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【Another】星の代理戦争~Twin Survive~  作者: 一 弓爾
一章 星の代理戦争 前編

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三十四話 獣との激戦

 光葵が先手を打ち、氷の矢を放つ。それを男は躱し、毒の泥を光葵目掛けて〝広範囲〟に振り撒く。


 光葵は毒の泥が当たらない位置に下がる。地面が溶ける音が聞こえてくる。


 あんなもん当たればプロテクト魔法も溶かしそうだな……。


(みっちゃん。氷魔法主体で戦う方が相性いいと思う。氷を纏うこととかできそう?)


 影慈の声が聞こえてくる。


「プロテクト魔法みたいに身体全体は難しいが、部分的ならできそうだ。やってみる!」


 光葵は手早く答える。


「《氷魔法――アイスグローブ》……!」


 両手に氷魔法で、ボクシンググローブのような形のグローブを創出する。

 自分の魔法だからか、冷たさはさほど感じない。


「行くぞ!」


 光葵は再度詰め寄る。ただし、毒を防ぐために氷魔法を主に使いながらだ。


 飛んでくる毒に対して、氷壁を創出したり、氷弾を撃ち込み相殺する。


「フンッ! やるな……」


 男は最短距離で光葵の位置に来るために氷壁を一瞬で溶かす。


 毒の強度も変えられるのか……。にしてもすごい溶解力だな。近づかれ過ぎると危険だ。


 光葵は手を上げる動作と共に地面から複数の氷の槍を創出する。


「色んな芸当ができるんだなぁ!」


 男はそう言いながら、男は構わず槍を蹴散らし向かってくる。


 右腕の振りが見える。また毒を振り撒く気か……そう思った直後、男は左手に溜めていた毒を〝霧状〟にして噴射してきた。


 思わぬ攻撃に防御が遅れる……。

 まずい、毒を吸ってしまった。目、鼻、喉が焼き切れるように痛い……。呼吸もしづらい……。

 右手の毒の攻撃までもらうと致命的だ……。


 氷壁で自分を囲むか……? いや、その壁をも溶かして攻撃してくるだろう。だったら――。


 緊急回避――自分の足元から氷柱を三メートル高速で創出する。結果、花火のように打ち上げられる。

 この数秒の時間が欲しかったんだ……。


 身体強化魔法で両目の血流を早める。

 激痛が走るが、目にかかった毒を無理やり涙と共に排出する。


 クソッ……。流石に無茶だったか、でも、だんだん視界がクリアになってきたぞ……。


「今度は大道芸か? 下りて来た所を狩ってやるよ……!」


 男の声が聞こえてくる。


 狩れるもんなら狩ってみろ……! 男はおそらく目が見えないと思っている。その隙を衝く。


 ――回復完了。男の挙動が確認できる。右手で光葵の顔を狙っている。あいつ殺す気か……?


 だが関係ない。光葵は身を捻じり男の右手を躱し、後頭部にアイスグローブによる体重を乗せた一撃を叩き込む。


 男が数メートル吹き飛ぶ。


 光葵は受け身をとり、何とか着地し男を見る。


 気絶しているのではないかと思っていたが、ゆらりと立ち上がっているのが目に入る。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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― 新着の感想 ―
Xの方から早速伺わせていただきました! ここまで読んだ印象として、特定の誰かに深く刺さるというよりは広く受け入れられるものを目指した、そういう意図の感じられる王道を意識した作品だと思います! キャラ…
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