明日香と獄炎の龍皇
そろそろ百合成分がふえてきそうです
「ふぁっ…そ、そんなとこ、ろっ…やめっ…おじょう、さまっ…!」
「ふふ、闢零…大人しく全部受け入れちゃいなよ…?きっといいよ♪」
「い、いやぁ…それだけは…だ、だめ…」
如何わしいことをしている訳ではない、前に明日香が言っていたメイド服を着せようとすると、闢零が抵抗するので明日香が『優しい』手付きで闢零の胸を揉んでたのだ。
…客観的に見ると如何わしいことな気がするが、きっと違うだろう。
「も~!諦めてメイド服着なさいっ!」
明日香が御影流『陽炎』の要領で、闢零の後ろに回り込み闢零の服を脱がせる。刹那の出来事に闢零は反応できず、一瞬上半身裸のまま無防備になる。
さらに明日香は追撃を入れるようにその明日香から見れば嫉妬と羨望の対象を掴み取り。
「キャッ!?お、おじょう…さま?」
いつもの三割増しで動揺している声を出している闢零に明日香が耳元でソッと囁く。
「闢零って私に魔力流された時、すっごく気持ち良さそうな声出してたよね…?」
「お…お嬢様…?あ、あれはあまり、やらないで…下さい………き、気持ちいいので」
闢零が顔を朱に染めながら小さく呟きうつ向く。明日香が闢零の胸を触りながら。
「ふ~ん…86か…大きいわね~?」
「ふ、ふぇ…な、何で…わかったんですか…?」
「そんなの、私が所有者だからよ♪」
実際の所は、昔梓の家で雇っていたメイド達の胸のサイズを梓が当てていった事を真似して覚えたのだ。
まさか使う日が来るとは夢にも思わなかったが。
「お、大きくても…得なんか…しませんよ…?肩が、凝りますし…身体洗う…ときだって、ひぁっ!?」
明日香は無意識に、闢零に軽く魔力を流していた。
闢零は気付いていなかったが明日香の地雷を既に踏んでしまっていた。しかも数少ない地雷のなかでも特に踏んではいけないものを。
「ねえ、闢零?胸の小さい人の前でやっちゃいけないこと教えてあげようか…?」
闢零は言葉のなかから滲み出る殺気の様なものを感じ取った。それに、明日香は今も少しずつだが魔力を闢零に流していた。
「ふぁっ、な、なん…ですっ、か…あっ」
「それはね―――――露骨な巨乳アピールする事よっ!」
明日香が一気に魔力を流す。今まで少しずつ流されるだけで焦らされていた闢零にとっては、凄まじい快感となって襲いかかってきた。
「あっ、ひっ、ふぁ、も、う…ダメェェェェェッッッッッ!!!」
闢零が小刻みに痙攣しながら倒れる。明日香は両手をパンパンと払う動作をして、満足そうに。
「闢零…気持ちよかった?」
「ふぁっ、あ…はぅ…ぁぅ…」
闢零は明日香の質問にも答えられないレベルでの快感を味わったようで、未だにその余韻に浸っている。
じゃあ、いいかな?と明日香が闢零に顔を近づけると、闢零と口づけを交わす。
「んっ、ふぅっ…んぅ、ふぁっ…ぅん」
「んっ!?ふぁ、んくっ…んん、ぁん…」
明日香の舌が闢零の口の中に入り込む。勿論、闢零の為に魔力を込めてある。
ぷはっ、と明日香がキスを止めるとつぅと糸が引き場所が平原でなければ更に官能的だっただろう。
「ふふっ闢零のお口ごちそうさま♪」
軽く唇に人差し指を当てて、ウインクする。んぅ…?と眠たい眼を擦って、起き上がったのは緋色の髪を跳ねさせた緋焔だ。
「おじょうさま…おはよう、ございます…」
「おはよ、緋焔。昨日は私を運んでくれてありがと♪」
明日香の元気な声と、後ろでぅあ…と痙攣している闢零を見て緋焔は何が起こったのか理解できなかった。
「お、お嬢様…?一体何が…?」
「えっと、ね?ちょっと闢零に巨乳のアピールをしすぎるとどうなっちゃうかを…ね?」
明日香の眼の奥に殺気が込もっていて、正直緋焔も一瞬引くレベルだった。
「そ、そうですか…」
「そうだよ~。でも、もし緋焔も同じことをしたら…分かってるよね♪」
「っ…はい…」
緋焔が今日の朝から学んだことは、明日香を怒らせてはいけない。ということだった。
闢零が疲れて寝てしまって、明日香は緋焔の作ってくれた朝ごはんを食べていた。
今日はディープ・フィッシャーを焼いたものと、クレプス・シャリオのサラダだ。前者は太刀魚に近い味、後者はセロリの様な味がする。
「ん~♪さっすが緋焔美味しいよ!」
「…お、お嬢様…お姉様、わたし…いったい、何を…していたんでしたっけ…?」
闢零には明日香にされた事の記憶がすっぱり切れているようで、明日香は念のために。
「ねえ、闢零。私がして欲しくないこと、分かる?」
この質問は明日香と例の事を行っていた最中に言っていた事だ。完全に忘れているなら、もう一度闢零に教え込む必要があるかな?と考えていると。
「え、っと…お嬢様の前で…む、胸が…大きい、事を強調…しない、こと…です」
闢零はちゃんと覚えていたようなので、明日香も二回戦をする事はせず。
「そ。覚えているなら良いよ♪」
(良かった…お、お嬢様の心…読んで、無かったら…どうなってたんだろう…)
答えは緋焔が知っているが、教えるなんて事はしない。教えて闢零に変な性癖がついて貰っても困るから、と言うことで教えたりはしない。
「さって~!今日こそやるわよ七天龍!」
「が、頑張り、ましょう!」
「そうですね。今回はお嬢様の命令通り私達が危険な状況になるような作戦は使いません。その代わり、危険になったら早めに逃げの作戦に変わりますよ?」
「分かってる。誰も、死なせたりしないから…!」
明日香が小さく、強く呟くとええ、そうですね。と緋焔が笑ってくれた。
「さあ、行くわよ!初めての天龍戦!…ってあれ?アリシアは?」
アリシアがいないことに気付いた明日香だが、緋焔が事情は知っているので行きましょう。と言っていると言うことは問題ないだろう、と思い明日香達は火山に向かった。
明日香が火山に入り、数分後明日香達は火口の最深部、祠のある場所まで降りてきた。
「お嬢様、あの戦いの後にアリシア様から預かっていたものです」
そう言って手渡したものは、紅蓮の様な色を持つミサンガだ。
「ミサンガ…?」
「はい、このミサンガには召喚句が封じ込められています。これを着けて唱えれば呼び出す事が出来ます」
「へぇ~、便利なんだね。じゃ、それ貸して緋焔」
明日香が緋焔からミサンガを貰うと、早速召喚句を唱えようとすると緋焔がちょっと待ってください。と明日香を止める。
「ん?どうしたの緋焔」
「召喚句は一人一度しか使うことができないです。勿論私達は刀ですから使うことはできませんよ?」
「分かった、一回で勝って見せようじゃない」
そう意気込むと、明日香は深呼吸して召喚句を紡ぐ。
『我、喚ぶは天より使わされし七の龍の一柱、煉獄を従えし紅蓮の龍、我声に応えその姿を現せ』
すると、マグマの底から全ての生物を威圧するような咆哮が響き渡る。明日香は一瞬、身体が強ばるが緋焔達が明日香の手を握った。
「さぁ、始めましょう♪『武装化緋焔・闢零』!」
明日香の手元に二人が収まる。それと同時に、溶岩が吹き上がり全身が紅蓮の鱗に覆われた龍が姿を現した。
『我が名はアポロ…私を呼んだのは貴様か…?』
アポロの口から威圧するような、重く響く声が聞こえる。明日香は決して怯まず、堂々と応える。
「そうよ、あなたと戦う為に呼ばせてもらったわ」
アポロは紅の鋭い瞳を細め、巨大な口を開き笑う。
「…何がおかしいのかしら?」
『クッハハハ!…いや、すまない。呼び出されても下らない願いばかりだったからな、このような願い久しぶりだ。私の全力で相手をしてやろう!』
アポロはその巨大な体をくねらせ、その全身像を露にさせる。全長なら軽く10メートルをゆうに超えるほどの大きさだ。その巨体が刹那のうちに明日香の目の前にいた。
「っ!?闢零、緋焔!」
咄嗟に声をあげ、二人に命令を送る。細かい命令などは二人の名前を媒介にして送らなければならないのだ。
緋焔達の受けた命令はこうだ。
緋焔は、アポロの動きを読みながら私に特徴のある行動を随時報告。闢零はアポロの動きの細部に牽制を入れつつ、緋焔のフォロー。
普通ならばプロでも難しい命令を二人は、いつもの事をするようにはい、お嬢様。と短く答えると。
「『解除』!緋焔・闢零!」
明日香の魔法により人の姿に変わると、三方向にバラけた。アポロは素早く身を引くと、身体を捻り力を溜める。
「食らいなさい、『炎煉球』!」
緋焔が溶岩を球状に固めた物をアポロに飛ばす。それは攻撃のためではなく相手の注意を引くためだ。
魔法が直撃し、緋焔の方へアポロの注意が向く。アポロは巨大な顎を開き、超が付くほど高温の炎のブレスが吐き出される。
闢零は、アポロの下顎に向かって氷の弾丸を打ち込んだ。お陰で緋焔はブレスのコースがズレ当たらなかった。
明日香は気配を消してアポロの腹の下へと走り込み、その勢いのまま足刀を振り抜く。
「御影流『翔月刃』!」
足刀が三日月のような弧を描き、アポロの下腹に直撃し。鱗と明日香の足刀が轟音を奏でる。
『ッ…グォォ!?』
その威力は凄まじく、アポロの身体を浮かせる程の強力な威力だった。その反動か、明日香の足下の地面はひび割れていた。
(いった~い…『防御障壁』を六重展開でもこの反動って…)
明日香の使う『防御障壁』は魔力消費と防御率が展開数の二乗の倍率になる魔法だ。六重展開にもなると、オリハルコンと同等の防御力を持つが、それだけ張っても反動を受けるということは少なくともあの鱗はオリハルコン級の硬さがあると考えていい。
因みにアリシアによると、オリハルコンを超える硬さの鉱物も何種類か有るらしい。
(お嬢様…やはりあの龍、魔法を使う瞬間、一瞬ですが使う部位に集中して他の部位を覆う魔力が弱くなります。そこを狙えば、勝機はあります)
(…わ、私も、お嬢様を…ぜ、全力で…サポート、します…!)
二人の話を聞き、明日香は即座に最善手を弾き出す。
(緋焔の言っていることを踏まえて考えてみたら、多分弱くなる瞬間を叩けば一撃で斃せるわ。その代わりもうちょっとハードになるから覚悟してね!)
アポロが起き上がると、ゴオオオオオオ!という咆哮なのか噴火の音なのかも聞き分けが着かないような音が響く。すると、共鳴するように地面が、火山全体が揺れ動く。
『まさか、私に一撃加えるとは…面白い!私の力特と見るがいい!』
アポロの声に反応するように溶岩が波のようにせりあがり、明日香達に襲いかかる。
「これは…厳しいかもね…『武装化闢零』!」
明日香は闢零を刀に変え、魔力を込め刀身に氷を纏わせる。
「御影流『鏡華霊月』!」
居合いの要領で刹那のうちに刀を高速で振り抜く、その斬戟には氷の魔力が乗り触れたもの全てを凍りつかせる。
溶岩の波を凍りつかせ、破壊する。アポロでも波を中央突破するとは考えなかったようで僅かな隙が生まれる。
「『武装化緋焔』!」
緋焔を刀にすると全力で大上段から降り下ろす。j
「喰らえェェェェェッッッッ!!」
『ッ!甘いッ!』
「……え……?」
アポロの尻尾が明日香の身体を貫きアポロは勝ちを確信する。
『なかなか…面白い戦いだったぞ、小娘…もう聞こえないだろうがな』
「――――まだ、終わってないよ♪」
明日香の声がアポロの背後から聞こえ、振り向いた瞬間、アポロの首が身体から離れる。
『何……だと……!?』
明日香は傷ひとつない体で、首を飛ばされたというのに未だに息のあるアポロに。
「ふふ、意外とうまくいったものね」
体を貫かれたはずの明日香は、姿を変え闢零に戻る。
『成る程…蜃気楼か…』
「う、上手く…いきましたね…!おじょう…さ、ま……っ、けほっ、けほっ」
「大丈夫!?闢零!?」
闢零が膝をつくと明日香が駆け寄り闢零を抱き抱える。
「だ、大丈夫です…魔力の、使い、過ぎですから…」
あまり心配しないでください…と闢零も言っているので、刀の姿に変えて明日香が運ぶことにした。
『しかし…蜃気楼とは驚いた、こんな方法で私を倒すとはな…』
「ねえ…なんでまだ生きてるの…?」
明日香がアポロの首を飛ばしてから数分は経っているのだ。いくら龍とはいえど、こんな長時間の間首だけで活動しているのは、絵面的に相当厳しい。
『うむ、私は魔力を生命源として活動しているからな。それにここは私の管轄する地域だ、魔力は私がある程度操作できるからこの程度では死なんよ』
ハッハッハと笑っているが、三人が思ったことは。
『だから首が飛んでいるんだって(ですって)!』
そんな話をしていると。アポロが明日香のミサンガを見て。
『そのミサンガ…懐かしい魔力を感じるな…間違いでなければ、赤双の魔力か?』
「赤双ってアリシアの事知ってるの!?」
驚く明日香に追い打ちをかけるようにアポロが。
「知っているも何も、私を倒している数少ない人間の一人だ」
「え!?アリシアもアポロ倒していたんだ…」
明日香がふ~んと感心していると、アポロがミサンガを明日香から奪い取ると。
「あっ!何するのよ!?」
「心配するな、別に悪いことはしないから安心しろ」
そこに魔力を込める、すると紅蓮に輝く小さな宝石が明日香の手に置かれていた。
「これは……?」
『それは紅蓮珠、私を倒した証だ他の五体にも同じものがある』
「五体…?六体じゃなくて?」
明日香の言うことはもっともだ。アポロたちは七天龍と呼ばれているはずなのに六体分しかこれと同じような物がないという。
「ああ…七体目、最後の龍は色々と特殊なのだ。まあ精々頑張れよ」
そうさせてもらうわ。と明日香は嬉しそうにその珠を握りしめた。
「さあ!緋焔、闢零!この調子でいくわよ残り六体!」
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