第24話 デスクワークは楽勝だと思ってた時期が、僕にもありました
「いたたた……」
「大丈夫かぁ?」
「つめてぇ!」
吾郎が湿布を背中に貼ってくれた。
なんとか1日頑張ったが、俺の体はボロボロになってしまっていた。実際の現場でも…
「おい早く運べ!」「もたもたすんなー」
返事すらままならなかった。ただ、黙り込んでいると今度は
「やる気ねぇなら帰れ!」
って怒鳴られちまう。もういいやと思って帰ろうとすると
「帰ってんじゃねぇ新入り!」
うん、もうわからん。
みたいな感じで、散々だったのさ。
寝ながらタ○ンワークを読んでいると、一つの募集が目に入った。
『アットホームな職場です!』
『快適環境でデスクワーク!』
「…これだ」
思わず声に出していた。
2日後、俺は早速面接に向かった。
「へぇー、なるほどね」
俺の履歴書を一通りみて、面接官が言った。
「うん、採用になると思います」
おお!まさかこんなにあっさり決まるとは。
「採用へ向けて、いくつか質問をさせてもらいますね」
「は、はい」
「日程や時間で希望はありますか?」
「いえ、いつでも入れます」
「副業は出来ませんがよろしいですか?」
「大丈夫です」
「ありがとうございました。数日の間に内定承諾書をお送りしますね」
なんて手際が良いんだ。惚れたぜ。
お前ら、残念だったな。俺はついに完全にニートを卒業した!
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