表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Another】星の代理戦争~Twin Survive~  作者: 一 弓爾
二章 星の代理戦争 後編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/125

百六話 第三の目

「うっ……痛いわ……。《合成魔法》《付与魔法×回復魔法――瞬間再生》」


 清宮は痛みに顔を歪めながらも魔法を発動する。

 回復能力が付与魔法で一気に引き上げられ、左腕が一瞬にして再生する。


「なっ……腕を生やしたぞ。魔眼で分かる……。あの女、『一属性にマナを集約』するのが尋常じゃなく上手い。マナ操作が緻密過ぎる……」


 カイザーは驚嘆の声を上げる。


「そんな合成魔法の使い方もあるのね。防御なんてお構いなしね……」


 清宮は冷静な声だ。


「ちっ、その分マナ消費は大きいだろ……。それとカイザーあいつの固有魔法はおそらく《五感強化》だ。身体能力もかなり高いと思う」


 比賀は勝つための情報共有をする。


「さあ、戦いを続けましょう……」


 神聖さすら感じる声で清宮が開戦を促す。


「出し惜しみしてると、押し負ける……。全力でいく! 《魔を狩る黒衣こくい》……!」


 カイザーの魔眼から発せられた黒く輝く光が身体中に移っていく。魔眼の能力《マナ吸収》が身体中に付加される。

 結果、敵の攻撃を弱体化しつつ、自分のマナにすることができるようになると聞いている。


「《水魔法――強化水圧移動ウォータージェット高圧穿孔こうあつせんこう、強化水龍》……」


 清宮は一度に複数の魔法を使用する。

 ウォータージェットで手足から水を噴出し素早く動きながら、適したタイミングで両手から高圧水による穿孔を放ってくる。


「くっ速い。魔眼でも捉えるのがやっとだ……。《魔眼散弾》《魔眼砲》……!」


 カイザーが魔法を放つも躱される。


「ガキ、女の動きは予想以上に速い。私がワープで先回りして攻撃する。二人で追い込むぞ」


 比賀がカイザーに気合を入れる。


「分かった。気を付けろよ」


 カイザーが一瞬比賀に目を合わせる。


「ガキ、あんたもな」


 比賀は軽く笑う。


 比賀が不規則にワープし、致命傷を与えるために攻撃する。


「《空間裂断》……!」


 清宮は空間裂断の致命傷を避けるために回避に集中しているようだ。


「まだだ……。《乱生魔法――心魂乱打しんこんらんだ》……!」


 比賀は相手に触れることで直接的に〝心と魂〟を乱しダメージを入れる技も使用する。


 清宮の動きがより警戒した動きへと変わっていく……。


「動きがつたなくなってきておるぞ……」


 カイザーが《高圧穿孔》をギリギリ躱しつつ至近距離で《魔眼砲》を清宮へ撃ち込む……。


「ヤラれたわ……」


 清宮は頭から血を流す。

 直後「《合成魔法》《付与魔法×回復魔法――瞬間再生》」と詠唱し傷口はふさがる。


「汝の回復力は異常だな。それにマナの総量もかなりのものだ……」


 カイザーの頬から汗が一筋落ちる。


「あなた達、本当に強いわ。でも、命懸けの戦いのおかげで、目醒められそうな気がしてきたわ……」


 清宮はどこか〝今現在ではなく違うもの〟を見ている様子だ。


「何よそ見してんだい!」


 比賀は後方から《空間裂断》を放つ。……が放った時には既に清宮はいなかった……。


「左だ!」


 カイザーの声が聞こえる。


 比賀は反射的に左に乱生魔法を放つ。清宮の《高圧穿孔》の軌道を乱すも、比賀の右肩を貫通し血飛沫がくうに舞う。


「ちっ、痛いじゃねぇか。というか何だ今の動き。攻撃を予見したような動きだった……」


 比賀は驚きつつ言葉を紡ぐ。


「比賀気を付けろ。女の様子がおかしい……。人が変わったみたいだ。いや、生物としての『格』が上がったような……」


 カイザーが焦燥感に駆られたように言葉を発する。


「ふふ……。今まで何度も『上の段階』を目指してきたけど、ここにきてやっとね……」


 清宮は妖しく呟く。


 明らかな変化として、清宮の額に金色に輝く〝第三の目〟が浮き上がっている……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ