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ノーライフ・ライフ  作者: 黒留ハガネ
三章 魔力の深奥
92/125

設定資料集【魔法関連】

 これは魔法に関連する事柄について【魔法粒子】【魔力構造】【魔術】【魔法】【法術】【錬金術】【魔導】【マジックアイテム】【魔法的存在】【天文・世界】の十項目に分けて纏めた資料集です。本編を読む際の辞書代わりにご利用下さい。

 この資料集には本編未出の記述が含まれている可能性がありますが、本編を読む上では知らなくても全く問題ありません。


2012.10/23

【錬金術】『変圧相転移』について追加


2013.07/16

【錬金術】タキオンについて修正


2013.8/12

【錬金術】フッ素の魔質を追加


2013.9/19

【錬金術】メタモリウムについて追加。他、微修正


2014.9/16

【錬金術】ベリリウム、ネオン、バナジウム、クロム、コバルト、パラジウム、反水素の魔質を追加。ヒヒイロカネ、トラペゾヘドロンの記述を修正


―――――――――――――【魔法粒子】―――――――――――――



 主に魔法的現象を起こす事に関係する魔法的な粒子。ダークマターとエーテルの二種類が存在する。



『ダークマター』


 質量をオドに変換し貯める性質を持った目に見えない粒子。「物質器」「概念器」「運動器」の三つの粒子で構成されている。

 特定条件下でダークマターはエーテルの助けを借りて荷電粒子的働きをする。

 「dm」と省略表記される事が多い。保有オド量が減少しているdmはdm'と表記する。粒子一つなら1dm、二つなら2dmと数える。

 オドとはdmが保有するエネルギーのこと。魔法的現象を起こす際のエネルギー源となる。

 dmはオドを「物質器」「概念器」「運動器」の三種類の粒子に分けて溜める。どの粒子でも粒子一つに貯蓄できるオド量は等しい。どの粒子に入っているオドも質は同じ。ただどの粒子に入っているかによって、オドがどのような事象を起こす事に使用できるかが限定される。役割分担は以下のようになっている。


 物質器:物質の創造でオドを消費する

 概念器:役割不明。基本的にオドを消費しない。

 運動器:運動でオドを消費する



 dmにはNNN、YNN、NYN、NNY、YYN、YNY、NYY、YYYの八種類の型が存在する。物質器、概念器、運動器の保有数によって分類されており、NNN型dmは物質器、概念器、運動器それぞれ一つずつで構成されており、YYY型dmは物質器、概念器、運動器それぞれ二つずつで構成されている。以下のようになっている。


 (物質):(概念):(運動)

 NNN型……1:1:1

 YNN型……2:1:1

 NYN型……1:2:1

 NNY型……1:1:2

 YYN型……2:2:1

 YNY型……2:1:2

 NYY型……1:2:2

 YYY型……2:2:2



 dmはあらゆる物質の質量(粒子)をオドに変換して蓄える性質を持つ。dmに蓄えられたオド量が限界値の時、dmの質量変換は働かない。発動中の法術鎖でも働かない。

 オド量が限界値でないdmは魔力帯性が低い方へ移動する性質を持つ。オド量が少なければ少ないほど素早く移動する。魔力帯性が等しい空間内では、魔力密度が高い方へ移動する。真空中ではこの性質を示さない(間に真空(エーテルが無い空間)を挟んで隔離された空間にある物質の魔力帯性は感知しない)。

 dmは質量を観測できないが、仮に質量を持っていると仮定した場合の架空質量は、そのdmが保有できる最大総オド量を質量に変換した値に等しい。

 dm(八型の平均)一個が占める空間の体積≒1.47×10^(-19)mm3以下(※マナ結晶から算出)

 dm(八型の平均)一個の最大総オド量=陽子の静止エネルギー×0.5=5.25×10^(-11)J

 1dm(八型の平均)の質量変換速度=0.0000000000005935983497342530969444546242387≒6.0×10^(-13)(J/s)

 「魔力」と表記する時はdm八型が平均的に混合された大量のdmの集合を指し、YYY型やYNY型などの特定の種類の(成分が偏った)ダークマター、もしくはそれから成る魔力を指す場合は「YNNdm」「YYY魔力」などとそれと分かる表記方法をする。

 魔力の体積と密度は当然ながら反比例する。魔力密度の単位はmpである。

 1mp=175719210029178565256(dm/㎥)

 ダークマターは保持する総オド量によって下図のように性質が変化する。



 1dmのオド量

 ←Min―――――――――――――――――――――――――――――――――Max→

 ――――――――|―――――――――――――――――|――――――――――――

 (dmは結合しない)|(dmは結合する、法術鎖は発動しない)|(法術鎖、魔法が発動する)

         ↑dm結合値             ↑dm発動値


 0~dm結合値:dm結合値~dm発動値:dm発動値~Max

 =2.617924:1.618:1

 =φ^2:φ^1:φ^0



 自然状態で物質・魔質が保有する魔力密度、及びその性質を魔力帯性と呼ぶ。

 無生物の魔力帯性は0.11mp。生物の魔力帯性は0.11mp以上。

 高等な生物ほど魔力帯性が高い傾向にある。生物の場合魔力帯性に大きな個体差があり、これは塩基配列に起因する。

 物質・魔質が魔力帯性以上の魔力を保有した時、魔力帯性と同密度になるまで過剰分の魔力を放出しようとする。物質はこの放出を指数関数的に行い(魔力が多いほど時間あたりの放出量も多く、魔力が少なければ放出量も少ない)、魔質は一瞬で過剰分の魔力を全て放出する。

 生物は死んだ瞬間無機物であると看做され、生前の魔力帯性に関係無く魔力帯性が0.11mpになる。

 魔力は同じ魔力帯性を持つ空間内で密度を平均化しようとする性質を持つ。

 魔力密度差が四倍以上あると密度が低い生物は高いモノに対し圧迫感、威圧感を感じる。

 dmは重力の影響を受けないと考えられている。物質の魔力帯性によって物質に宿っている(物質の存在する空間に存在する)。

 真空中では座標Xを基準とした慣性系によって運動する。



『エーテル』


 魔法的な情報伝達(共有鎖の情報同期、オド伝播)を行う粒子。ダークマターよりも小さい。詳細はよく分かっていない。

 通常dmが存在しない空間にはエーテルも存在しない。特定の魔質を用いるなどして能動的に強制移動させればdmが存在しない空間にエーテルを存在させる事もできる。



―――――――――――――【魔力構造】―――――――――――――


『魔力の構造』



 オド量が互いにdm結合値以上である時、dmは結合体を作る。

 dmが二つ結合したものを魔力基という。魔力基には魔法基と法術基の二系統が存在する。

 魔力基の内、dm容器の絶対数が合計3:3:3であるものを魔法基という。魔力基の中でも最も安定し、自然状態で形成されやすい。魔法基は以下の四種類が存在する。


 (dm)……(省略記号)、(名称)

 NNN-YYY……A、アンスール

 YNN-NYY……H、ハガル

 NYN-YNY……E、エオロー

 NNY-YYN……W、ウィルド



 魔力基の内、概念器の絶対数が4であるものを法術基と呼ぶ。自然状態では形成されにくい。


 (dm)……(三器保有量)……(省略記号)、(名称)

 NYN-YYN……3:4:2……F、フェオ

 NYN-NYY……2:4:3……U、ウル

 NYN-YYY……3:4:3……S、ソーン

 YYN-NYY……3:4:3……R、ラド

 YYN-YYY……4:4:3……G、ギューフ

 NYY-YYY……3:4:4……Y、ヤラ



 魔力基は科学で言うところの塩基と同様に相補的に結合する性質を持つ。

 魔法基ではA-HまたはE-Wの組み合わせでしか結合しない。

 法術基ではS-R、F-Y、U-Gの組み合わせでしか結合しない。

 dmで構成された自然状態における基礎的な結合体を魔力糸という。魔法糸単体では魔法的な意味を持たないが、魔法基や法術基と結合すると、結合した魔力基に応じた魔法的意味を持つ結合体に変化する。魔力糸の構造は下のようになっている。


YYY

|

NYN

|

YYN

|

NNY―NYY―魔力基

|

YNN

|

YNY

|

NNN




 魔力糸が複数直列に連結したものを魔力糸重合体といい、魔力糸重合体が二重螺旋構造をとって鎖状の構造になったものを魔力鎖という。

 魔力鎖は自然状態で存在する魔力の成分を指す場合と、魔法発動待機状態の魔力・法術を発動する魔力の二つを総括して指す場合がある。

 瞬間的にオドを消費して魔法現象を発動する魔力鎖を魔法鎖という。魔法鎖の魔力基は魔法基のみ。

 継続的にオドを消費して魔法現象を発動し続ける魔力鎖を法術鎖という。法術鎖の魔力基には法術基が含まれる。

 魔法鎖において現象を指定するのは魔法基の配列である。魔法鎖では連続した三つの魔法基が一つの基礎的な意味を持ち、この三つの組み合わせ、あるいは現象を指定する一連の魔法基列を魔法コードと呼ぶ。

 法術鎖において現象を指定するのは法術基の配列である。法術鎖では連続した三つの法術基が一つの基礎的な意味を持ち、この三つの組み合わせ、あるいは現象を指定する一連の法術基列を法術コードと呼ぶ。



『魔力鎖の種類と性質』


 頻出の魔力・魔法・法術コード列は「~鎖」と表記される。

 結合している一繋がりの魔力鎖はオド量を全体で平均化する。

 dmは自身が宿っている物質の情報を記録した構造の魔力鎖を作る性質がある。

 ある生物に他者の形質魔力が混ざった場合、他者の形質魔力の構造は生物の情報で上書きされる。上書きには最長で二日かかる。

 大気中の魔力を純魔力という。生物(主に人間)が持つ魔力鎖を形質魔力鎖という。生物が持つ魔力を指して形質魔力と呼ばれる事があるが、これは無数の形質魔力鎖の集合でできている。形質魔力鎖の構造は、


 魔力覚醒前:起動鎖―情報鎖―共有鎖―仲介鎖

 魔力覚醒後:起動鎖―構築鎖―共有鎖―仲介鎖

 もしくは

 覚醒前:起動鎖―生体鎖―記憶鎖―共有鎖―仲介鎖

 覚醒後:起動鎖―生体鎖(―個体魔感鎖―魔操鎖―)生体鎖―記憶鎖―共有鎖―仲介鎖



 魔力鎖の性質、役割は以下のようになっている。



 魔感鎖:

 生体鎖と結合して個体感応鎖を作る。魔力的刺激を受けると仲介鎖に影響する微弱な信号を出す。


 魔操鎖:

 生体鎖と結合して個体魔操鎖を作る。


 覚醒鎖:

 感応鎖、魔操鎖の事。


 個体魔感鎖:

 仲介鎖の信号を受け取り、「起動鎖の隣に移動する」「魔力鎖内を移動して実働鎖を構築する」反応を示す。魔力的刺激を受けると逆に仲介鎖に影響する信号を出す。


 個体魔操鎖:

 仲介鎖の信号を受け取り、「自身と連結している魔力鎖を待機状態にする」「自身と連結している魔力鎖を特定方向へ動かす」反応を示す。


 構築鎖(魔法構築材料情報鎖):

 個体魔感鎖、個体魔操鎖を持つ情報鎖。


 仲介鎖:

 この魔力鎖は個体よって構造・種類に差異はない。肉体(主に脳波)・記憶鎖の変化を受けて自身の一部の魔法コードを変化させ易く、特定の魔法コード列をとると信号を出す。この信号が示すのは『範囲指定』『操作』『開始』AHEWFUSRGY『起動活性』『存在活性』の十五種類であり、エーテル存在下で超高速で伝わる。この信号は信号を発した仲介鎖が結合している共有鎖と同一の共有鎖を持つ魔力鎖しか受容できない。魔感鎖、個体魔感鎖からの信号を受け取り、物理的刺激を発する。魔感鎖からの信号によって発する物理的刺激よりも個体魔感鎖からの信号によって発する物理的刺激の方が大きい。仲介鎖を構築する魔法糸重合体は他の魔力鎖と微妙に構造が異なる



 起動鎖:

 魔力鎖のオドを消費させる(魔法を発動させる)。


 実働鎖:

 魔法鎖・法術鎖において発動する魔法の内容を指定する構造部分


 存在鎖:

 結合した魔力鎖の密度を魔力帯性に依らず保つ。魔力鎖に組み込まれているだけで効果があるが、仲介鎖の存在活性信号を受けると効果が上昇する。保有数には個人差があり、これが多いほど体外に帯びる魔力量が多くなる(保有魔力量が多くなる)。魔力鎖中に占める存在鎖の量が多いほどその魔力鎖の固定強度(後述)は高い。魔力鎖に組み込める存在鎖には限界量が存在する。


 共有鎖:

 組み込まれている魔力鎖が魔法や法術として発動している・発動していないに関わらず、dm発動値以上のオドを保有している場合に限り構造が近似した共有鎖間で信号を発しあい、情報を同期する(連結した記憶鎖を変化させる)。構造が近いほど同期の精度と量は上昇する。100%一致でオド伝播を起こす。同期情報もオド伝播もエーテルを介しているため、無魔力空間にある(通常魔力が無い空間にはエーテルもない)共有鎖とは同期も伝播も起こさない。仲介鎖と同じ様に信号を出して共有鎖間で情報を伝達しているのだが、仲介鎖が発する信号とは比較にならないほど種類が多い。

 100%同一構造の共有鎖間では、距離に関係なくオド量が平均化するように動く。これをオド伝播という。オド伝播はdmを介して起こるため、無魔力空間に隔てられているとオド伝播は起こらない。


 信号鎖:

 仲介鎖、共有鎖、思考法術鎖を指すがあまり使われない


 情報鎖(個人情報鎖):

 生体鎖と記憶鎖の事。


 生体鎖:

 その個体の肉体情報を記録した魔力鎖。


 記憶鎖:

 脳波によって高速で変化し続ける魔力鎖。形質魔力鎖の中でも存在鎖を特に多く含み、死亡しても拡散するまで多少時間がかかる。ノーライフの記憶鎖は脳波に近い挙動を取る。


 物理鎖:

 無生物に自然状態で形成される魔力鎖。生物でいう生体鎖に相当する(無生物には記憶鎖が存在しない)。



 以上は自然状態で形成される魔力鎖である。自然状態で形成されない魔力鎖には以下のようなものがある。


 供給鎖:

 魔法鎖・法術鎖の中で、魔法現象を指定する意味は持たないが隣接する魔法コードの発動で消費されるオドに自身のオドを追加する効果を持つ部分。要するに魔力エネルギータンク。


 組み換え鎖:

 特定のコード列(A)を特定のコード列(B)に組み替える魔力鎖。

 できるのはあくまでも並びの変更であり、新しく魔法基を作ったり、どこかから持ってきたりする事はできない。何度でも繰り返し働く。

 魔力鎖の構造特定と、法術の構造特定及び改造に用いられる。


 挿入鎖:

 魔力鎖の特定のコード列(A)と特定のコード列(B)の間に特定の魔力鎖を挿入する。

 一本の挿入鎖は一ヶ所一回に自身の魔力鎖に含まれる「特定の魔力鎖」を挿入(移植)した後、崩壊する。


 接続鎖:

 魔力鎖の末端に特定の魔力鎖を付加する。挿入鎖と同じく使い切り型。


 具現鎖:

 自身が接続した形質魔力鎖と近似の構造の形質魔力鎖を、記録していた情報に基づいて物質化させる信号を発する。

 例えば鉄塊があるとする。この鉄塊が保有する魔力は鉄塊の情報を記録した形質魔力鎖が無数に集まった形質魔力である。この無数の形質魔力鎖の内の一本に具現コード鎖を付加すると、信号が発信され、鉄塊の形質魔力鎖は全て魔法として発動し、鉄塊の完全擬似物質が出現する。


 具現鎖亜種:

 効果は複製魔法に近い。ただ具現化するのではなく、具現に必要な物質を材料にして擬似物質ではない確固とした物質として具現化する。

 本来は治療のために開発された魔力鎖だが、肉体改造にも使える。

 魔力は物質の性質を記録する性質を持っているのだが、即座に物質の全ての情報を記録するとは限らない。人間に無形質の魔力を押し込んでも、無形質の魔力がその人間の性質を記録して形質魔力になるまでに一日程度かかるように、通常物質の情報が魔力鎖に反映されるまでに時間がかかる。

 例外的に人間の思考・記憶はリアルタイムで反映する。人間の思考と記憶、正確に言えば恐らく脳細胞の電位変化だと思われているが、これは魔力鎖に影響を与え易い。魔法の発動も思考によって行われる。

 人間の肉体情報はセオリー通り実際の肉体の変化と魔力鎖の変化にはタイムラグがあるため、例えば腕が消し飛んだとしても、消し飛んでから数十分の内は「腕が消し飛んでいる」という肉体情報が形質魔力鎖に反映されず、形質魔力鎖は「腕が消し飛んでいない」状態の情報を記録している。

 従って、肉体的損傷を受けても、数十分以内に損傷部を補填する物質を用意し、自分の肉体の足しにして、自分の形質魔力に具現鎖亜種を使えば一瞬にして完璧に元通りになる。肉体の情報と違い思考と記憶の情報はリアルタイムで更新されているため、記憶が抜け落ちたり混濁したり、という事も起きない。


 複製鎖:

 接続鎖で魔力鎖の末端に接続する事で、接続した魔力鎖と全く同一の魔力鎖を作る(複製回数を指定し、特定回数複製後複製鎖を自己崩壊させる事ができる)。


 分解鎖:

 接続鎖で魔力鎖の末端に接続する事で、接続した魔力鎖を端から順に分解していく。




『仲介鎖信号』



 仲介鎖が発する信号は下記のように十五種類に分類される。


 『範囲指定』……発信地点を基準とした特定の位置座標にある個体魔操鎖に作用し、その個体魔操鎖と連結している魔力鎖を待機状態にする信号の総称。

 『操作』……『範囲指定』の信号によって待機状態になった魔力鎖の中の個体魔操鎖に作用し、個体魔力鎖と連結している魔力鎖を特定方向へ動かす信号の総称。

 『開始』……『範囲指定』の信号によって待機状態になった魔力鎖の中の個体魔感鎖に作用し、個体魔感鎖を魔力鎖の起動鎖側の端に移動させる

 AHEWFUSRGY(魔力基指定)……個体魔感鎖に作用し、魔法基・法術基を作らせる

 『起動活性』……起動鎖を活性化させる

 『存在活性』……存在鎖を活性化させる。



 秒あたりの信号発信数を秒間信号発信頻度という。

 仲介鎖の信号を何度も発していると秒間信号発信頻度が上がっていく。

 秒間信号発信頻度が増えればそれだけ短時間に多くの情報が送信できるという事であり、精密な魔力操作が可能になったり、存在鎖の固定強度が上昇したりする。

 秒間信号発信頻度が上がった仲介鎖の構造は肉体に反映され、以後、より高い秒間信号発信頻度を発揮する仲介鎖が作られるようになる(魔力鎖のフィードバック)。

 存在鎖とそれに連結した魔力鎖の固定強度は存在活性信号で上昇するが、上昇した固定強度は一瞬で元に戻る。従って継続して固定強度を上げたければ信号を連続して発し続けなければならない。信号の発信頻度が上昇すると固定強度が上がっていく。存在鎖が最大値まで活性するとそれ以上発信頻度を上げても固定強度は上がらなくなる。

 どの程度まで魔力密度差、魔力帯性に抗って魔力密度を保つ事ができるかの指標を固定強度という。


 ex.

 通常の固定強度が50とする。

 固定強度は一秒あたり30下がる(49以下にはならない)とする。

 存在活性信号一回につき固定強度は1上がるとする。

 秒間の信号発信頻度が30以下の場合、固定強度は50のまま。

 信号頻度31なら固定強度51になり、32なら52になり、80なら100になる。



 信号は波のようにdm間を伝わっていく。

 操作信号は、発信地点から遠ざかるほど弱くなっていく。

 同じ信号が連続して発信された時、信号の波が重なり合った部分の信号の強さが上がる

 操作信号以外の信号は距離による減衰がほとんど無い。

 魔力操作は操作信号の発信頻度によって熟練度が変化する。


 魔力放出は操作信号によって魔力鎖を体外で移動させる事で起きている。魔力量が多い(=存在鎖の量が多い)ほど遠くまで伸ばせる。


 ex.

 存在鎖量8・操作熟練度1=操作可能距離1

 存在鎖量8・操作熟練度6=操作可能距離6

 存在鎖量8・操作熟練度9=操作可能距離8

 存在鎖量8+存在活性信号補正1・操作熟練度9=操作可能距離9



『魔力鎖のフィードバック』


 本来物質の性質を記録するものである魔力が、少しだけフィードバックを起こして物質に影響を与え(記録していた情報を逆に与え)る事がある。どの程度の期間・量・頻度でどの程度のフィードバックが起こるかは魔力の構造によって大きな差がある。



―――――――――――――【魔術】―――――――――――――



 魔力を操作する技術。仲介鎖信号と密接に関わっている。



 魔力固定:

 存在活性信号を発する。


 魔力体内操作:

 操作信号によって魔力鎖を体内移動させる。これをしていると存在活性信号頻度が少しずつ上昇する。体外操作しても存在活性信号頻度は上がらない。魔力体内操作では操作信号頻度は非常に上がりにくい。


 魔力圧縮(自己):

 存在活性の信号頻度を上げ、操作信号で魔力鎖と魔力鎖の間隔を狭める。魔力密度が上がるため、大抵の場合魔力帯性との魔力密度差が広がり、より強い力で拡散しようとするようになる。従って密度が高いほど高い固定強度が要求される


 魔力圧縮(大気):

 操作信号によって形質魔力鎖を操り、大気魔力鎖を押し固めて密度を上げる。この際、形質魔力には一定以上の密度が無ければ隙間から大気魔力が逃げていき押し固める事ができない。形質魔力を上回る密度にはできない(要描写確認)


 魔力希釈:

 存在活性の信号頻度を下げ、操作信号で魔力鎖と魔力鎖の間隔を広げる


 不完全固定:

 魔力を形質魔力で包み込んだ時、数時間観測していると魔力が漏れている事が分かる程度の固定強度の魔力固定


 完全固定:

 魔力を形質魔力で包み込んだ時、数時間観測していても魔力が漏れている事が分からない程度の固定強度の魔力固定


 魔力結界:

 自身を中心に強く魔力固定した魔力の膜を球形に展開する。固定力次第で魔力の侵入を完全に防ぐ事ができるが、魔法を撃たれると固定力に関係無く膜は破れる。自身と魔力の膜の間を無魔力空間にして(感知できない程度に非常に薄い状態になった魔力空間にして)魔力結界を展開すると、外部に感知される魔力密度は「(自身の密度+膜の密度)÷4」となる。結界を二重にすると、外部に感知される密度は「(一重で感知される密度+一番外側の膜の密度)÷4」となる。以下このようにして三重、四重になるにつれて外部に漏れる魔力の圧力(信号の強さ)は下がっていく。一重ならば一般的な人間でも可能だが、二重以上になると高い魔力操作能力と才能(情報処理能力)が必要になる。



 存在活性信号頻度が低い状態で魔力を伸ばすと固定強度が下がり拡散する

 操作信号頻度が低い状態で魔力を伸ばすと途中で有効な操作信号が届かなくなる



 有体ノーライフの創造も魔術に分類される。


 一次ノーライフ:

 ゾンビ……不完全固定

 ヴァンパイア……完全固定


 二次ノーライフ:

 スケルトン……不完全→不完全

 デュラハン……不完全→完全

 グール……完全→不完全

 リビングデッド……完全→完全



―――――――――――――【魔法】―――――――――――――


 自身の形質魔力を用いて魔法鎖を作成し、魔法的現象を起こす技術。魔法の発動には最低でも2.0mpの形質魔力密度が求められる。

 魔力密度が高いほど形質魔力によって発動した魔法ほど威力を高く・持続時間を長く指定する事ができる。

 汎用性が高く、素早く使用できる。

 魔法は魔力が存在する場所でしか発動させられない。

 魔法は魔力に一方的に干渉可能。例えば魔力結界が張られている場所に魔法を撃ち込めば、魔力結界は破られる。


『魔法の共通原理』


 魔法の発動メカニズムは以下のようになっている。



 ①「使用したい」という意思をもって使用する魔力を意識する

 ②脳細胞の電位変化を受けて仲介鎖が変化し、範囲指定信号が発せられ、使用する形質魔力鎖が待機状態になる。

 ③「こんな魔法を使う」とイメージする

 ④脳細胞の電位変化を受けて仲介鎖が変化し、開始信号が発せられ、範囲指定信号によって待機状態になった形質魔力鎖の中の個体魔感鎖に作用し、個体魔感鎖を魔力鎖の起動鎖の真横に移動させる

 ⑤個体魔感鎖が魔力基指定信号を受けて③のイメージを再現する魔法コードを構築しながら仲介鎖側へ移動していく

 ⑥魔法コードの構築が共有鎖まで進み、共有鎖の構造が破壊されると信号を受け取れなくなり、構築が終了する。ここまでで個体魔感鎖が構築した魔力鎖を実働鎖と呼ぶ

 ⑦仲介鎖からの信号が途絶えると個体魔感鎖が実働鎖から剥がれ落ちる

 ⑧個体魔感鎖が剥がれ落ちると実働鎖と連結している仲介鎖が起動活性信号を出す

 ⑨起動鎖が起動活性信号を受け取り、起動鎖から仲介鎖の方向へ実働鎖を発動させていく

 ⑩魔法が発現する


 魔力鎖に注目すると以下のように変化している


 起動鎖―生体鎖(―個体魔感鎖―)生体鎖―共有鎖―仲介鎖

 起動鎖―個体魔感鎖―生体鎖―共有鎖―仲介鎖

 起動鎖―実働鎖―個体魔感鎖―共有鎖―仲介鎖

 起動鎖―実働鎖―個体魔感鎖―仲介鎖

 起動鎖―実働鎖―仲介鎖



 魔法が発動するとオドとdmが分離する。dmはdmの移動性に従い即座に大気魔力の方へ移動する。

 dmに保持されていないオドはどんどん劣化(?)してエネルギーを喪失していくため、発動待機状態の魔法は威力が減衰していく。この時喪失したエネルギーは仮想空間に移動している。

 魔法が発動するとオドはdmで型をとられたような形で存在し、魔法の効果を発揮する

 条件を認識して発動する魔法は実働鎖に改めて共有鎖の構造が構築し直されていて、その共有鎖と魔法の行使者の共有鎖の情報同期によって条件を満たしているか否かが判定される

 通常の魔法はイメージが不正確であるため、効果を発揮しない無駄な魔法コードが八分の七を占めて、効率は約八分の一になる。同じ魔法でもイメージの微妙な違いによって魔法コードが若干変化するため、何度も同一の魔法を使用していると、より無駄なコードを減らせるイメージが無意識下で選択され身についていき、ほんの少しずつ無駄なコードが減っていき、結果的に効率が上昇する。

 ゴーストの場合はそもそも絶え間ない魔力鎖の変動によって生前のような思考を再現しているので、脳波ではなく、脳波に近い挙動を取る記憶鎖から仲介鎖へ影響して魔法を発動している。



『魔法の制約』


 魔法にはエネルギーの制約と認識の制約がある。


 魔法の効果はオドの消費によって起こされるため、魔法の発動時に消費されたオドのエネルギー以上のエネルギーを魔法から生み出す・取り出す事はできない。つまり、100J分のオドを消費して101Jのエネルギーを取り出す事は不可能である。

 魔法の現象を指定する魔法鎖の構築は魔法の行使者のイメージを反映して行われる。従って魔法の行使者の認識外の現象・効果は発揮されない。例えば無くなった腕を魔法で創造した場合、外観は凡そ元通りになるが、内部の骨や血や筋肉まで正確にイメージする事はできないため、内部の構造は極めてあやふやでぐちゃぐちゃなものになる。



『魔法の種類とその原理』


 本編中に出てきた一部の魔法について紹介する。


・複製魔法


 複製元の物と、複製元の物質を構築するのに必要な材料の元素を種類・量ともに充分用意する。複製元と材料を形質魔力で包み、複製する、というイメージで魔法を使う事で、材料から複製元と全く同じ物を作る事ができる。生物の場合はその魔力帯性に応じて複製魔法発動に要求される魔力密度が高くなる。

 物質を材料に魔質は複製できない



・擬似物質魔法


 魔法によって出現した、時間経過で消失する物質を擬似物質という。擬似物質の存在時間(秒)はdm数、重量、擬似物質定数を使った顕現式で求められる。

 擬似物質定数I(imitate)≒3.0×10^12

 顕現式:dm/(g・I)=s

 見本を参照して材料を使わず魔力のみで創造した、見本と完全に同一の性質と質量を持つ擬似物質を完全擬似物質と呼ぶ。

 擬似物質は消失する際に自身が持つエネルギーも同時に消失させる

 完全擬似物質を消失までの間に燃焼させても、完全擬似物質と結合した元素は消失しない

 魔法による擬似物質の創造には基本的に物質器のオドを消費する。

 顕現している擬似物質からエネルギーを取り出す事はできるが、取り出したエネルギー分存在時間は短くなる。つまり、

 完全擬似物質の存在時間=顕現式によって算出される存在時間-取り出したエネルギーから計算した時間

 となる。

 概念器や運動器のオドを利用した魔法的性質を持たせた擬似物質の場合、概念器か運動器どちらかのエネルギーが尽きた時に擬似物質は消失する。

 見本を参照してXdmで完全擬似物質Aを創造し、更に同じ見本を参照して完全擬似物質Aを材料に同じくXdmで見本を複製する。こうしてできた完全擬似物質Bは存在時間が完全擬似物質Aの丁度ピッタリ二倍になる

 擬似物質Aの完全擬似物質Bを創ると、BはAと同じ性質を持つ。存在時間はA、Bそれぞれの創造に消費された魔力量から別個に算出される



・転送魔法


 転送魔法では以下の二つの情報が送信される。


 物質の情報……転送元と転送先の共有鎖が異なっていると不完全に送信される

 設計図……転送元と転送先の共有鎖が多少異なっていても完全に送信される


 物質の情報は炭素原子が1286506479個、水素原子が3157527個~、というような材料の情報。

 設計図は2865個の炭素と2845の水素と735個の窒素をこんな風に組み合わせて右手の小指を作ります、という情報。


 転送が成功する時は、

 ①情報の転送

 ②物質の情報と設計図の情報から転送先に「転送するモノを魔法コードで表現した魔力鎖」が出来上がる

 ③魔法が発動し、転送元と転送先の位置情報が入れ替わる

 ④転送完了


 転送が失敗する時は、

 ①情報の転送

 ②物質の情報と設計図の情報から転送先に「転送するモノを魔法コードで表現した魔力鎖」を構築しようとするが、物質の情報と設計図が一致しないため、「転送するモノを魔法コードで表現した魔力鎖」が構築されない(エラーが出て構築が全てキャンセルされる)=設計図の組み立てに必要な材料(の情報)が不足していて組み立てられない

 ③魔法が発動しても受け入れ先(転送先)が無いため転送されず不発に終わる


 なお、物質が転送される際に物質に組み込まれた法術鎖(あるいはdm遮断魔質)も同時に「巻き込まれて」転送されるため(法術鎖の情報が直接送受信されているわけではない)、有体アンデッドの転送も可能である。

 風、水、火の精霊は微妙に共有鎖が異なっているが、ほとんど誤差の範囲であるため(?)問題無く転送可能。少なくとも観測できる範囲では(物質が一部転送されずに残るなどの)問題は生じない


・治療魔法


 基本的に自然治癒の促進を行う。


・多重持続魔法


 既に発動している魔法に対して効果を持続させる魔法を使い、効果時間を累積させる。



―――――――――――――【法術】―――――――――――――


 法術鎖は物質と同化するようにして存在する事がある。物質と同化した状態にある法術鎖は魔力操作・密度差などの影響を受けない事がある。例外が多く分類が難しい。

 基本的に継続的に多くエネルギーを消費している法術鎖ほど物質と同化する傾向にある


 出力が上下するもの(同調鎖、存在鎖)

 常に一定の出力を出し続けるもの(維持法術鎖)

 大雑把にこの二つに分類される。


 法術鎖のdmは物質の質量をオドに変換する機能を失っている法術鎖は自身のオドを消費して効果を発揮するが、自力で質量をオドに変換する事ができないため、同じ共有鎖≒形質魔力からオド伝播によってオドを受け取っている。


 法術鎖は魔術によって作成する自然任せな作成法と、魔導を用いて作成する方法がある。



『自然状態で作成される法術鎖』



・体重軽減法術


 ドキド・キノコの摂取によって仮死状態になる事で作成される。体重が約19/47になる。肉体の体積に対する量(ダークマター量)は不老法術の約十七倍。



・不老法術(維持法術)


 多くの有体ノーライフ族の腐敗を止め、体の維持の役割を負っている事から、維持法術とも呼ばれる。肉体の変化を停止させる法術であり、肉体的に不変になる。

ゾンビの肉体に存在する法術鎖を、そのほとんどが肉体の維持に使われている事から維持法術鎖と呼ぶ

 不老法術による肉体の状態固定で消費されるエネルギーは生前の生命活動で必要としたエネルギーと等しい。以下は成人男性を基準としたデータ。

 一秒100Jのエネルギー消費を、維持法術鎖を構築しているdmのMaxからdm発動値までのオド消費のみで賄おうとした場合、およそ10000000000000dmあれば一秒間は維持法術鎖を発動していられる。計算式は、

 100J÷(1dmのMaxからdm発動値までのJ)=9973188571428dm≒10^13dm

 従って、維持法術鎖を構築するdm量=10^13dm

 また、この維持法術鎖をオド伝播によって余裕を持って維持するためのdm量(形質魔力量)は、10^15dm程度。


 維持法術鎖は欠落した部分(欠落した魔力鎖)を埋めようとする性質がある。この性質を指して再生法術、あるいは再生法術と呼ぶ事がある。

 欠落した魔力鎖を埋めるのは欠落した魔力鎖と同じ魔力鎖でなければこの性質は働かない。つまりバラバラのdmや構造の違う魔力鎖を組み替えて欠落部分を埋める事は無い。

 例えばゾンビの場合、肉体の欠損は即ち維持法術鎖の欠損である。上記の性質に従って法術鎖は欠損を埋めようとし、欠損した部分にはまる法術鎖を引き寄せる。この時引き寄せられる法術鎖は維持法術鎖であり、物質に依存しているため、法術鎖が引き寄せられると同時に肉体も引き寄せられる事になり、結果的に肉体が再生する。

 欠落した部分を埋めようとする際に働く法術鎖を引き寄せる力(法術引力)は距離に反比例するため、例えば切断した指を遠くへ放り投げたりすると法術引力は働かない。大雑把に切断面に指をくっつければ法術引力が働いて誤差を修正し、元通りになる。

 スケルトンなどではオドを追加で消費し法術引力を強化している。



 なお、欠損を埋める、とあるが、厳密に言えば欠損部の断片(断面)に適応する法術鎖を引き寄せているだけである。

 ABCDEFG(完全な維持法術鎖)

 これが抉られ

 A(  )G

 となった時、引き寄せられるのはAと繋がっていたB、Gと繋がっていたFのみである。

 だが、BCDEFは一つ繋がりの法術鎖であるので、BとFを引き寄せるとBとFに繋がっていたCDEも一緒に引き寄せられる。


 ABCDEFG(完全な維持法術鎖)

 ABCEFG(Dが欠損する)

 再生:ABCEFG+D→ABCDEFG(Dが単独であればそれを優先して使い欠損部を埋める)

 腐敗防止:ABCEFG+AAAADAA→ABCDEFG+AAAAAA(Dが単独で無かった時、Dを含む魔力鎖があればそれを剥がして使って埋める)



・思考法術


 不老法術に含まれる。

 思考法術鎖は法術コードを変化させる事で思考を再現している。

 思考法術鎖は絶えず変化し続けているため不安定で、首より下の比較的安定した維持法術鎖と(物理的に)繋がる事で辛うじて拡散せずに済んでいる。思考法術鎖は自身と同一量以上の法術鎖と繋がっていなければ崩壊する。

 思考法術鎖から発せられた信号は脳波と似た性質を示し、この信号が発せられている限り肉体は生前と同じ生体魔力帯性を保つ。従って首を斬られるなどして思考法術鎖が首から下の比較的安定した法術鎖と切り離されると、思考法術鎖が崩壊・拡散し、信号が途絶える。するとまず物質魔力帯性に切り替わり、形質魔力が拡散する。この時点で維持法術鎖は分解しないが、形質魔力からのオド伝播が途絶えた維持魔力鎖のdmは一瞬でdm発動値を下回る。この瞬間から法術鎖は効果を発揮しなくなる(A)。

 形質魔力が枯渇した状態で完全な無魔力空間にゾンビを置いておいても上記と同様に維持魔力鎖のdmは一瞬でdm発動値を下回り、法術鎖は効果を発揮しなくなる(B)。

 A、Bようなdm発動値を下回った状態が続いていても、しばらくは法術鎖の構造は維持される。ただし法術の効果が切れているため肉体は腐敗していく。法術鎖は物質に依存して存在しているので、腐敗が進むと物理的な体組織の崩壊に伴い法術鎖の構築も崩壊し復活不可能になる。

 Aの場合は思考法術鎖が失われているので首が落ちた時点で死亡確定だが、Bの場合ならば思考法術鎖が維持されているため再起動可能。

 思考法術鎖はdm発動値以下になると思考活動を停止するが、脳波と似た性質を示す信号はdm結合値以上であれば出し続ける。

 形質魔力を使い切った場合は思考法術鎖と維持法術鎖は連結したままなので両方拡散せず、生体魔力帯性は保たれ、やがて形質魔力が充填されて起き上がる。



・再生法術


 不老法術参照



・強化法術


 デュラハンなどの維持法術鎖に含まれる法術鎖。身体能力が凡そ二倍になる



・同調法術


 精霊類が持つ法術。

 精霊は自らが記録した物質と同調を起こし、自身の移動に伴い該当する物質を移動させる。ものによっては記録した現象を再現する。このとき同調の原因となっている法術鎖を同調鎖と呼ぶ。同調鎖は自身が組み込まれている形質魔力の魔力密度によって効果が増減する。形質魔力に含まれる同調鎖の割合を増やしても減らしても、魔力密度に変化が無ければ同調率もほとんど変化しない。魔力密度が高くなると同調鎖に接するdm量が増える=同調の出力上昇。

 同調鎖は構築鎖が変化した法術鎖であり、記録されている物質にのみ軽度の物理依存を示す。

 同調鎖は自身に接している形質魔力鎖から時間毎に一定の割合でペースでオドを受け取り、消費する法術鎖。つまり、1dmにつきα(J/s)のペースでエネルギーを受け取っていると仮定した場合、同調鎖に1dmしか接していない場合は出力はα(J/s)となり、5dm接していれば出力は5α(J/s)になる。

 密度が高いほど移動のために消費できるエネルギー量が増えるため、精霊の移動速度は密度が高まるほど上昇する。

 気体と個体・液体では魔力密度に対する有効同調鎖消費エネルギーが違う=同調鎖の数は同じだが同調の際に消費されるエネルギー量(同調率)に違いがある




『魔導を用いて作成される法術鎖』※Pはパッシブ、Aはアクティブ



 A破壊の右手……右手でデコピンすると衝撃波が出る。威力は人が踏ん張っていてもよろめくぐらい

 A閃光の紋章……念じると額に蛍光灯ぐらいに光る紋章が浮き上がる。ゴーグルしないと自分も眩しい

 A凍て付く息……暑い日もひんやりする程度に涼しい息がでる

 A印度の炎……口から火を吐ける

 A神眼……こめかみを強く押すとサーモグラフィーの視界を得る

 A天駆ける脚……一歩だけ宙を踏める(インターバルは十秒)

 A水の祝福……水中で酸素の代わりに魔力を消費して活動できる

 A雷雲の落とし子……体に電気を溜め込み、人差し指から放出できる。充電限界量は静電気のパチッてなるやつ四回分

 A聖なる風……足の指先から前方斜め30℃の角度で思わずスカートを押さえてしまう程度の突風が出る

 A熱き血潮……ヘソをそれなりの高温にできる。茶を沸かせる

 A百獣を統べる者……東の森に生息する最もポピュラーな種のネズミを一匹だけ操ることが出来る。操作するためには一度接触する必要がある

 P悪魔の顎……歯がチタン合金並に硬い。顎もけっこう頑丈

 P神秘の鎧……体表を覆う不可視の膜。常に体表の温度を27℃に保ってくれる。冷暖房要らず

 P不滅の肉体……程度にもよるが怪我をしても一時間ぐらいあれば大体修復再生する。致命傷を受ければ普通にそのまま死ぬ

 P狂戦士……身体能力が強化されている。見た目は枯れ木でも力は筋肉達磨。別に理性を失ったりはしない

 P鷹の目……視力が8.0で固定されている

 P覇者の風格……魔力密度が非常に高い。なんかすっごいオーラが出てる感じがする

 P神速……反射神経と動体視力が平均的な人間の1.2倍



―――――――――――――【錬金術】―――――――――――――


 物質の単体は一定以上の密度を持った魔力と接触した時、dmと原子を結合させ魔法物質(魔質)となる。

 なお、化合物が保有できる最高魔力密度は38638656mpである



 物質が帯びる事ができる最高魔力密度を魔化密度という。この密度に達すると物質は魔力と同化し魔質へ変質する。

 魔質が保有できる最高魔力密度を限界魔力密度という。魔化密度と等しい

 真空の限界魔力密度をパリスチールで圧縮する事で更に上げた密度を結晶魔力密度という。6216^2=38638656mp。

 物質が魔法物質に変質する事を魔化という。

 炭素の魔化密度を12mpとしたときの魔力密度を相対魔力密度、もしくは単に魔力密度という。

 同素体・同位体を魔化しても同じ魔質になる

 同素体・同位体の場合でも必要な魔化密度は等しい

 魔化時に物質の質量は単原子の陽子の質量を残して消失する(O2→Oの陽子の質量になる)

 消失した質量は魔質に記録されており、アムリタ還元時に戻る

 魔化時に三態変化が無かった場合、体積も変化しない

 単体の魔化密度は「原子番号×2」で求められる

 魔化密度は「魔化が起こるのに必要なdm密度」であって「魔化に消費されるdm密度」ではない。

 魔化時に物質に同化するdm量はmol数と原子番号から求められる

 「(物質のmol数)×6.0×10^23×(原子番号)=魔化で同化するdm量」

 常温で気体の物質の多くは液体か固体の魔質になる

 魔質は物質と反応(化学反応)しない→魔質は全て酸化しない、酸無効、無味無臭

 完全擬似物質を魔化させる事はできない

 超高濃度エーテル存在下においてdm変換系魔質の変換速度上限が無限大になる。この性質を超変換という。

 アムリタによって魔化を解除され物質に戻る際、消失分の質量が正確に戻る。

 パリスチールを用いて物質を魔化させる手法をパリスチール圧縮法という。パリスチール圧縮法は三通りの方法がある。




 以下に魔質の種類とその性質を示す。()内は魔化密度。




・水素→チオチモリン(2.0mp)


 自身に魔質を溶解させ、溶質となった魔質の性質を持つ。溶質とした魔質によって多様に変色する。チオチモリン単独では透明に近い液体で、非常に軽い。その密度は35.4kg/立方メートル(20ケルビンの時)で、水の約1/28。屈折率が真空に近く反射率が低い。沸点は98℃。融点はマイナス38℃より低い。

 チオチモリンに複数の魔質が溶けた場合、最も発現度(後述)が高い魔質の性質のみが現れ、その他の魔質は沈殿する。相当量の質量差が無ければこの溶解順位は守られる。



・ヘリウム→ラピュタイト(4.0mp)


 透明感のある群青色の物質。ヘリウムから魔化した時点では粉末状。融解させて固めれば塊になる。宝石のよう。

 魔力を消費し、重力に反発して浮遊する。

 魔力の消費速度(=浮遊の出力)は魔力密度に比例(ただし0.0~1.0mpと1.0~4.0mpで係数が異なる)するため、高い魔力密度を帯びているほど強く重力に反発する。1g、1mpで10000000dm/s。反発重力に変換されるのはダークマターの架空質量分のエネルギーのみであり、オドは仮想空間に送られる。

 大気魔力密度では発生する浮力が低いため、僅かに軽くなるだけで浮遊しない。     

 4.0mp=100000000000000dm/s=170953g=171kgを浮遊させる事ができる

 3.0mp=66666670000000dm/s =113969g=114kg

 2.0mp=33333340000000dm/s = 56984g=57kg

 1.0000175mp=584953993dm/s=ラピュタイトの自重0g

 1.0mp=10000000dm/s

 0mp=自重軽減無し



・リチウム→スライミウム(6.0mp)


 保有する魔力密度に応じて膨張・収縮する。変形しやすい。魔力密度が高いほど膨張していく。



・ベリリウム→ニトクリス(8.0mp)


 緑がかった銀色の魔質。磨くと鏡として使える。

 物理由来の光や映像は映すが、魔法由来の光や映像は映さない。

 名称の由来はクトゥルフ神話の「ニトクリスの鏡」。



・ホウ素→ユミリウム(10.0mp)


 紫がかった銀色の魔質。磨くと鏡として使える。

 魔法由来の光や映像は映すが、物理由来の光や映像は映さない。

 ユーミールの死後に発見された魔質で、命名者はルフェイン。



・炭素→グブレイシアン(12.0mp)


 黒い光沢のある石のような物質。硬度はダイヤモンドより低い。常に炎のような赤い揺らめきを発生している。その効果はdmの質量転換。赤い揺らめきの範囲内にあるダークマターを、同座標に存在する物質に変化させる。質量転換するのは物質(反物質は除く)のみで、魔質の質量転換は不可能。効果範囲内にダークマターが存在しない場合赤い揺らめきは発生しない(発光しない)。dmの架空質量が質量転換される際にオドの一部が光エネルギーとして放出されている。光エネルギーにならなかった残りのオドは仮想空間に送られる。

 融点は300℃以上。

 グブレイシアンの質量転換速度は1gあたり10000000dm/s



・窒素→タキオン(14.0mp)


 光沢の無い白い物質。窒素から魔化した時点では粉末状。融解させて固めれば塊になる。融点は300~400℃。密度は塩と同程度。強度はそれなり。銅ぐらい? 叩いても砕けず変形する。運動ベクトルを与えると魔力を消費し、加速する。ベクトル算出のための基準座標や、加速の認識メカニズムは分かっていない。

 1gあたり10000000dm/s消費して(グブレイシアンの消費ペースと同じ)加速を行う。この時運動器のエネルギーのみ消費するため、dmの保有エネルギーの内1/3を消費する。1kgあたり0.175J/s、2kgあたり0.35J/sのペースでエネルギーを加速に使う。真空・無重力・直線・2kgの場合、停止状態から1秒で約2.16km/hまで加速する。

 厳密にはダークマターは消費しておらず、オドを消費している。



・酸素→メタトロン(16.0mp)


 光沢のある緑色の液体。緑色の水銀のよう。温度に応じて保有可能なdm八型を変化させる。融点は-218.4℃(酸素の融点と等しい)、沸点は1000℃を超える。密度は水よりも若干重い程度。

 研究や工業目的での通常の手法では、A液は常温、B液は湯煎、C液は鉄製の容器の中で加熱する事により得る。

 A液、-218.4℃~72℃……Y??(物質器が2)のみを保有する

 B液、72℃~252℃……?Y?(概念器が2)のみを保有する

 C液、252℃~……??Y(運動器が2)のみを保有する



・フッ素→シグナトルム(18.0mp)


 常温で紺青色の気体。正確にはフッ素の色と補色関係にある色をしている。

 ほとんど全ての魔質と結合し、その魔法的(非物理的)特性を無効化する。魔質との反応性は極めて高い。

 融点-223℃、沸点-188℃。これはフッ素から変化していない。

 ちなみに魔質名の出展はラテン語のsignatorum(封印)。



・ネオン→エイジャ(20.0mp)


 透明度の高い真紅の結晶構造魔質。魔法増幅効果がある。エイジャにオドの消費によって起きている魔法的現象(主に魔法、魔導)を当てると、エイジャ内に存在するdmが素早く当てられたオドの消費によって起きている魔法的現象と同一のものに変換され、もろともに反対側から出る。

 例を挙げるならば、弱い炎魔導をエイジャの片面に撃つと、反対面から物凄い炎魔導が飛び出る。少量の水の疑似物質をエイジャに通すと大量の水の疑似物質が噴き出す、など。

 エイジャを通過する魔法的現象は、エイジャ内の通過箇所に存在するdmを全て増幅に用いるため、エイジャ内の魔力密度が高いほど強力な増幅効果が見込める。



・ナトリウム→フェンリウム(22.0mp)


 色は青みがかった白で、硬度が高く、磨くと艶々になる。宝石のよう。

 熱エネルギーを吸収してダークマターに変換する。

 1gにつき一秒で5250Jのエネルギーを吸収し、10000000^2dmを生産する。つまり1gあたり10000000^2dm/s。

 この時生産されるdmのオドは空である。比熱容量は5000J/(kg·K)。単純計算で一秒毎に1.05℃下がっていく。

 限界魔力帯性になっているとdmを生産しても行き場がない状態になるため、dmを生産しない=熱を吸収しない。



・マグネシウム→ミシディア(24.0mp)


 色は光沢のある銀灰色で金属のよう。エーテルは通すがdmは通さない



・アルミニウム→パリスチール(26.0mp)


 ガラスに似た透明な物質。パッと見ガラスと区別がほとんどつかない。ただしガラスよりは頑丈。

 dmとエーテルを全く通さない。魔法は普通に効く。



・ケイ素→ブルーメタル(28.0mp)


 群青色、金属のよう。dmは通すがエーテルは通さない。



・リン→ムスペリウム(30.0mp)


 dmを吸収して熱エネルギーに変換する。

 1gにつき一秒で10000000^2dmの架空質量を熱エネルギー(5250J)に変換する。つまり1gあたり10000000^2dm/s。比熱容量は5000J/(kg·K)。単純計算で一秒毎に1.05℃上がっていく。

 色は紅蓮。硬く、脆い



・硫黄→メファイト(32.0mp)


 若草色のクリスタルのような魔質。微弱な電気信号を発し、勝手にランダムに魔法を構築し、使う。



・塩素→ハオマ(34.0mp)


 金色の液体。特定の魔質と結合し、主に影響範囲を拡大させる。

 ミスリル:より広範囲の魔力結合を切り離すようになる

 賢者の石:より広範囲の魔力を集積できるようになる。集積する力は距離によって減衰するため、広範囲の魔力を集積できるという事は中心部の集積する力が強くなっているという事であり、結果的に集積ペースは上がる。



・アルゴン→アムリタ(36.0mp)


 見た目は完全に水。自然魔力帯性が計測できない。性質としては賢者の石に近い。接触した魔質から魔力を分離吸収し、物質に戻す。吸収した魔力は通常の魔質の性質に従って即座に放出する。擬似物質の残り存在時間をゼロにする。



・カリウム→エンハンサイト(38.0mp)


 黒い液体。特定の魔質と結合し、オドを全て変換させる。

 ラピュタイト:オドも全て反発重力に変換する。

 グブレイシアン:オドを全て光エネルギーに変換する。

 タキオン:オドを全て加速力に変換する。

 フェンリウム:結合はするが変化はない。

 ムスペリウム:オドも全て熱エネルギーに変換する。



・カルシウム→メタモリウム(40.0mp)


 最初に触れた魔質を記録し、同じ性質を持つ。水銀に似た魔質。既に魔質の性質を記録したメタモリウム(A)に未記録のメタモリウム(B)を接触させた場合、BはAと同様の性質となる。


 複数種類の記録済メタモリウムを混ぜると複数種類の性質が同時に現れる(複数種類の魔質が混ざった状態を示す)。

 例1

 ムスペリウムを記録したメタモリウムとフェンリウムを記録したメタモリウムを等量混ぜた場合、発熱量と吸熱量が釣り合って温度変化が起きない。フェンリウムの方が量が多ければ温度は下がる。

 例2

 ルフェイニウムを記録したメタモリウムとアパリティオネを記録したメタモリウムを混ぜた場合、その混合メタモリウムを物質容器に入れると、容器の中にはアパリティオネを記録したメタモリウムだけが残り、ルフェイニウムを記録したメタモリウムは混合メタモリウムの中から分離して物理容器を透過する。魔質容器に入れると、容器の中にはルフェイニウムを記録したメタモリウムだけが残り、アパリティオネを記録したメタモリウムは混合メタモリウムの中から分離して魔質容器を透過する。


 複数種類の記録済メタモリウムを均等に混ぜた混合液に未記録のメタモリウムを加えると、未記録のメタモリウムは、記録済メタモリウムの中で最も発現度が大きな魔質の性質と同様の性質になる。



・チタン→ゴースタイト(44.0mp)


 魔法現象・擬似物質を透過する。禍々しい暗赤色で、硬度が高い



・バナジウム→ルフェイニウム(46.0mp)


 物質を透過する。従って物質と同じ場所に「重なって」存在する事ができる。魔法的現象(完全疑似物質を含む)、あるいは魔質にのみ触れる事ができる。

 透過対策をとっておかないと、重力に引かれて地中を突き抜けどこまでも(恐らく星の中心まで)落下していく。この事から重力の影響は受けていると考えられるため、重力の制御を行えば魔法的現象・魔質を介す事なく純物理的手法によってルフェイニウムの保持が可能になると推測されている。

 ルフェイニウムと「重なって」いる物質は魔化しない。


・クロム→グラビタイト(48.0mp)


 この魔質は「魔力を消費し、自身に働いている重力の影響を増大させる」という性質を持つという解釈が主流。無重力条件下では魔力を消費しない。正確な原理は特定されていない。起こる現象のみに注目して安易な表現を用いるならば、「魔力を消費して重くなる魔質」であると言える。

 グラビタイトはオドを消費して効果を発揮する。dmそのものは消費しない。



・鉄→アダマンティウム(52.0mp)


 光沢のある緑色の金属のような魔質。魔力を拡散・変質させずに伝導保持する。形質魔力も保持しておけるため、魔力タンク(マジックポット)として使える。魔力操作によってしか魔力の出し入れができない。例えば形質魔力Aを込めたアダマンティウムに形質魔力Bを込めると、AとBが混ざらず独立して蓄えられ、A、B両方とも別個に取り出す事ができる。アダマンティウムに入った自分の形質魔力は自身の魔力で触れていないと操れない(物理的・魔力的に接触していない状態でアダマンティウムが保有する魔力は操作できない)



・コバルト→アパリティオネ(54.0mp)


 魔質を透過する。従って魔質と同じ場所に「重なって」存在する事ができる。

 名称の由来はラテン語の「apparitione(幻影)」。



・銅→オリハルコン(58.0mp)


 金色で、硬度と強度は鋼鉄と同程度だが、魔法による変質変化に高い耐性を持つ。オリハルコンの内部では魔力糸・魔力基を構築することができない(分解される)。



・亜鉛→ドヴェルギウム(60.0mp)


 灰色の石のような魔質。限界魔力密度(60.0mp)での加工が容易。それ以下の魔力密度の時は非常に変形しにくく加工は不可能



・パラジウム→ロバーティウム(92.0mp)


 「発見できない」魔質。魔化と同時に観測不能になる。消滅している、別の空間あるいは別の位相に転移している、観測できなくなっただけでその場所に存在している、そもそも魔化しているのではなく別のプロセスを経て観測不能になっている、などの説がある。

 名称の由来はロバート。ただし発見・命名者はアイリス。アイリスは「羞恥心で悶えるロバートが見たかった。ゴチです」と供述している。



・銀→ミスリル(94.0mp)


 見た目は銀から変化しない。自身の内部とその周囲の空間0.4mm弱のあらゆる魔法的構造を破壊する(魔法を消す)



・スズ→タルコフ(100.0mp)


 水晶のような透明な結晶体。周囲の魔力に応じて色が変わる。白までは変色で、白からは発光する。白色に変色した後、密度に応じて光りはじめる。下の指標はあくまでも基準点であり、「最もその色が強くでる魔力密度」を示しているだけ。実際にはグラデーションを作って変化していく。


 透明:0.0mp

 赤:0.7mp

 橙:2.2mp

 黄:4.4mp

 緑:7.3mp

 青:11.0mp

 藍:15.4mp

 紫:20.5mp

 白:26.4mp

 赤:33.0mp

 橙:40.4mp

 黄:48.5mp

 緑:57.3mp

 青:66.9mp

 藍:77.2mp

 紫:88.2mp

 黒:100.0mp



・白金→マテリア(156.0mp)


 ちょっと柔らかいスーパーボールのようなもの。寒天のような半透明。よく伸び、ちぎれにくい。マテリアの内部で魔力鎖を発動しようとすると(魔法を使おうとすると)その発動はキャンセルされ、発動しようとした魔力鎖を記録し(取り込み/融合し)結晶化する。魔力鎖を記録する前なら染色は容易。電流を流す事で記録状態が解除され、粉々に砕けた白金粉末になると同時に記録されていた魔法が発動する。



・金→ヒヒイロカネ(158.0mp)


 最高強度・硬度の魔質であり、物理的に不変。如何なる物理的手段をもってしても、劣化変形変質など、その強度・硬度を損わせる事はできない。ただし魔法現象による変化に弱い。緋色の金属のような魔質。ヒヒイロカネの内部で構築された魔力鎖はしばらくの間存在鎖無しでも維持される。



・水銀→賢者の石(160.0mp)


 自然魔力帯性が計測できない。紅い石。自動的に周囲の魔力を集めて帯び、密度を160mpまで高める。飽和魔力密度で安定する。周囲の魔力、というのは魔力帯性に関係しない。自然魔力帯性の物質・魔質で包まれていても、自身を包んでいる物質・魔質の魔力が0になるまで吸引する。これは魔力固定・操作で抵抗可能。また、アダマンティウムが保有する魔力は吸引不可能。無理やり160mp以上の魔力を押し込もうとした場合、押し込んだ分の魔力を一定のペースでゆっくりと放出する性質を持つ。

 魔力の集積ペースは1gあたり10000000^2dm/s

 ハオマによる強化でより広範囲の魔力を集積できるようになる。集積する力は距離によって減衰するため、広範囲の魔力を集積できるという事は中心部の集積する力が強くなっているという事であり、結果的に集積ペースは上がる。



・鉛→トラペゾヘドロン(164.0mp)


 黒い結晶体。

 一塊のトラペゾヘドロンは分割しても魔力的に一塊のままと認識される。つまり、一塊のトラペゾヘドロンAをBとCに割って分けた場合、BとCの分割面は三次元空間において離れていても、BとCの内部のdmは離れていないかのように(BとCが分割されておらず、Aのままであるかのように)振る舞う。これによってBとCは三次元空間の距離的制約を無視してdmをその構造を保ったまま転送できる。ただしあくまでも三次元的制約を無視できるのはdm構造体だけであり、魔力信号はその限りではないため、非常に離れた距離(星間程度~)で形質魔力を分割したトラペゾヘドロンを介して転送する場合、転送された側の形質魔力に魔力信号が届かず、あるいは届くまでに大きなタイムラグが発生し、形質魔力は拡散する。これを防ぐために、形質魔力に存在鎖を組み込んだり、転送した形質魔力がトラペゾヘドロンから即座にアダマンティウムに入るようにしておく、などの対策がとられる。

(※2014.9/16のトラペゾヘドロン設定変更に伴い、本編中の主に宇宙開発周辺の描写に齟齬・矛盾が起きているが、スルー推奨。作中では最新の設定が適用される)



・ウラン→?(184.0mp)


 時間経過と共に魔力を放出して物質に戻る。魔力を放出できない場合は魔質のまま。



・反水素→イデアオシア(?mp)


 チオチモリンによる溶解、シグナトルムによる腐食、アムリタによる還元、メタモリウムによる擬態、アパリティオネによる重複を受け付けない。その他イデアオシアを変性もしくは模倣できる魔質は確認されていない。温度や圧力に応じた三態変化や、切断、変形などの物理的変化については通常の物質と同じように振る舞う。常温常圧で乳白色の結晶構造をとる。

 加工は容易であるが、如何なる方法をもってしても本質を変化させる事ができない事から、「不滅物質」という別称を持つ。イデアオシアを物質に(反水素に)戻す方法は見つかっていない。

 法暦235年時点でエーリュシオンには0.3gしか存在して(作成されて)いない。非常に作成が難しい(反物質がグブレイシアンで複製できない事も一因である)、超稀少魔質。

 名前は「イデア論」+「ギリシャ語の『物質』」から。


・ダークマター→マナ(38638656.0mp)


 ほとんど透明で魔力覚醒なしには視認が難しい魔力結晶。物質化しているので触る事は可能。

 dm'は加圧され38638656.0mpになってる内はマナ結晶の形態をとるが、圧力が下がり38638656.0mp以下になると不可視のdm分子に戻る。

 ダークマターの架空質量と、ダークマターが持つオドが全て質量になるため、マナはダークマターの架空質量の二倍の質量となる(ダークマターの架空質量をエネルギーにした場合のJ=オドのJ)。

 質量密度は0.0079321176478497188333129824008366(g/cm3)とも表記できる。これは一般的なエアロゲルの2.6倍程度。二酸化炭素よりは重いが、ラドン(標準状態(STP)で最も密度が高い希ガス)よりも軽い。密度差による圧迫感は無い。




・ダークマター


 マナを超高圧で圧縮すると結晶構造が壊れ、オドがダークマター(魔力容器)に変化する、すなわちdm量は倍になる。なお、dm遮断魔質を用いてマナを圧縮した場合、オドがダークマターに変化しても行き場がないため結晶構造は壊れる事無く、オドはダークマターに変化しない。



『発現度』


 マナ>メタモリウム>ハオマ>エンハンサイト>メファイト>タキオン>ラピュタイト>グブレイシアン>フェンリウム>ムスペリウム>メタトロン>ドヴェルギウム>タルコフ>ゴースタイト>賢者の石>アダマンティウム>ヒヒイロカネ>マテリア>トラペゾヘドロン>オリハルコン>ミスリル>ブルーメタル>ミシディア>パリスチール


 性質が似た魔質は発現度が近い。


『変圧相転移』


 圧力の変化とアムリタを用いて魔質と物質の切り替えを行う手法の事。

 dm遮断魔質で閉じられた容器に魔質とアムリタを入れる。魔質はアムリタによってdmを放出し物質に戻るが、放出されたdmは容器内から出られない。ここで容器を圧縮し体積を減らすとまずアムリタが限界魔力密度に達する。するとアムリタが保有しきれなかったdmが物質に移動し、物質が魔化する。

 魔化した魔質は即座にアムリタによってdmを放出し物質に戻ろうとするが、既に容器内の魔力密度がその物質の魔化密度以上になっており、魔力を放出できず(放出して物質に戻ってもすぐに再び魔化してしまい)アムリタと接触していても魔質のままになる。

 これを利用して圧力(特定容器・空間内の体積)の変化によって物質と魔質の切り替えを行う手法を変圧相転移と呼ぶ。


―――――――――――――【魔導】―――――――――――――



 「魔力伝導式魔法コード構築法」、略して魔導。魔質を用いて魔法コードを作成する技術、あるいはその技術によって発現した魔法的現象を指す。


『原理』


 特定条件下でダークマターはエーテルの助けを借りて荷電粒子的働きをする。

 魔導の基本的な装置はアダマンティウムとヒヒイロカネから成る。

 まずアダマンティウムを複数の小片に分け、小片一つにつき魔法基A、H、E、Wの内一種類のみを入れる。アダマンティウムは受動的に魔力の移動を起こさないため、アダマンティウム内には一種類の魔法基のみが存在する状態になる。

 このアダマンティウム小片をヒヒイロカネで繋いでいく。図にすれば―○―○―○―○―、というイメージ。アダマンティウムとヒヒイロカネは良導体(ただしアダマンティウム>ヒヒイロカネ)であるため、電気を流す事ができる。この時(負極)―○―○―○―○―(正極)にすると、電流は正極から負極へ流れ、荷電粒子は負極から正極へ流れる。この時通電性のある魔質に限った現象で、アダマンティウムに含まれる魔法基が荷電粒子の働きをする。

 図を直し、(負極)―A―H―E―W―(正極)とする。電流を流すと、アダマンティウムに含まれるダークマターは負極側から正極側へ移動する。最初に動き出すのはA。

 電流が流れると、Aはエーテルを帯びる。これをA(e)と表記する。A(e)はH側へ移動する。H側へ移動したA(e)はHと結合し、また結合と同時にエーテルをHへ移動させる。するとHがエーテルを帯び、A―H(e)となる。A―H(e)はE側へ移動し、Eと結合する。この時Eと結合するのはエーテルを帯びているHであり、結合と同時にエーテルはHからEへ移動してA―H―E(e)となる。更にWへ移動すればA―H―E―W(e)となり、以下同様にして魔法基は結合していく。

 そして正極側の終点に到達すると、連結した魔法コードが魔質の外へ吐き出され、それと同時に魔法コードが示す内容に基づいた魔法が発動する。

 この基礎構造に基づいて行使される魔法を、魔力伝導式魔法コード構築法、略して「魔導」と呼ぶ。

 5×10^5dmが電子一個分の電荷に相当する働きをする。



『コード解析』


・アジム理論


 魔法大学二十九期生、アジムが提唱した魔法(魔力)コードを特定するための基礎的な理論。これによって圧力魔導や熱発生魔導が特定された。コード数が増えるほど特定は飛躍的に難しくなっていく。



・マテリア式魔法コード特定法(マテリア式)


 マテリア式ではまずマテリアに魔法を記録させる。マテリアは結晶化した時、魔法として意味を成しているコード(全体の約八分の一)は強くマテリアと結合するが、魔法として意味を成していないコード(全体の八分の七)はマテリアとの結合が弱い。

 ここでミスリルを使う。ミスリルは効果範囲内のあらゆる魔法構造を分解するが、マテリアと結合する事で結晶化し、半ば魔質として固着している状態にある魔法鎖に関しては特殊な扱いになる。即ち、マテリアの内魔法として意味を成していないコードが結合している結合が弱い結晶部分の魔法構造は破壊し、魔法として意味を成しているコードが結合している結合が強い結晶部分の魔法構造は破壊しない。従って魔法を記録したマテリアにミスリルを使用すると、魔法として意味を成していないコードが記録されている結晶部分の魔法鎖がマテリアとの結合を切られ分解されて魔力に戻り、その部分だけ弾力性のある未記録状態に戻る。

 上の処理を施したマテリアをチオチモリンに入れる。チオチモリンは魔質を粒子単位まで分解するが、魔法を記録したマテリアは一つ繋がりの魔法鎖一本が記録された結晶部分を粒子一つと見なされる。よって魔法鎖の数と等しい数の比較的大きな粒子と、魔法が未記録状態のマテリアが分解されてできた細かい粒子ができる。これを遠心分離し、魔法鎖が記録された粒子のみを取り出す。

 ここからはアムリタの魔質還元・ハオマで性質を強化した賢者の石の魔力吸引・アダマンティウムの魔力保存(魔力構造維持)を利用した魔法鎖抜き出し、チオチモリンで分解したタルコフ粒子による染色などの過程を経て魔法鎖を六十四種類の基礎コードに分解し、またその基礎コードがどのように並んでいるのかが分かる



・コード解析装置


 複製鎖で同一の魔力鎖を大量に作り、その末端に分解コードを同時に接続。大量の魔力鎖が一斉に分解され始める。

 その分解されてバラバラになったダークマターを賢者の石で吸引。ただし途中メタトロンでフィルターにかけて八種類に分離し、分離されたダークマターがそれぞれスライミウムに入るようにする。

 スライミウムは魔力密度に応じて膨張するため、メタトロンを通ったダークマターを受け取ると一瞬魔力密度が少しだけ上がり、膨張し、直後魔力帯性超過分の魔力を吐き出し収縮する。

 この仕組みを使い、スライミウムの膨張収縮に合わせて紙に印を打点するようにしておけば、分解鎖が魔力鎖から切り離したダークマターの種類がそのまま順に紙に記されていく。

 後は放置するだけで魔力鎖のコードが全て記された紙が出来上がる




―――――――――――――【マジックアイテム】―――――――――――――


 魔質を用いてつくられた物品。大きさも性能も用途も様々。



・グブレイシアンランプ


 グブレイシアンを用いたランプ。骨董品。



・タキオン式電球


 タキオンを発電装置に用いた電球。電源は要らず、持ち運びして使える。スイッチ一つでON/OFFできる。電球自体は普通の物質で作られているため、交換の必要あり。



・超変換タキオン式電球


 タキオン式電球よりも光度が高い。



・タキオン式扇風機


 タキオンを発電装置に用いた扇風機。夏場のお供に。



・フェンリウム冷蔵庫


 フェンリウムを使った冷蔵庫。当然電源要らず。



・ムスペリウム暖房


 ムスペリウムを使った暖房。



・永久包丁


 ドヴェルギウム製。永久に錆びず、折れず、研ぐ必要もない。



・マテリア(無記録)(記録済)


 電気を発生させる機器と合わせて使う。主に魔法を使うほど緊急性が無く、魔導で対応できない状況で使われる。



・カートリッジ


 四種類×一個一セットで扱われる。第三世代対応カートリッジは一発に四種類の魔法基が分別されて入っている。



・魔力計測器


 タルコフを使った魔力計測器。



・魔力貯蔵器


 円筒形のアダマンティウム。形質魔力を保存できる。



・勝龍剣


 ドヴェルギウム製の剣。



・覇道剣


 ヒヒイロカネ製の剣。



・タキオン弾(タキオン銃)


 タキオンを主軸として構成された魔弾。

 内側からタキオン+フェンリウム、ブルーメタル、パリスチール、トラペゾヘドロン、ヒヒイロカネの五層構造になっており、発砲後弾丸が銃身から離れるのとほぼ同時のタイミングでパリスチールがブルーメタル内部にdmを押し込み、タキオンを加速させる。込めておくdm量にもよるが、仮にフル充填すれば雷数百発分のエネルギーを対象に撃ち込む事ができる。発砲後に加速するため、反動も運動ベクトルを与えるためのほんの少しのものしかない。子供でも撃てる。魔導で発砲するため火薬要らず。トラペゾヘドロンを組み込んであるため発砲後に弾丸の回収もできる。最外部がヒヒイロカネ製なので弾丸は変形しない。中心部に微量あるフェンリウムのおかげで発射後に弾丸が空気摩擦で温度が上がり過ぎたりもせず、プラズマ化する事もない。

 銃の方は弾丸と同一のトラペゾヘドロンと転移魔導を組み合わせて、発砲した弾丸を自動回収し、フェンリウムで吸熱してからマガジンに戻す仕組みにしてある。更に賢者の石を使った魔力集積システムも組み込んであるため、dmが空になった弾丸には勝手に魔力充填が行われる。



・飛空艇


 全長250mの大型船だ。帆は無く、合計八基の魔導エンジンで動く魔導船。

 魔導エンジンの構造は大型の『杖』に近い。圧力魔導をエンジンの出力とし、プロペラを回して推進力とする。燃料は魔力で、賢者の石とメタトロン等を使った大型の魔力集積分離装置を搭載しているため、事実上の永久機関。専用の大型カートリッジを使えば一時的にブーストをかける事もできる。各部にヒヒイロカネを使っているので、どれだけエンジンや船体に無茶を強いても壊れない。

 全体の形状としてはクルーザーのようなシャープな形で、離陸時には上下に押しつぶしたように船体上部と底部が収納され、翼を出して二等辺三角形のようなそこはかとなく戦闘機っぽい形態を取る。

 船体の外装はヒヒイロカネとミスリルの合板。ヒヒイロカネがミスリルをサンドイッチしている形になる。ヒヒイロカネは物理的に変化しないため、飛空艇は物理的に破壊も変形も変質もできない。魔法はミスリルが無効化する。つまる所、この飛空艇は物理的にも魔法的にも壊せない。ヒヒイロカネにマナを混ぜてあるため、チオチモリンをかけられてもすぐに船体が溶け出す心配は無い。マナの発現度は最大であるため、チオチモリンをかけられた場合マナが真っ先に溶け出し、ヒヒイロカネが溶けるのを防ぐ。

 内装は木造だ。デザイン、シルフィア。東の森で採れた良質の木材を惜しみなく使い、さながら豪華客船のような贅沢な内装になっている。エマーリオ譲りの優れた美的センスを持つシルフィアが丸々二年かけて考え出した華美なのにどこか落ち着いた雰囲気の客室、ダンスホール、ジャグジーなどは、帝国の城や連合国の大富豪の屋敷にあるそれすらもあらゆる意味で凌駕する。掃除が物凄く大変な所だけが珠に傷。客室一部屋一部屋に備え付けのワインセラー(フェンリウム式冷蔵機能付)やら暖房(当然ムスペリウム式)やらがあるし、皿は当たり前のように純銀製、グラスも里が誇る名工(事実上世界一)が造ったもの。

 離着陸時はこのラピュタイトの出力を調節する事で垂直に移動できるため、滑走路は要らない。海空両用。

 理論上は時速百キロ程度までは確実に航行できる。ジャイロスコープが搭載されている。

 飛空艇には主砲が存在する。

 主砲は大電流による熱波発光質量魔導。これは魔力の内運動器のオドを熱と、なんかよくわからん圧力と、若干の白い光に変換し、物質器のオドをなんかよくわからん質量に変換して打ち出す魔導。

 この魔導砲は約2.0×10^22dmを一瞬にして魔導として消費し撃ち出すもので、そんじょそこらの城や砦程度なら一撃で瓦礫の山に変える威力がある。カートリッジを使えば連射可能。



・マジックアーマー


 飛空艇と同じくミスリルとヒヒイロカネの合板で作られているフルプレートメイル。ミスリルの魔法無効化範囲が丁度ヒヒイロカネの層と重なるようになっているので、ゾンビやヴァンパイアが装備しても問題ない。ヒヒイロカネは物理的に変化しないため厚さが強度に関係せず、合板の厚さは1mmであるにも関わらず破城槌の直撃を受けても全く変形しない。ただし衝撃は徹るため中身の無事は保障できない。

 鎧の内部には温度計があり、ムスペリウムとフェンリウムによって温度を常に一定に保つ仕組みになっているため、蒸し焼きにして殺す事も凍死させる事もできない。

 エーテル+タキオン+メタトロンの魔質式空気ボンベを使えば装備者が生身の人間でも毒ガスが効かなくなる。



・魔法の絨毯


 ラピュタイトを仕込んである。



・七里靴


 強く踏み込むとスイッチが入って加速する。タキオン使用。



・コード解析装置


 【魔導】『コード解析』参照。エルフィリアの魔法研究塔に数十台設置されている。



・『杖』第一世代


 魔導の行使には魔質を使った機構が必須であり、魔導の行使に必要な機構を詰め込んだ装置を『杖』と呼ぶ。『杖』の素材は以下のものから成る。


 アダマンティウム(魔法基保存)

 ヒヒイロカネ(アダマンティウム連結)

 ゴースタイト(魔法発射口)

 賢者の石(de充填量調節)

 ブルーメタル(dm補充用伝導線)

 メタモリウム(チオチモリンを記録したもの。マナ溶媒)

 マナ(dm充填用エネルギーソース)

 アムリタ(魔化解除用溶液)

 パリスチール(dm拡散防止)

 タルコフ(魔力残量計測)

 ドヴェルギウム(フレーム)

 電源

 装飾


 アダマンティウムを均等な大きさ・形の小片に加工し、それをヒヒイロカネの導線で繋ぐ。ヒヒイロカネはアダマンティウムと違い外部の魔力を魔力密度差によって受動的に取り込んでしまうため、全体をパリスチールで覆ってdmとエーテルの意図しない移動を遮断する。これが基礎回路。

 基礎回路の始点と終点に金線を取り付け、電源に繋ぎ、スイッチを作る。始点と終点はゴースタイトでカバーをつけておく。これでスイッチを入れれば電流が流れ、魔導が発動する。

 ただ、このままだとアダマンティウムに内包されている魔法基を一度使い切ると充填できず、また分解して魔法基を入れ直さなければならない。その手間を省くためにカートリッジシステムを付け加える。

 弾丸程度の大きさのパリスチール容器内部にアムリタとチオチモリンの性質を記録したメタモリウムを入れておき、仕切りで区切って混ざらないようにしておく。メタモリウムにはマナを溶かしておく。メタモリウムは最初に触れた魔質の性質を真似るため、液体になっており、マナを細かく分解して自身に溶かし込む。ここでマナは分解されるだけで魔力にはならず、結晶状態が維持されている。

 パリスチール容器の一部を小さく開けておき、そこにブルーメタル製の針を固定し、外部から押し込むと針が仕切りを突き破ってアムリタとメタモリウムが混ざるようにする。アムリタとメタモリウムが混ざると魔化が解除され、大量のダークマターが発生する。パリスチール容器はdmを完全に遮断するため、唯一の出口であるブルーメタルの針を伝ってdmは外部に出て行く。

 このようなパリスチール容器、アムリタ、仕切り、メタモリウム(チオチモリンを記録したもの)、マナ、ブルーメタル針から成るものを魔法基カートリッジ、略してカートリッジと呼ぶ。

 ブルーメタル針に基礎回路から伸ばしたブルーメタル線が接触するようにして、周囲をパリスチールで覆ってdmが逃げないようにすれば、パリスチール容器からブルーメタル線を伝ってアダマンティウムにdm(魔法基)が充填される。

 魔質は魔力帯性以上の魔力を帯びると瞬間的に全て自身の外に放出しようとするため、アダマンティウムとブルーメタル線の間に賢者の石をクッションとして挟んでおく事も忘れてはいけない。

 賢者の石は自動的に周囲の魔力を集めて帯び、密度を160mpまで高めその密度で安定し、密度を維持する魔質だが、アダマンティウムが保有する魔力は吸引不可能。更に無理やり160mp以上の魔力を押し込もうとした場合、押し込んだ分の魔力を一定のペースでゆっくりと放出する性質を持つ。これをブルーメタル線とアダマンティウムの間に挟む事で、ブルーメタル側から魔法基が過剰にアダマンティウムに流入する事を防ぐ。

 魔法基の導線にブルーメタルを使う理由だが、エーテルがカートリッジに逆流するのを防ぐため。ブルーメタルはダークマターを通すがエーテルは通さない。基礎回路を流れる魔法基+エーテルが流れを変えてカートリッジに流入しては目も当てられない。

 当然カートリッジのパリスチール容器、及びブルーメタル針、メタモリウム、マナは充填したい魔法基を使って魔化したものを用いる。 なお、チオチモリンではなくわざわざメタモリウムにチオチモリンの性質を記録させたものを使うのは、チオチモリンをそのまま使うとアムリタの魔化解除によってチオチモリンが液体から気体になり、カートリッジ内部が超高圧になるのが予測されるため。



挿絵(By みてみん)



 こうすればカートリッジを交換するだけで、基礎回路を弄らずに魔法基を充填できる。後はカートリッジ・アダマンティウム内の魔力残量を計測するために、周囲の魔力密度に応じて変色する魔質であるタルコフを付け、全体をドヴェルギウムのフレームで補強し、適当な装飾をつければ完成。電気量に比例して流れるdm量も変化するので、出力の調節もある程度までなら可能。

 なお、『杖』の魔導行使においては基本的に「起電力1V」「電気抵抗率は銀と同値」で計算される。



・『杖』第二世代


 第一世代から四点改良されている。

 一つ目は電源。小型のタキオン発電・蓄電装置が組み込まれていて、勝手に充電を行うため、第一世代と違い電源を交換する必要がない。

 二つ目は魔力集積分離蓄積装置。賢者の石で集めた魔力をフェンリウムとムスペリウムで温度調節をしたメタトロンを通して分離し、魔法基ごとに分けて貯蔵する装置が組み込まれている。カートリッジでの補給と比べて集積量は微々たるものだが、塵も積もれば山となる。魔力集積は自動的に行われるため、放置しておけばそれなりに蓄積されている。カートリッジによる魔力供給とスイッチで切り替えて使用する、カートリッジの補助的機構。

 三つ目は形質魔力蓄積部。これは単に柄の部分がアダマンティウムになっているだけ。ここに自分の形質魔力を溜め込んでおき、いつでも引き出して使う事ができる。魔導は効率100%の魔法だが、まだまだ起こせる現象が限られているし、応用性にも欠ける。効率12.5%とは言え通常の魔法の方が未だ有効。実用性を高めるための部分。

 四つ目は魔導切り替え。「圧力魔導」「熱魔導」「熱波魔導」の三つをスイッチ一つで切り替えて使えるようになっている。「何かよく分からない圧力」は端的に言えば衝撃波のようなもので、発動すると前方に圧力波を放出する。

 四つも新しく機能を詰め込んだため、第二世代の『杖』は第一世代よりも二回りも大きくなっている。



・『杖』第三世代


 第二世代に魔核を組み込んだもの。その他にも幾つか改良点がある。

 従来の機能に加え、スライミウムを使った切り替え機能が付いている。

 魔核が並列的に魔力操作をし、『杖』の回路に繋がった数百のスライミウムに魔力を個別に流し切り替えを行う。『杖』の所持者が「炎」などと抽象的な支持を出すだけで、魔核は意を汲んで魔導を組んでくれる。理論上コードさえ分かっていれば『杖』一本であらゆる魔導が使えるようになった。更に魔核自身も威力は低いながらも自立的に魔法が使えるため、所持者の認識外の事態(不意打ち、盗難など)にもある程度対応できる。

 加工技術の発達により第一世代と同程度の大きさまで小型化している。

 カートリッジも改良され、一発のカートリッジで魔力を充填できるようになっている。


・『杖』第四世代


 指輪、腕輪、ガントレット、剣、ハンマーなど、形状は多種多様。魔力は(主にエルフィリアに置かれた)魔力貯蔵機からトラペゾヘドロンを通して引き出して使われる。




―――――――――――――【魔法的存在】―――――――――――――



『ノーライフ族概要』


 ゴースト、レイス、シルフ、ウンディーネ、サラマンダー、ノーム、ウィスプ、ゾンビ、リッチ、スケルトン、デュラハン、ヴァンパイア、グール、リビングデッド、魔核リビングアーマー、ホムンクルスが存在する。大雑把に魔法的手法によって創造された存在を指す。


 霊体ノーライフ、非実体ノーライフはゴースト、レイス、シルフ、ウンディーネ、サラマンダー、ノーム、ウィスプを指す。

 精霊はシルフ、ウンディーネ、サラマンダー、ノームを指す。

 実体ノーライフはゾンビ、リッチ、スケルトン、デュラハン、ヴァンパイア、グール、リビングデッド、魔核リビングアーマー、ホムンクルスを指すが、魔核リビングアーマーとホムンクルスは含まない意味で使われる事もある。

 ゾンビ、リッチ、ヴァンパイアは一次ノーライフ、スケルトン、デュラハン、グール、リビングデッドは二次ノーライフに分類される。


『名称』


 魔力操作技術に熟達した個体には「ハイ」、動物のノーライフには「アニマル」、植物のノーライフには「プラント」をつける。「ハイ」は区別が必要な時以外省略される事が多い。

 例えば魔力操作技術に熟達した植物のゴーストは「ハイ・プラント・ゴースト」となる。



『有体ノーライフの誕生メカニズム』


 生物の体外に出した形質魔力は魔力操作を止めると拡散するが、体内の形質魔力は魔力操作をせずとも魔力帯性に従って体内に留まり続け、拡散せず、形質魔力であり続ける。

 生物が死亡した際、生体魔力帯性から無生物魔力帯性へ移行し、肉体が新しく生産する形質魔力の質も変化するのだが、生命活動が行われていない、という事以外は肉体の性質にさして変化が無いため、死体が新しく生産する形質魔力は密度こそ生前よりも格段に下がるが質的には生前とあまり変わらない。

 魔力固定で自然魔力帯性の密度差による形質魔力の拡散を防いだ場合、「生きた肉体の情報を記録した形質魔力」が「死んだ肉体の情報を記録した形質魔力を生産しようとしている肉体」の中に留まり続ける。

 両者の形質魔力の性質には前述の通り大した差は無いため、形質魔力は崩壊して新しい形質魔力を構築するという通常のプロセスを踏まず、ゆっくりと構造を変化させるというプロセスを取る。

 ゆっくりとした変化の過程で一部の形質魔力鎖が法術鎖の形態を取る瞬間があり、その瞬間に形質魔力鎖は法術鎖として肉体に固定される。法術鎖の固定は肉体的な物が早く、若干の時間を置いて思考法術鎖も不安定ながら固定される。思考法術鎖の固定が終わると意識を取り戻し、起き上がる。

 死亡から法術鎖の定着までの間に意識が無いのは、思考活動を行う形質魔力が死んだ肉体(≒思考していない脳)の影響を受けているからである。法術鎖として定着すれば思考できるようになる。また、死んだ肉体の影響を受けない状態になっても自発的に思考活動をはじめる(ゴースト)。

 なお、有体ノーライフは維持法術鎖形成時の体温を維持するため、死んでから死体を人肌の温度に保ちつつ魔力固定すれば復活したアンデッドは体温を持つ。通常は体温は外気温と同じになる。

 死亡から復活まで八~十時間かかる。



『ノーライフ族詳細』

『霊体』


・ゴースト


 生物が死亡すると、生体魔力帯性から無生物魔力帯性に切り替わり、魔力が拡散する。

 その際に最も早く拡散するのが生体鎖(生体鎖は形質魔力鎖の凡そ十分の九を占める、頭部の体積が凡そ全身の十分の一であるからその関係)。死亡と同時にほとんど全ての生体鎖は拡散してしまう。

 すぐに拡散しなかった残りの形質魔力鎖(魔法コードに占める存在鎖の割合が多い魔力鎖)は握りこぶし大の魂のような形状をとって肉体の外に排出され、その段階で仲介鎖の操作・存在活性信号頻度が一定以上に達していると(当然ながらこの条件を満たすためには魔力覚醒している必要がある)記憶鎖と個体識別鎖によって記憶を元に生前の体の形に変形する。

 量が十分の一になった形質魔力鎖で生前と同じ体を構築するため、最終的に量は生前と同じで、密度は十分の一になる。

 ゴーストに内臓や骨などの中身が無いのは内臓や骨の情報を記録していた魔力鎖である生体鎖がほとんど丸々欠損しているため。

 ゴーストの思考回路は絶え間ない記憶鎖の変化によって生前のように再現されている。

 生前よりも魔力密度が低下するため、まず間違いなく魔法は使えない。



・レイス


 ゴーストが魔力密度を高め、魔法を使えるまでになった存在。

 なお、魔力操作技術が熟練し姿形を自在に変えられるようになったゴーストをドッペルゲンガー、レイスとドッペルゲンガーの両方の条件を満たすまでになったゴーストをドッペルレイスというが、三章終了時点で存在するレイスはドッペルレイスであるロバートのみであるため、ドッペルレイスを指してレイスという事が多い。



・精霊全般


 同一個体を起源とする霊体は一つの意思の下で思考・記憶を共有する。

 ゴーストが魔力を切り離し特定の物質Aの中に長期間(四ヶ月程度)放置すると、形質魔力鎖の共有鎖・生体鎖の一部がAの情報を記録したものに変化する。

 短時間では共有鎖の同期によって形質魔力鎖は変化しないが、長時間経過するとまず生体鎖の一部がAの情報を記録したものに変化する。すると共有鎖も変化し易い状態になり、変化していく。共有鎖の構造が本体のものとある程度異なるコードになると別個体となる。

 つまり「生体鎖の変化→共有鎖の変化→新たな個体の発生」である。

 例えば炎の精霊の場合、生体鎖と個体識別鎖にもともと炎鎖を持っており、魔法を構築する際にその魔力鎖を利用する形になるため該当魔法の威力が上昇する

 同じ素体から同一の物質を使い分身体を作ったとしても、環境によって微妙に構成が違う。同じ空気でも場所や四ヶ月かけて作られる中での風、湿り気などで変化し、全く同一の形質魔力、ひいては共有鎖にはならない。

 仮に全く同一の形質魔力・共有鎖になるように調整した場合、後から発生する個体に自我が発生する時期になると、先に発生していた個体が後の個体の形質魔力を自分のものとして扱えるようになる。

 同条件で後発の個体を無魔力空間を隔てた場所で作った場合は普通に自我が発生するが、無魔力空間から出て先発の個体と魔力情報が伝播できる状態になると瞬時に自我は消失し、後発の個体は先発の個体の形質魔力として扱われるようになる。

 精霊は自らが記録した物質と同調を起こし、自身の移動に伴い該当する物質を移動させる。ものによっては記録した現象を再現する。

 同調の原因となっている魔力鎖を同調鎖と呼ぶ。同調鎖は自身が組み込まれている形質魔力の魔力密度によって効果が増減する。形質魔力に含まれる同調鎖の割合を増やしても減らしても、魔力密度に変化が無ければ同調率もほとんど変化しない。魔力密度が高くなると同調鎖に接するdm量が増える=同調の出力上昇。

 同調鎖は構築鎖が変化した法術鎖であり、記録されている物質にのみ軽度の物理依存を示す。

 同調鎖は自身に接している形質魔力鎖から時間毎に一定の割合でペースでオドを受け取り、消費する法術鎖。つまり、1dmにつきα(J/s)のペースでエネルギーを受け取っていると仮定した場合、同調鎖に1dmしか接していない場合は出力はα(J/s)となり、5dm接していれば出力は5α(J/s)になる。

 密度が高いほど移動のために消費できるエネルギー量が増えるため、精霊の移動速度は密度が高まるほど上昇する。

 気体と個体・液体では魔力密度に対する有効同調鎖消費エネルギーが違う=同調鎖の数は同じだが同調の際に消費されるエネルギー量(同調率)に違いがある



・シルフ


 空気の同調鎖を持つ。


 

・ウンディーネ


 水の同調鎖を持つ。



・ノーム


 土の同調鎖を持つ。発生地点の土の同調鎖であるため、地質が変わると同調率も下がる。



・サラマンダー


 火の同調鎖を持ち、熱と光を発する。



・ウィスプ(駄レイス)

 

 精霊に分裂できない事以外レイスに同じ。二種類以上の精霊が合体するか、精霊が他の種類の精霊になろうとする事で生まれる。



『有体』


・ゾンビ


 誕生の際、形質魔力の構造の変化の初期過程で創造者の形質魔力が混入する。

 一次ノーライフであり、魔力覚醒している。維持法術鎖を有する。

 ゾンビの維持法術鎖には誕生時に魔力固定を受けた者、つまり創造者の共有鎖や記憶鎖がある程度混入している。この創造者の共有鎖と記憶鎖はゾンビ側からのアプローチでは構造の変化を起こさず、創造者の共有鎖が発する信号でのみ変化を起こす。従って共有鎖を通じて送った命令・思考をゾンビは変更されるまで保持し続ける(創造者の共有鎖と記憶鎖はゾンビの思考法術鎖に喰いこんでいる)。

 ただし命令・思考が保持され続けてもそれを実行する記憶鎖の活動は三日程度しかもたない。単調な同じ行動をとり続けるのは三日が限度だが、定期的に命令を更新したり、別の行動を命じたりすれば三日以上命令通りの行動を取らせる事ができる。

 創造者の共有鎖はゾンビの形質魔力鎖に組み込まれているので、ゾンビ側からも共有鎖の信号を発信できる。

 イメージの伝達は曖昧であるが、これは共有鎖の構造が異なっていて情報を正確に送受信できないからである。


・リッチ


 ゾンビの中でも自然帯魔力密度が2.0mp以上者を指す



・スケルトン


 基本はゾンビに同じ。ゾンビとの違いは下記のようになる。

 肉が腐り落ちて骨だけになり体の体積が減っているため、保有魔力量も減っている。

 法術引力が働く際にオドを追加で消費し、より強力な引力を発するようになっている。

 思考法術鎖が全身に散らばっており、思考法術鎖と維持法術鎖がより緊密に連結している。

 思考法術鎖の出す信号が変化し、無生物魔力帯性分の魔力すら体内に侵入できなくなっている。魔力操作を用いて侵入させる事ができる。

 維持魔力鎖がdm発動値を下回ると思考法術鎖が崩壊するようになっている。思考法術鎖と維持法術鎖が緊密に連結している事と関係していると思われるが詳細不明

 創造者と共通の共有鎖の量がゾンビよりも少なくなっている

 思考法術鎖が全身に散らばっているせいか思考能力が著しく低下しており、魔法の行使に必要なレベルのイメージができないため魔法は使えない。

 スケルトンが骨だけになるのは骨以外に含まれる維持魔力鎖が機能しなくなるから。なぜ機能しなくなるのかについては不明



・デュラハン


 基本はゾンビに同じ。ゾンビとの違いは下記のようになる。

 思考法術鎖が全身に散らばっており、思考法術鎖と維持法術鎖がより緊密に連結している。

 思考法術鎖の出す信号が変化し、無生物魔力帯性分の魔力すら体内に侵入できなくなっている。魔力操作を用いて侵入させる事ができる。

 維持魔力鎖がdm発動値を下回ると思考法術鎖が崩壊するようになっている。思考法術鎖と維持法術鎖が緊密に連結している事と関係していると思われるが詳細不明

 首が落ちた時に頭部の思考法術鎖が全て体側へ移動している。このため頭部には維持法術鎖しかなく、思考活動や運動を行う機能を失っている。従って頭を潰しても動く。

 創造者と共通の共有鎖の量がゾンビよりも少なくなっている

 思考法術鎖が全身に散らばっているせいか思考能力が著しく低下しており、魔法の行使に必要なレベルのイメージができないため魔法は使えない。

 強化法術鎖を有する。魔力の減りはスケルトンの二倍ほど。



・ヴァンパイア


 基本的にはゾンビと同一だが、維持法術鎖の一部が欠落し易くなっており、放置していると維持法術鎖の一部が欠落して機能しなくなり、体の状態変化固定が機能しなくなり、腐敗していく。この欠落部分は他者の形質魔力に含まれる、欠落部分に相当する魔力鎖を摂取する事で一時的に埋める事ができるが、欠落し易い状態は変わらないため、放置していると再び欠落を起こす。

 この欠落部分の魔力鎖は元々崩壊し易い魔力鎖であり、完全固定で復活したヴァンパイアは復活の過程で魔力鎖を壊してしまっている。

 吸血・食肉によって腐敗を防止できるのは、体内に取り込んだ血肉が記憶鎖の信号によって生体魔力帯性を持ち、形質魔力を生産し、生産された形質魔力から必要な魔力鎖を維持法術鎖が受け取っているから。半日~数日経つと血肉は腐敗して形質魔力を生産しなくなる。

 挿入鎖を用いた法術鎖改造でこのような法術鎖の欠落が起こらないようにする事ができる。

 魔力覚醒していない、あるいは自然帯魔力密度が2.0mpに満たないヴァンパイアをレッサーヴァンパイアと呼び、法術鎖の欠落が起こらないようになったヴァンパイアをヴァンパイア・ロードもしくはトゥルーヴァンパイアなどと呼ぶ事があるが、区別して呼ぶ事は少ない。



・グール


 基本はゾンビに同じ。ゾンビとの違いは下記のようになる。

 思考法術鎖が全身に散らばっている。

 思考法術鎖と維持法術鎖がより緊密に連結している。

 法術引力が働く際にオドを追加で消費し、より強力な引力を発するようになっている。グールの法術引力はゾンビよりも強く、スケルトンよりも弱い。落ちた首は断面を合わせればくっつく。

 思考法術鎖の出す信号が変化し、無生物魔力帯性分の魔力すら体内に侵入できなくなっている。魔力操作を用いて侵入させる事ができる。

 維持魔力鎖がdm発動値を下回ると思考法術鎖が崩壊するようになっている。思考法術鎖と維持法術鎖が緊密に連結している事と関係していると思われるが詳細不明

 思考法術鎖が全身に均一に分布しているため、頭を潰しても十分の九が残り一応は継続して活動可能だが、思考能力が更に低下しほぼ何もできないに等しくなる。

 創造者と共通の共有鎖の量がゾンビよりも少なくなっている

 思考法術鎖が全身に散らばっているせいか思考能力が著しく低下しており、魔法の行使に必要なレベルのイメージができないため魔法は使えない。

 ヴァンパイアと同様に維持法術鎖の一部が欠落し易くなっているが、変化した維持魔力鎖の構造の効果によりオドを追加で消費する事で欠落を防いでいる。このオドの追加消費が原因となり、魔力消費速度がゾンビの倍ほどになっている。



・リビングデッド


 基本はゾンビに同じ。ゾンビとの違いは下記のようになる。

 思考法術鎖が頭部により安定した形で存在し、維持法術鎖と物理的に接触していなくても崩壊しなくなっている。頭部から得た情報や思考を体に伝えて体を動かしているため、頭が体から離れると上手く体を動かせなくなる。

 思考法術鎖の出す信号が変化し、無生物魔力帯性分の魔力すら体内に侵入できなくなっている。魔力操作を用いて侵入させる事ができる。

 維持魔力鎖がdm発動値を下回ると思考法術鎖が崩壊するようになっている。思考法術鎖と維持法術鎖が緊密に連結している事と関係していると思われるが詳細不明

 強化法術鎖を持つ。スケルトンと比較して倍ほどの早さで魔力が減っていく。

 維持法術鎖の一部が欠落し易くなっており、放置していると維持法術鎖の一部が欠落して機能しなくなり、体の状態変化固定が崩れて腐敗していく。この欠落部分は他者の形質魔力に含まれる、欠落部分に相当する魔力鎖を摂取する事で一時的に埋める事ができるが、欠落し易い状態は変わらないため、放置していると再び欠落を起こす。

 創造者の共有鎖が混入していないため創造者との情報・思考のやりとりは一切できない。

 復活時点で首が落ちているが、目から得た情報で体を動かしているため頭がとれていると体の動きが滅茶苦茶。首を体に縫い付けてやると普通に動く。従ってリビングデッドの首は復活後すぐに体に縫い付けられる。



・魔核(攪拌魔核)


 まずメファイトを棒状に加工し、オリハルコン線を巻きつけて(銅線を巻きつけてから魔化)コイルを作る。これを回転させると賢者の石のようなdm吸引効果が発生する。

 マテリアの性質を記録させたメタモリウムをチオチモリンに溶かした溶液を作り、その中にメファイトコイルを入れて回転させると、dmを吸引するついでになぜかメタモリウムも巻き込む。

 マテリアの性質を記録しているからか、メタモリウムは一緒に巻き込まれたdmと結合しながらコイルに引き寄せられて次々と付着していき、膜を作る。膜はコイルが回転するにつれて厚くなっていき、層になり、やがてコイルを核とした球形になる。これを魔核と呼ぶ。

 魔核の色は引き寄せられたdmの構造(形質魔力)によって変化する。シルフィアの形質魔力だと桜色で、エルマーだと紅蓮、ロザリーなら淡緑色。ミスリルで構造を分解した魔力なら透明。ロバートは灰色。

 魔核のメタモリウムの層はdmと結合し結晶化してはいるものの、魔法を発動させて結晶化する通例とは別の手法でdmと結合したからか、電流を流しても魔法として発動する事は無いし、そもそも結晶化が解除されて白金にも戻らない。無反応。どうやら魔核の魔力はメタモリウムと結合する事で法術鎖に似た性質になっているようで、魔力操作で魔力を引っこ抜く事ができない割に流動的に変動する。このあたりはノーライフ類の思考法術鎖と似ている。というかほぼ同じ。

 魔核は喋る。

 形質魔力を吸引させてメタモリウム層を作った場合、形質魔力の性質・構造ごとメタモリウム層に取り込まれる。使った形質魔力が人間のものならば、それは魔核というカラダを持ったゴーストのようなもので、自立的に考え、喋る。動くのは無理だが(形質魔力の提供者が魔力覚醒していれば)魔力操作はできる。性格は形質魔力の提供者によく似て、しかし同一ではない。共有鎖による情報共有は無い。魔法も使えるのだが、メファイトの由来の電気信号を利用しているらしく、魔力密度に関係なく発動する。0.1mpでも使えてしまう。ただし密度が低い分どうしても威力も低くなる。

 メタモリウム層の厚さと思考法術鎖の量は比例するため、層の厚さ(付着したメタモリウムの体積)と思考能力は大体比例する。ピンポン玉くらいあればその思考能力はロバート六十万体に匹敵する。

 迂闊に物心ついた人物の形質魔力で魔核を作ってもすぐに発狂してしまう。製造された最初の魔核は一日で情緒不安定になり、二日でまとな意思の疎通ができなくなり、三日目には狂ったように魔法を乱打しはじめたので叩き壊した。コイル部分が核になっているため、そこを壊され沈黙した。

 従って魔核の製造には基本的に赤子の形質魔力を使う。物心つく前の赤ん坊の形質魔力で魔核を作り、まっさらな状態から「魔核」という存在として教育していけば狂う事はない。

 魔核にした直後の魔核はそれこそ赤子のように始終泣き喚くが、三年もすると落ち着いてくる。普通の人間よりも思考能力が高いのが幸いしてか、精神的成長は早い。とにかく昼夜問わず積極的に話しかけ、様々なものを見せたり聞かせたりするのが良いらしく、人間的に扱おうとすると逆に狂う。魔核としてのアイデンティティを確立させてやらないとダメ。

 独特のエコーがかかった声で喋る。

 魔核は意思を持つ故に商品として扱うと機嫌を損ねる。ある程度人権が認められており、所有者の一存では破壊できない。

 マナのチオチモリン溶液に浸かっていると気持ちいいらしい。一説には容積中のdm量増加によって生じる何かしらの力場の問題じゃないかと言われているが定かではない。



・小型魔核(冷却魔核)


 基本的には通常の魔核と同じ。

 従来の製法の改良版。チオチモリンを低温にし、攪拌せずメタモリウムをゆっくり結晶化させる。作成にかかる時間は攪拌式が数時間、結晶式が一ヶ月。結晶式の魔核は小さめのビー玉程度の大きさで攪拌式の魔核(ピンポン玉サイズ)と同程度の性能を持つ。



・リビングアーマー


 対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。魔核が人型で行動する必要がある際に搭乗する。

 ドヴェルギウム製のスリムなフルプレートアーマーボディに、スライミウムを使った魔導筋肉。頭部のバイザーから覗く魔核(本体)がモノアイのよう。ナイトブレイザー、あるいは四次バーサーカーを想像すれば分かり易い。

 リビングアーマーは魔核が魔力操作によって体の各部を駆動させて動く。超変換タキオンも組み込まれていて、クイックムーブも可能。組み込まれたラピュタイトによって重さも自由自在で(軽減無しだと200kg)、その気になれば空も飛べる。魔力補給は賢者の石によって迅速に行う。

 個体によっては掌に小型魔導砲仕込んでたり、一発限りの超威力パイルバンカーを装備していたり、バイザーから魔導ビームが出たり、腕にヒヒイロカネとミスリルの合板製サバイバルナイフを格納してあったり、自爆機能がついていたりする。



・ホムンクルス


 魔導を使って造られた人造人間。形質魔力の解析結果を用い、多数のサンプルから人間の赤子を示す形質魔力を作成し、物質を使って具現化した生物。

 法術研究のために製造されたが、法暦211年のホムンクルス製造凍結以降はほぼ製造されていない。多くのホムンクルスはDNA改造を施されており、一~十八種類の法術鎖を常時同時生成維持する。



『ドラゴン族』


 ドラゴン族にはドレイク、ネッシイ、ワイバーン(スルペェティ)が分類されるが、この内先天的に魔法的素養を持っているのはワイバーンのみ。


 ワイバーンはヌラァフ大陸オロス山に巣食う空飛ぶ爬虫類。生まれた時から魔力覚醒しており、魔力を認識できる。魔力密度は1.6~1.8mp程度で、魔法は使えない。警戒心が強い。

 六~十頭ほどで一つの洞穴に住む。仲間意識が強い。総個体数は二千前後。

 体は腹以外深緑色の鱗で覆われている。ゴツゴツした突起がある厳めしい顔の頭頂からは鋭い角が生えている。50cm程度の尾があり、こちらは先端部分は鱗がない。後脚はがっしりしていて爪も鋭い。全体的に筋肉質で、ハンマーで殴ったぐらいではビクともしない頑強さを誇る。翼には細かい羽毛が生えている。雄の角は純白で太く、雌は乳白色で細めの短め。全長3.6m、翼長7m、体重190kg。死亡すると体重は470kgになる。最大飛行速度は150km/h。

 体重軽減法術を持っていて、自重を軽減している。肉食で、狩るのは主に羊。たまに馬、熊、イルカなど。肉の味は薄くて淡白。無駄に噛み応えがあり、一応食べられるがあまり美味しくない。

 乾季の前には巣の中のドキド・キノコを食べ、乾季が空けるまで丸一ヶ月仮死状態になる。この時に体内の体重軽減法術を再構築する。代謝と共に法術は減っていくため、乾季明けで法術が最も多い時期に頻繁に狩りに出て、乾季が近づくにつれて狩りの頻度は落ちる。



『秘薬薬草』


 覚醒鎖を生成する特有のタンパク質を生成する形質を持った植物。


・マンドラゴラ

 ビルテファ王国が発見、独占使用していた。王国滅亡後はナルガザン帝国が独占使用。が、ロバートの手によって絶滅。

 有毒。毒の中和剤が存在したが、失伝した。毒の中和をしなければ摂取時身体に重度の機能障害が生じるが、魔力覚醒自体は問題無い。

 根粒菌と共生関係にある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF

↑こんな植物。


・ムスクマロイ 

 ロバートが生前東の森の入り口付近で発見した。食べると甘い。摂取して数日は体が凄くムズムズする。膝丈ほどの特に特徴のない単子葉類。

 特定の種類の植物との間にアレロパシーを有する。

 法暦20年頃からはエルフィリアでのみ栽培されており、自生地はない。


・トレント

 大根に酷似した形の木。東の森の奥に存在する。葉、枝、幹、根など、全ての部位に魔力覚醒効果があるが、いずれの部位も猛毒。摂取すると死ぬ。毒の中和法は発見されていない。

 ファンキーモンキーと共生関係にある。踊りが好きな猿達は毒性の強いトレントの木付近を縄張りにし、トレントの実をもいで携行し、天敵に遭遇すると投げつけ撃退する。トレントは実を武器として猿に提供する代わりに、遠くに運んでもらって生息域を拡大している。


・ドキド・キノコ

 ヌラァフ大陸のオロス山のスルペェティの巣に生えている、紫色の斑点が特徴のキノコ。スルペェティの死体を苗床に繁殖する。仮死成分を含む。摂取すると魔力覚醒するが、分量によっては仮死効果も付随し、仮死状態になる。摂取量が多いと仮死状態になったまま目覚めず死亡する。適切な量を摂取すれば仮死から目覚めた時に体重軽減法術が形成される。



『作中の論文、「プラント・ゴーストの生態研究」について』


 実際に森の中に入り、プラント・ゴーストを追跡調査した結果分かった事をまとめたもの。

 簡単に言うと、トレントのプラント・ゴーストができるのはファンキーモンキーと共生関係にあるから。ファンキーモンキーはトレントを巣にし、トレントの枝の上、洞の中で眠る。トレントは猛毒を持っているので他の生物が近づかず、天敵に襲われる可能性が低い。

 形質魔力は体内だけではなく体表にも展開されているので、ファンキーモンキーがトレントと物理的にも密接に接して生活していると、ファンキーモンキーの形質魔力がトレントに混ざる。多少形質魔力が混ざっても短期的には何の影響もないのだが、長期に渡って形質魔力が混ざり続けると、本来物質の性質を記録するものである魔力が、少しだけフィードバックを起こして物質に影響を与え(記録していた情報を逆に与え)る。どの程度の期間・量・頻度でどの程度のフィードバックが起こるかは魔力の構造によって大きな差がある。

 そうして魔力のフィードバックによってファンキーモンキーの性質を一部得たトレントは、ファンキーモンキーに近い姿・習性を持ったゴーストになる。

 マンドラゴラ、ムスクマロイはそもそも寿命が短い植物なのでフィードバックが起こるほど長期的な形質魔力の混入が起きない。ドキド・キノコはフィードバックが起こる程度の寿命がギリギリあるが、ワイバーンと接触するのは乾季の直前だけなので、形質魔力の混入頻度が低く、フィードバックは起きない。従ってプラント・ゴーストが生まれるのは(少なくとも自然状態では)トレントのみ。

 このあたりの理屈のとっかかりをプラント・ゴーストの生態の追跡調査を通して発見したのが「プラント・ゴーストの生態研究」。




―――――――――――――【天文・世界】―――――――――――――


『世界』


 エルフィリアでは科学が発達していた前世の地球が存在する世界をガイア、マッチポンプ世界をエーリュシオンと呼んでいる。


 dmは魔力鎖の形で情報を保存するが、ガイアの魔力密度は途轍もなく薄く、通常情報の保存に必要なdm数すら確保できない。偶然魔力帯性が非常に高く生まれついた生物(この時点で極小数の人間に限定される)はdmを吸引する力も強いため、なんとか情報保存に必要なdm数を確保できる。そのような生物が死亡すると真っ先に肉体情報を記録した魔力鎖が拡散し、次に記憶を記録した魔力鎖が拡散するのだが、拡散し始める最初の段階で「エーリュシオンに転移する法術鎖」の形態をとる。死体の中に封じられた形質魔力が不老効果を持つ法術鎖に変化するようなもの。そしてエーリュシオンに転移。エーリュシオンとガイアは非常に似た世界であるため、ガイアの地球で死んだ場合、エーリュシオンにおけるガイアの死亡位置に相当する場所に出現する。転移後は普通に拡散。

 遥か昔はガイアの魔力密度はエーリュシオンと同程度に高かったのだが、充分な魔力密度を持った生物が死亡するたびに魔力がエーリュシオンに転移していくので、どんどん魔力密度が下がっていった。逆にエーリュシオンの魔力密度はガイアから送られてくる魔力によって上がっている。

 エーリュシオンで生物が死亡した場合も魔力鎖は拡散し始める最初の段階で「エーリュシオンに転移する法術鎖」の形態をとるが、既にエーリュシオンに存在しているため、効果を発揮しない。

 エーリュシオンとガイアは物理法則も魔法法則も全く同じ。魔力密度さえ確保すればガイアでも魔法は使用可能。



『天文』


 この分野では相対性理論に矛盾が生じている。【ご都合主義】【ファジー理論】【似非科学】などによってこの矛盾は許容されるものとする。



 エーリュシオンの天体はガイアととてもよく似ている。月が一つあり、太陽がある。多少歪ではあるがオリオン座に相当する星座もある。少なくとも太陽系の惑星は全て存在する。

 トラペゾヘドロンを利用した通信によって星間瞬間移動、物資輸送が可能。

 月には既に基地が造られている。月の地表や大気成分の分析、月面地図の作成など科学的な研究から、月の地中に含まれる魔力の密度・総魔力量の計測、魔力鎖の解析など魔法的アプローチの研究が行われている。エルフの研究者や観光客も時々基地を訪れるものの、基本的にゾンビがメインで活動する。リビングアーマーの割合も増えている。

 月の他にも金星と火星に基地が造られ、活動中である。法暦191年時点で太陽系の外にまでトラペゾヘドロンを介して移動できるようになっている。


 星全体で保有する魔力量を計測計算すると、星によって異なっているのが分かる。この星毎の魔力密度差にはある程度規則性があり、特定の方向に近付くにつれて星の魔力密度が上がっていき、遠ざかるにつれて下がっていく。数光年~十数光年の単位で比較しなければ分からない程度のものではあるが、歴然とした事実である。

 魔力密度が濃くなる方向の先にある点、即ち宇宙で最も魔力密度が高くなると思われる点を座標Xという。

 魔力密度が高くなっていくその先に何があるかについては「dmアダム論」「中性子星理論」の二つが有力視されている。



・dmアダム理論


 ダークマターの起源は座標Xであるとする理論。

 ダークマターは座標Xで発生し、もしくは発生し続けており、そこから宇宙塵や隕石を介して宇宙全体へ広がっている。恐らく宇宙のはじまりであるビッグバンと同時にダークマターは発生したのであろう、という理論。



・中性子星理論


 座標Xはかつて中性子星があった地点であるとする理論。

 中性子星とは質量の大きな恒星が進化した最晩年の天体の一種である。中性子が主な成分の天体で密度は太陽の密度の百兆倍以上。具体的な数値で表すと1cm³当たりで10億t。重力も重力は地球の重力の2×10^11倍もの大きさがある。

 中性子星も昔は恒星であり、ダークマターは存在していて、それが星全体に均一に分布していた。恒星から中性子星へ、星が収縮する時、ダークマターの量はそのままに星の体積は小さくなる。百兆分の一以下になる。魔力密度は百兆倍。

 魔力密度は6216^2=38638656mpが限界であり、この密度に達するとダークマターはマナとして結晶化(物質化)する。物質化すれば重力の影響を受けるようになり、中性子星の途方も無い重力に引き付けられ、無理やり圧縮される。

 物質の魔化は陽子数を基準として起こるため、中性子星で魔力がどのような動きをするのかは不明。中性子の塊であるから、中性子星全体が消失するのかも知れない。ダークマターが弾き飛ばされるのかも知れないし、むしろダークマターの方が中性子に変化する可能性もある。

 数ある可能性の一つとして、中性子星においては中性子とダークマターは独立して動き、ダークマターはマナ結晶になる、というものがある。従ってダークマターは中性子の塊の中でも質量変換を行えると仮定した場合、中性子星では

 ダークマター分子→圧縮されてマナになる→更に圧縮されてオドが空のダークマター分子×2になる→ダークマターが質量を変換してオドを充填→再び圧縮されてマナになる

 というループが起きると予想される。

 要約すれば、中性子星の莫大な質量の大部分がダークマターに変換され、途方も無い量のダークマターができ、そのダークマターが宇宙塵や隕石を介してその周辺に広がった。このような考えが中性子星理論。



 dmアダム理論と中性子星理論を複合した理論も提唱されている。



『仮想空間』


 魔化の際に消失した中性子(の質量)が一時的に格納されている異空間。

 擬似物質の消失に伴って消失する熱エネルギーもここに格納される。

 魔法に関連する辻褄の合わないエネルギー、物質の出入りには仮想空間が関与している。


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― 新着の感想 ―
[一言] ウランの魔質の名称が?ですが、その性質からシンデレラを連想しました。シンデレラは、時間経過で魔法が解けるので。 シンデライトとか、シンデリウムとかその辺でどうでしょう? 面白かったです。よ…
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