邪王龍という存在
ご高覧いただきありがとうございます。
70という割と馬鹿にできない量のMPを消費して私の瘴鉄の細剣が『瘴石英の細剣』になったらしい。うーん、そのまんま。しかし重要なのは名前ではない、性能だ。さあどんな風に生まれ変わったのかな?
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瘴石英の細剣
耐久:750/750
効果:攻撃した相手と装備者に瘴気の状態異常を付与。耐久値自動回復(微)
魔力との親和性が高い細剣。この細剣を通して魔法を使用すると、魔法に瘴気が乗る。
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シンプルに耐久値が上がって、瘴石英についてた回復効果が乗った細剣に仕上がったみたい。これだけでも十分に強いんだけど、このフレーバーテキストを見た感じ瘴石英の細剣が魔法発動の媒体になる・・・のかな。さらに細剣を使って魔法を発動したらその魔法に瘴気が乗る、と。これ、生身の人間とかが相手だとなかなかにえぐい性能してるんじゃないだろうか。今はアンデッド蔓延る瘴気にまみれたダンジョンにいるから恩恵はそこまで感じられないけど、いつか地上に出た時が楽しみだ。・・・出れるのかな。出れるよね?
あと、瘴石英の細剣を『錬成』で作ったときに一緒にゲットした『鍛冶屋泣かせ』という称号。別にそんなつもりは無かったけど、言われてみればそうかもしれない。効果は鍛冶以外での手段で武器を作ったり強化したときに、ランダムに耐久値にボーナスが乗るみたい。地味に強い。
『どうだ、良い武器に仕上がったか?』
「はい、概ね満足のいく結果になりました」
しかし、武器が瘴石英の細剣1本だけというのも若干心許ない。この細剣を信用していないのではなく、もし細剣に何かあって使い物にならなくなったりした時に別に使える武器も欲しい。細剣をもう1本狙ってもいいかもしれない。
『しかしお主、その『吸魔』とかいうスキルはどこで手に入れたのだ』
「2度目の探索に出てすぐにおばあさんみたいな人に出会ったんですけど、その時にもらいました」
『おばあさん?それは確かなのか、と聞こうと思ったがお主では様相を確認することすら叶わぬな。だが、ここの最下層にはアンデッドしかいないはずなのだが、どこから入り込んだのやら』
「確か、久しぶりに誰かに会いにここまで来たって言ってたと思います。なんだっけ、名前みたいなのを言ってたんですけど、忘れちゃいました」
なんだっけ、ユルだかメルだか言ってたよね。でも私、ここで名前がはっきりわかる人と遭遇してないんだよね。魔物さんはみんな名前ないし。ちょっと寂しいかも。
『そうか。ふむ、しかしその『吸魔』というスキルは我でも聞いたことがない。効果を見るにおかしいことは書いてはおらぬが、その老婆は信用に値するのだろうな?』
「正直よくわからなかったです、魔力を見ることすらできなかったので。でも、こんな強いスキルを見ず知らずの私にポンと渡してくれる方なので少なくとも悪い人じゃないように感じました」
『それは餌付けされているだけのようにも見えるが、まあお主が良いのであれば我から言うことは何もあるまい。その『吸魔』とかいうスキルもうまく使うのだぞ』
餌付けだなんて失礼な。『吸魔』に何度も命を救われている身としては信用せざるを得ないところまできてしまっているのだ。別に悪い人じゃなかったし。
「それで、そのー・・・少しお願いがあるんですけど」
『どういう願いかにもよるが、言ってみるといい』
「王龍さんに『看破』を使いたいなー、なんて・・・」
そう、私は実のところ王龍さんがどれほどの力を持っているのかとてもとても気になっていたのだ。だって、自分だけの空間に誰を入れるか指定出来たり、どれだけ離れているかもわからないダンジョン内に私を転送したり、ダンジョン内の私の位置を瞬時に特定してこの空間まで逆転送してきたりと、これまでアッサリと流してはいたけど、王龍さんはおそらくとんでもないことを平然とやってのけている。そんな王龍さんの力の一端を覗いてみたいと思うのはおかしなことではないはずだ。
『そんなことならば、いくらでもやるといいぞ。今のお主では何も見えぬと思うがな』
顔は見えないけど、王龍さん今絶対ニヤニヤしてる。地味に性格悪いの出てるんだからね!でも『看破』の力を舐めないでよね!このスキルは実力差関係なくステータスを覗けるんだから!やっておしまい!『看破』!
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名前:繝ィ繝ォ■?繝ウ繧ャ繝>繝
種族:邪王龍
Lv:?托シ暦シ包シ撰シ撰シ
HP:?呻シ撰シ撰シ撰シ撰シ/?呻シ撰シ撰シ撰シ撰シ
MP:?托シ暦シ包シ撰シ撰シ/?托シ暦シ包シ撰シ撰シ
スキル:???
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あっれえー・・・?おっかしいぞおー・・・?私、『看破』使ったんだけどなあ。実はこれ『鑑定』のままだったりしない?え、見苦しいぞって?だって!まともに見えるのが種族だけって!あの死霊さんでもスキルは何を持ってるのか見れたのに!なんだこれ!
『その様子を見れば結果は聞かなくてもよいな。まあこれはこれで良い勉強になったであろう。いいか、ディラよ。この世界には理すらも捻じ曲げる圧倒的な力というものがある。お主はその力の一片を目にしたというわけだ。まあお主には見どころがある、いずれは我も超えていけるだろう』
王龍さんはそういうけど、私に王龍さんを超えていくポテンシャルなんてないと思う。私の原動力はあくまでもクソAIを見返してやりたいのと、お日様の下で呑気に冒険してる人間どもに負けたくないという腐ったものだしね。そもそもただの人間・・・いや、骨だし。最近竜もどきみたいなのにはなったけど。
しかし、理すらも捻じ曲げるなんてとんでもない存在がいたものだね。目の前の方がそうなんですけども。でも『看破』ですら無理となると、いったい何をすればそういうやばい人たちのステータスを覗けるようになるんだろう。まだ『看破』からスキルが進化したりするのかな。いや、王龍さんが力どうこう言ってたから、スキルとかじゃなくて私が強くなるしかないんだろうな。これでまた1つ目標ができた。王龍さんのステータスを丸裸にしてやるという目標が!
『お主のやる気も出てきたようだ、またダンジョンへ行くか?』
やはり王龍さんは察しがいい。こういう人が上司ならいいのにね。
ここに長居しても正直やることはそんなにないからダンジョン探索に戻ろうかな。ちょっと久しぶりにお話しして元気も出てきた。私は王龍さんの言葉に頷く。
『よし、ではサービスだ。ここに来る前にお主がいた部屋に送ってやろう』
これはありがたい。また最初の場所からスタートだったら死霊さんがいた部屋に戻るだけでも1時間はかかっちゃうからね。でも送られた直後に死霊さんが魔法を発動してたらどうしよう。
なんて考えてるとここに来る時と同じような感覚になって、私はさっきの部屋へ転送された。
・・・
「やっばい」
えー、非常にまずいです。私、送られて早々に死んでしまうかもしれません。
何があったのかといいますと、王龍さんに転送してもらって、周りを見るとまた死霊さんと魔物さんたちが一触即発な感じだったんだけど、なぜか死霊さんとバチバチだった魔物さんたちが突然私に敵対してきました。なんで?
魔物さんたちは前に戦った隊長さんよりもちょっと強いくらいだった。それが4体。中には魔法を使う魔物さんもいる。勝てるわけがないんですけど、私どうしたらいいんでしょうか。半ばやけくそになりながら細剣を構えて迎撃態勢を取ると、突然誰かの声が響いた。
『・・・お前たちの相手は私だ』
声のする方に振り向くと、そこには死霊さんが。え、喋れたの?
なんて呑気なことを考えていると、私の頬を魔力の塊が掠めていった。その魔力の塊は魔物さんたちに着弾すると魔物さんたちは炎に包まれて消えていった。・・・助けてくれたの?
魔物さんたちを一撃で片付けた死霊さんは、私の方へ近寄ってきた。え、次は私ってこと?
『そこのアンデッドよ、お前はただのアンデッドではないな。間違いなく知性がある。』
死霊さんの話していることは分かるけど、相変わらず『念話(邪)』を持っていない相手には言葉を伝える方法がないから、とりあえず頷いておく。
『もうこの際腐っていようが骨だろうがなんでもいい、どうか私の願いを聞いてくれないか』
《特殊依頼『ミズガルズ帝国の盛衰』が発生しました》
実は気になってた、王龍さんに『看破』使ってみた回です。
王龍さんの気遣いで死にかけた理菜ですが、別に王龍さんは悪くないです。タイミングが悪かっただけです。
そして早くも死霊さんが絡んできます。また変なことに巻き込まれてるよこの骨。
今日は2話投稿なので、掲示板回があった日のように20時にもう1話投稿します。




