魔族2
まとめて更新しています、ご注意を
二話目です
うねうねと自己主張するように、眼前へと触手を持ってきたネトリーヌ。
元気よく触手を動かし始める。
「淫獣ネトリーヌ……女性の体液を主食とする魔物さ。こいつから分泌される体液の臭いは女性を興奮させる。戦闘力は一切ないけどね、形状の異なる百の触手を獲物に応じて見事に使い分け、あらゆる手段を用いて女性を絶頂に導く魔物さ、君はこれからコイツに凌辱される」
ノスの端正な顔が邪悪に歪む。
「こ、の変態魔族っ!」
「ふふ……汚してみたいと思っていたんだ君のこと、勇者の血を引いているせいかな、君を見ていると嗜虐心が湧いてくる」
「げ……下種めっ!」
「はは、最高の褒め言葉だよ」
触手を蠢かせ、じわり、じわりと迫ってくるネトリーヌ。
「くっ、や、やめ……っ」
「ソイツの与える快感からは誰も逃れられない。君のような快楽慣れしていない少女ではなおさらだろうね」
手足だけの拘束だったのに、身体の中心部へとぬめった太い触手を伸ばし、巻きついてくるネトリーヌ。
「な、なによ、これぇ……」
「力はないけど、衣服だけを溶かす液体を分泌できる。まぁ、魔族の僕は人間の女の裸なんかに興味はないんだけどね。君の絶望した顔を見るのはとても楽しい。せっかくだし君も楽しんでくれよ……凌辱といっても、痛みはない、噂ではやみつきになるそうだよ」
学園の制服に穴が開いていく。
酸がかけられたように、虫食いができたように
長袖が半袖へと、徐々に肌色部分の面積が増えていく。
気付けば服は殆ど溶けてしまい、大事な部分だけが隠れるのみとなっていた。
「なかなか扇情的な姿じゃないか……異性に大きな胸まで晒して、恥ずかしいかい?」
「ふ、ふん……ま、魔族と魔物なんかに見られたって、な……なんともない、わっ!」
「強がるねぇ、でも時間の問題だよ。貞淑な未亡人だろうが、大人から子供まで、ネトリーヌにかかれば落ちない女はいない。すぐに自分からねだるようになるさ」
じ、冗談じゃない!
こ、こんな奴にこのまま屈してなんてなるものかっ!
助けがそう簡単に来るなんて思わない。
それでもこいつの思い通りになるなんて絶対に嫌だ。
いいようにされて、なるものかっ!
力の残っている限り暴れてやるっ!
【ネ、ネト……】
ネトリーヌの動きがストップする。
少し戸惑うような声を出す。
も、もしかして、今ので諦めてくれたのだろうか。
「ふふ、ネトリーヌはそこまで甘い相手じゃないよ」
淡い期待を抱くが……それを否定するノスの言葉。
【…………】
目をつむり沈黙するネトリーヌ。
直後、ネトリーヌの瞳孔がカッと大きく開いた。
【…………ッ!】
「君を落とす、脳内シミュレーションが開始されたね」
ネトリーヌの頭の半分ぐらいを占める巨大な一つ目。
その目が輝きだしチカチカと点滅をはじめる。
「ネトリーヌの眼は未来眼なんだ」
「みらい、がん?」
「獲物の未来が見えるんだよ。どう攻めれば、どの形の触手を使えば、どういったシチュエーションなら、最高効率で君をオトせるか、ベストな方法を探っているのさ」
「な、なな、なによそれ……」
め、滅茶苦茶すぎる能力だ。
つま先から頭、まだ残っている衣服の部分の下まですべてを見透かすような目で凝視してくる。
「彼には大きく分けて三つの特殊能力がある。女性を落とすうえで万能道具となる【触手】、相手を完全解析する【未来眼】……そして三つ目、彼の最高最大のサポート能力」
さ、さぽーと?
「【感度百倍】とのコンボからは誰も逃れることができない」
「の、のの、能力が全部凶悪過ぎるでしょっ!」
力の使い道が絶対におかしいっ!
こんなの普通の魔物の能力じゃない。
「心配いらないよ、女性は男性よりも刺激に強い……とはいえ、百倍も感覚を強化したらショック死しかねないけどね。その当たりの調整はきっとうまくやってくれるはずさ」
【ハァ、ハァ…………】
未来眼による高速演算はそれなりに頭をつかうのか。
疲労した声を出すネトリーヌ。
ネトリーヌの吐く息、視線、そのすべてが強烈に私の嫌悪感を掻き立てる。
尋常じゃないほどに気持ち悪い、寒気がする。
体育の時間とかに、胸とかに男子から感じる視線なんか可愛く思えるもの。
【クク………ククク………】
三十秒ほど経過して……。
ブヨブヨボディを振動させ、謎の含み笑いを始めるネトリーヌ。
【チョロスギ……オチ、タ】
「も……ものすっごい、腹立つんだけどこいつっ!」
ニタリ、とその口を上に吊り上げる。
というかコイツ、ネト以外のフレーズを喋れたの?
「どうやら、君を辱めるルートが決まったようだね」
ノスが呟く。
そんな、う、嘘でしょ……ま、まさか、本当に見えたというの?
わ、私……こんな奴に屈するというの?
動きはじめるネトリーヌ、しかし……。
「い、いやっ……え?」
身構えるが……触手は一向にやってこない。
それどころか、触手は私から離れていく。
「な、なにしてんの……?」
ネトリーヌの視線の先には気絶している同行していたメンバーたち。
長い触手を男たちの方へと伸ばすネトリーヌ。
「どうやら、まず劇のギャラリーを大量に増やす作戦に出たようだね」
「ひ、ひいいいいいっ!」
こ、こいつら……あ、悪趣味なんてものじゃない。
し、主従揃って本当に最悪だ……。
「最初から君の羞恥心を最高値まで高める作戦のようだ」
「や、やだっ! やだやだやだあああああっ!」
「ああ、最高にいい反応だよ王女様……とてもぞくぞくするよ」
全力で足をバタバタさせ、みっともなく足掻く。
しかし、どんなに頑張っても拘束が外れない。
うっとりとした様子で私を眺めるノス。
私の貞操を含め、色々と絶体絶命のピンチの中。
突然、転移魔法陣が出現し光り出す。
「……む」
「え?」
陣の中央から姿を見せたのは、見知った一組の男女の姿だった。




