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おはよう、僕のクラリス~祝福という名の呪いと共に~  作者: おもち。
本編

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一筋の光⑤



 「念のため彼個人の肖像画を老人に見せたところチェスター子爵子息で間違いないとの事でした」

 「しかし、その姿を消した孤児や浮浪者はどこへ消えたと言うんだ……まさか殺めたのか?」

 「その点についても俺の部下にも協力を仰ぎ、周辺国なども含め足取りを探ってみました。残念ながら全員を特定する事は出来ませんでしたが、一人だけ接触したと見られる元孤児が国境近くのスラム街で発見されました。その元孤児は酷く錯乱し自分の名前も言えない状態でしたが、魅了を使われた痕跡を確認する事が出来ました」

 「それは本当か!?」


 リアムの報告に身を乗り出す宰相の顔は青ざめていた。


 「はい。俺自身が最終確認をしたので間違いはありません。その元孤児は強く魅了を使われたようで、治療を施しても元の生活を送る事は今後難しいと思われます。ただ、その孤児とチェスター子爵子息が会話をしていた所は話してくれた老人以外数人の領民が目にしていました。なので魅了の術者は子爵子息で間違いはないかと。ただ最終的には彼自身の魅了検査をしないと決定とはいきませんが」



 ……ようやくここまで辿り着いた。

 クラリスがおかしくなってから魅了にかけられている事は分かっても術者の特定も出来ずずっと足踏み状態だった。


 「そうか。リアム殿、ご苦労であった」

 「いえ、俺は殿下がどうしても違和感を覚えると言ったその言葉を信じて調査しただけに過ぎませんよ。あの時殿下が“少しの違和感”を流していたら正直ここまで辿り着く事がなかったと思います。敵はそれほど周到に“魅了”の祝福を隠していた」


 リアムと陛下の会話が聞きながら僕はクラリスを思い浮かべていた。

 あの日、相談を受けると言っていた彼女を一人にしてしまったのは間違いなく僕の失態だ。

 最後見た溢れんばかりの笑顔が頭から離れない。同時にあの冷たく少しの感情もない視線を向けてきたクラリスを思うと僕は自分自身が許せなかった。



 「陛下、僕からひとつ提案が御座います」

 「テオドア、お前に何か考えがあるのだろう?」

 「バルセル侯爵令嬢との正式な婚約発表の夜会で、あの二人を追及したいのです。その場であれば二人は怪しむ事もなく夜会へと足を運ぶでしょう。その場で二人を追及し断罪したいのです」

 「そうだな。敵を油断させる事は必要だろう。相手は相当頭の切れる相手なようだからな。当日はリアム殿にも護衛に当たってもらおう、すまないが頼まれてくれるだろうか」

 「かしこまりました。殿下のお側に控え万が一の事態に備えたいと思います」



 ようやくここまで来た。

 クラリスを取り戻す、その道がようやく見えた気がした。

 最後に僕は陛下の方へ視線を向け、口を開いた。


 「陛下に王太子として、そして貴方の息子としてお願いが御座います」

 「……その顔は何か心に決めた事でもあるんだろうな。いいだろう、言ってみなさい」

 「どうか僕の最後の我儘を聞き届けていただきたく思います。僕は──」

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