昔と違ってその歌がまったく伝わってないってこともないから、あんまり気にしなくてもいいんじゃないかな?」

「そう・・・かな?」

「うん。そうだよ。夕維が昔のこと気にするのは分かるけど、何かあったら、私がどうにかしてあげるから安心してよ」

「ふふ、美夕が?」

「あ、なによ、私じゃ頼りにならないとでも?」

「べーつーにー」

「全然信じてないですね・・・いいでしょう!!今日は私のすごさをじっくりと教えてあげましょう!!主にベットの中で!!」



ゴンッ



「うぅ・・・夕維がまた殴った~~~」

「そういうところが信じられないんです!!」



美夕とじゃれあっていると、その日はいつの間にか終わっていました。






「美夕、頼りにしてるからね」

「・・・・・うん、まかせて」



夜、そんな会話が私と美夕の間でかわされました。














「夕維さん、それと美夕さんも持っていたわ」



翌朝、私達が教室に行くと、そこには、神宮さんがいました。

いえ、これは正確ではないですね。

教室には神宮さんしかいませんでした。



「神宮さん?」

「千世と呼んで」

「えっと・・・では、千世さん、あの・・・待っていたって?」

「文字通り、貴方を待っていたのよ。夕維、約150年ぶりね、覚えているかしら?」



・・・・・・・・・・!!?



「夕維、知り合い・・・のわけないよね?150年ぶり?貴方何が言いたいの?」



私の隣では、美夕が怖い顔をして神宮さんを睨みつけています。



「う、うん。私は知らな・・・」

「夕維さん、知らないなんて酷いですよ。前の学校でもクラスメートだったじゃないですか・・・・・まぁ、ほとんど話したことはなかったですし、私の苗字も違いましたけどね」



私が『知らない』と言おうとしたら、神宮さんがそれを遮りました。



(違う苗字?そういえば、どこかで見た覚えが・・・千世・・・千世・・・巫鏡千世!?そういえば、そんな子がいた記憶があります・・・もっとも、顔もうろ覚えですけど・・・)



「もしかして・・・巫鏡さん?」

「正解♪」



私が、恐る恐る聞くと神宮さんは笑顔でそう答えました。



(本当に巫鏡さん!?でも150年前から姿が変わってない・・・よく覚えてないからたぶんだけど・・・でも、人ってそんなに生きれましたっけ?もしかして超科学(笑)ならそれくらい生きれるようになったの?)



「美夕、今の人ってそんなに生きられるの?」



私は半信半疑で美夕に聞きました



「確かに、今の科学力なら、人は約300年生きられるといわれてます。でも!!貴方にそれは当てはまらない。なぜなら、人の寿命が長くなったのはここ30年くらい前からです。150年?そんなことはありえないです!!もっとも、ある方法を使えばできますが、それもありえません。私は『その方法』をした人は全員知っています。その中に『千世』なんて名前の人はいませんでした。貴方はいったいなにものですか!!」



美夕が睨みながら言いますが、神宮さんは平然としています。



「そんなに睨まないで、別に貴方達に危害を加えたりしないわ。ただ、懐かしかったから話がしたいだけよ」

「それを信用しろと?」

「そうね・・・すぐには信用できないと思うけど・・・まずはさっきの美夕の疑問に答えてあげる。私は『亜空間技術の発見者』よ」



その言葉を聴いた美夕の目が大きく開かれました。



(びっくりです。まさか『亜空間技術の発見者』だなんて・・・よく分からないけど、とにかくすごそうです。あれ?でもそれとさっきの質問って関係あるんでしょうか?)


「美夕?『亜空間技術の発見者』ってさっきの質問と関係あるの?」

「ええ、関係あります。詳しいことは省きますが、『亜空間技術の発見者』というのは『不老不死である』というのが、世間一般の常識です」

「え?つまり・・・千世さんは不老不死ってこと?」

「彼女の話が本当ならば・・・ですけどね」


(なんというか・・・昔のクラスメートが実は不老不死でしたって・・・どんなびっくりばなしですか・・・)



「まぁ、今は私の言葉を信じてもらうしかないですけど、美夕なら後で聞けばわかるでしょ?」

「えぇ・・・とりあえず今はそれで納得しておくことにします」

「ありがと。それでっと、そろそろ夕維とお話したいのだけどいいかな?もちろん、美夕も一緒でいいわ」












それから、私は千世と色々な話をしました。

それは、かつての友達のことだったり、はやった歌の話しだったりと、どれも懐かしいものばかりでした。

初めのうちは警戒していた美夕も、話が進むうちに興味心身で私と千世の話を聞くようになりました。

懐かしいがっているのは、私だけでなく、千世もでした。

むしろ、不老不死である千世にとって昔の話が出来る私は、とてもありがたい存在のようでした。

その日を境に、私と美夕と千世は急速に仲良くなっていきました。

そして、今では私達は大の親友同士となりました。






これで、私の話は終わりです。

私はこれからも、美夕と千世とともに、この未来の世界を歩んでいくのでしょう。







いかがだったでしょうか?


私としては急な展開が多くて、「これって読者ついて行けるのかな?」なんて場面が沢山ありました。


まだまだ忙しく(?)てなかなか小説を書く暇がありませんが、これからもちょびちょび書いていく予定ですので、生暖かい目で見守っていてください。



もしよろしければ、感想などくれるとうれしいです。

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― 新着の感想 ―
[一言]  お久しぶりです^^  読ませて頂きました!  『巡る世界』の方では2010年1月頃から読んでいましたが、長期更新停止中で悲しく思ってました……  ここで、時世さんがとりあえず戻って来てく…
[一言] 途中で終わったのがちょっと残念なくらい面白かったですよ。 それと、「巡る世界」の方も更新楽しみに待ってます。
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