表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Another】星の代理戦争~Twin Survive~  作者: 一 弓爾
二章 星の代理戦争 後編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/125

百話 想い合う二人

「ふざけないで! コウさんを殺しておいて! 殺してやる!」


 美鈴はゴーレムの破片を、一気に自分を巻き込む形で頂川目掛けて大量に放つ。


「命は大事にしろ……」


 頂川は《雷盾》で美鈴も含めて、防御する。


「インビジさん! 起きて!」


 美鈴が更にマナをゴーレムに送ろうとする。


「これ以上アイツに無理させんな」


 頂川は美鈴に電撃を与える。

 そして、倒れる美鈴を支え地面に寝かせる。


「殺せ……ないなら……自分……で」


 美鈴はゴーレムの破片を自分の頭に撃ち込もうとする。


「馬鹿野郎が……!」


 頂川が大声を上げる。


「あんたには大事に思ってくれる人がいる……。たしかに、俺の仲間が殺しちまったのは事実だ。それでも、優しいマジシャンとあんたを思いやる侍がいるのを俺は見てた。あいつらと過ごした時間で少しでも生きたいと思ったなら生きろ! あの侍は俺が殺させない。約束だ!」


 頂川は噓偽りない言葉をそのまま届ける。


「そんな……こと……信じれない」


 美鈴は痺れながらも目を合わせる。


「コレは漢の約束だ。絶対破らない。あんま時間もない。あいつらと過ごした時間、あんたのことを大切にしてくれてる人のことを思い出せ。その上で生きたいと少しでも思えればそれで十分だ……」


 頂川はそう言い、十秒程無言で待ち続ける。


「……シノさんのこと……死なせない……?」


 美鈴がゆっくりと涙を流しながら尋ねる。


「ああ。絶対だ!」


 頂川は短く、そして明瞭に返答する。


「……分かった。美鈴……あなたに……降伏する」


 美鈴は静かに目を閉じる。


「そうだ……。それでいいんだ。生きなきゃ、折角生まれた意味がそこで終わっちまう……」


 この瞬間、頂川は《使役魔法――インビジブルゴーレム》が使えるようになる――。


 ◇◇◇


 同時刻、美鈴の守護センサーの反応が消えた。


「お前ら……。これ以上俺から大切な者を奪うか……!」


 志之崎は咆哮を上げ、右脇腹に突き刺さったグングニルを強引に引き抜く……。

 地面の血溜まりが倍以上に広がる。


 そして、目の前に広がるもの全てを破壊し尽くす勢いで、《風魔刀――駆天乱斬》を放つ。


「マナ出力が桁違いだ。死ぬ気か……」


 そう思わせる程のマナ出力の魔法が、光葵に襲い掛かる。


 《想像的生成、擬似聖盾アイギス》を使うも、強烈な勢いで斬撃と共に吹き飛ばされる……。


 志之崎はそのまま、頂川の方に向かう。


 まずい……!


 ◇◇◇


「金髪! 美鈴を返せ!」


 志之崎は鬼の形相で、神風かみかぜの如き速さで斬りかかる。


「それだけ大切に想われてるなら安心だぜ……」


 頂川は斬撃を全て躱し、姿を消した……。


「消えた……? いや、美鈴が無事ならいい……」


 志之崎は美鈴を抱えて美鈴家へ向かう。


 ◇◇◇


 美鈴家にて。


「アンナさん……。申し訳ない。俺が弱いばかりに美鈴を護れなかった……」


 志之崎は頭を下げる。


「シノさん……! すごい怪我ですよ。早く手当を……!」


 アンナは驚きの声を上げる。


「コレはいいんだ。伝えたいことがある。聞いてくれ。美鈴はここ三ヶ月の記憶がなくなっている。詳細は言えないが色々と事情があってな……。頼みが一つある」


 志之崎はアンナの目を真っ直ぐ見つめる。


「……何でしょうか?」


 アンナは素直に応じてくれる。


「美鈴に生きる大切さや楽しさを伝えてあげてほしい。この子は両親が死んでしまい、孤独を感じることもあるだろう。それでも、アンナさんがいれば……愛してくれれば、真っ直ぐいい子に育つと思う。今までお世話になりっぱなしで、最後に頼み事をして申し訳ない。何卒お願いしたい」


 志之崎は再度深々と頭を下げる。


「頭を上げてくださいシノさん。分かりました。もちろん、そうするつもりです!」


 アンナが太陽のような笑みを浮かべる。


「そうか……。よかった……」


 志之崎はアンナの芯のある顔を見て、その場を立ち去る。


 幸せになってくれよ美鈴……。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ