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90 絶対合格ベレニケゼミナール

「カストリア様、この勝負絶対に負けられませんわ!!」

「オイ、テメェあの爺さんに恨みでもあるのかァ?」

「いいえ、むしろ感謝しているくらいですわ」


 ベレニケはなぜあの爺さんに勝ちたいのだろうか?


「わたくしはシリウス男爵様に講義を受けました。いうならばあの方はわたくしの恩師です。だからこそあなたの育てたわたくしの勉強を教えたカストリア様に勝っていただくことであなたを超える事が出来たのですと証明したいのですわ」


 この説明だと誰が誰のことを言いたいのか伝わりにくいが、つまりはベレニケはあのシリウス男爵って爺さんの弟子だったわけで、その弟子だったベレニケがオレに勉強を教えることでこの皇国学習院の試験合格の結果で爺さんに勝ったといいたいわけだ。


「ですが、あのシリウス様が天才という子供も気になりますわね、いったいどれほどの子供を育てたというのでしょうか? 学習には教育以外に地頭の良さが必須になってきますのに、平民枠でそれほどの天才がいるというのでしょうか?」


 シリウス爺さんは弟子が二人いると言っていた。

 間違いなく一人はスピカだ。

 そうなると……もう一人はポルクシアなのかもしれない。


 確かにあの二人なら生まれが本来は貴族だといえる。

 そう考えると二人共貴族からの系譜だと地頭も良いはずだ。

 この勝負、確かに負けられない理由が出来た。


 オレはポルクシアに勝たないと、今の人生を生きている意味がないのだ。

 やつは間違いなく、前の人生で皇国学習院に自力で入学できただけの学力や頭の良さは持っている。


 だが今回の人生で入れ替わって同じ環境にいれたはずのオレがここでカストリアに負けてしまうと、オレがカストリアに劣ることになってしまう。

 それだけは絶対にあってはいけない!


「ベレニケェ。安心しろ、オレは絶対にトップで合格して見せるぜェ」

「カストリア様、頼もしいお言葉ですぅー。わたくし合格をお祈りしておりますわ」


 実際ベレニケはオレに分かりやすく勉強を教えてくれた。

 横にいたバロも巻き添えで勉強をさせられることになって涙目だったな。



「試験開始準備をせよ」


 そして試験が始まった。

 最初の科目は算学だった。


 『50人の兵士に80人の兵士が加勢した。現在兵士は何人いるか』


 簡単だ、これくらいならすぐに答えが出せる。

 最初の問題はこの程度だった。


 その後の問題は


 『現在の帝国の税は物品一つにつき1割の課税になっている。それでは銀貨三枚に付く税はどれだけのものか』


 これくらいならベレニケが教えてくれた掛け算で出せる。

 銀貨一枚の一割の価値が銅貨一枚になる。

 つまりはこれだと銅貨を3の掛け算すればいい、答えは銅貨三枚だ。


 他の問題は面積や体積の問題だった

 『城を建てるのに100歩歩くだけの広さの縦と240歩歩くだけの横を合わせた広さは何歩の広さか』

 これは100×240で出せる


 答えは24000だ。


 オレは苦手だった掛け算を、ベレニケのおかげでマスターできた。

 

 この調子で算学の問題は全部解くことができたが、兵士のハンス、忘れ物するな!

 兵士のハンスが忘れ物をしたのでそれを早馬で追いかけたリチャードが届けるのにかかった時間?


 そんなもん知るかー!


 まあこれも速さの単位が書いてあってその速さの掛け算や割り算で出す問題だった。

 文章題の応用問題というやつだ。


 まあこういった問題が100問近くあったが、オレは砂時計の半分が落ちるまでに全部の問題をとくことができた。


 これだけの速さで終わらせれるやつは他にはいるまい。


「師範、もう問題が終わったのですが、この後の時間どうすればいいですか?」


 オレから少し離れた席から手をあげる声が聞こえた。

 あの姿は、ポルクシア!

 間違いない、まだ少女の姿だがあれはポルクシアとスピカだ。

 

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