二十二話 他の参加者
翌日。
いつものように放課後に頂川と合流していた。
「頂川、今後の動きを相談してもいいか?」
光葵が真剣な眼差しで頂川に問う。
「おう。問題ないぜ」
頂川がすぐさま応じる。
「悪魔サイドの敵を見つけるのも大事だとは思うが、今は〝天使サイドの仲間〟を集める方がいいと思うんだ。数的有利が取れることはかなり大きいと思う」
光葵は今までに頂川がいたおかげで、修行や戦いを有利に進められたことを考え提案する。
「そうだな。一緒に戦って勝てたしな。やっぱり仲間は多い方がいいか」
「うん。できれば最低でも三人で戦えるようにしたい」
光葵は右手で三つ指を立てる動作も混ぜる。
「オーケー! じゃあ、仲間探しをしつつ、もし悪魔サイドだったら叩くって感じだな!」
頂川はグッと腕を曲げてみせる。
「そうしよう!」
「そういや、今まさに戦ってる奴もいるかもしれないんだよな……」
頂川は真剣な表情で呟く。
「そうだな。戦いが起こるのは正直いつになるか読めないからな……」
◇◇◇
一方その頃、天使サイドと悪魔サイドの参加者が相対していた。
天使サイドは三十代の男。七三分けにワイシャツ、黒のスラックスにメガネ。まさに現代の真面目なサラリーマンといった出で立ちだ。
逆に悪魔サイドの二十代前半の男は〝現代から程遠い〟風貌をしていた。
羽織袴に黒髪の総髪……現代風に言うと伸ばした髪をオールバックにし、後ろで引き結んでいる。腰くらいの高さまで髪を伸ばしているためロングのポニーテールにも似た見た目だ。
一言で表すならばまさに〝侍〟だ。そして、ギターケースを背負っている。何とも異質な印象である。
先に声を出したのは天使サイドの男だ。
「あなた、悪魔サイドの参加者ですよね。それにしても、時代を間違えてタイムスリップしたような格好ですね」
淡々とした物言いだ。
「そうか……」
一言のみ返答がある。
「果たし合いの前には名乗る必要がありますね。私は結城常選と申します。あなたは?」
結城は丁寧な言葉で自己紹介をする。
「……志之崎刀護だ」
またしても一言のみの返答だ。
「そうですか。何か私が想像していた印象とは違いますね。侍は名乗りを上げるのが作法、美徳かと思っていましたが、あなたはそういった感じではない」
結城は人差し指でメガネを軽く押し上げる。
「……名乗りを上げることも重要な作法だ。だが、俺はこの代理戦争においてあえて名乗りを上げてから戦うつもりはない。あくまで、俺の目指す世界のために刀を振るうだけだからな」
志之崎はそう言いながら、ギターケースから刀を一振取り出し、ギターケースを地面に置く。
「そうですか。これは申し訳ない。勝手な思い込みで話を進めてしまいました……。長話をしていても仕方ないですし、始めましょうか」
お互い冷静に、だが粛々と火蓋は切られた――。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




