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まとめ本題第六弾

プロットを作ってから書くタイプじゃないんで、これには触れたくなかったけど。

そうも言ってられない。


テーマがはっきりして、序盤の魅せ方で戦略が決定したら、それに沿ってプロットを作らねば。


まず、「主人公が何をする物語なのか?」がはっきりと決まったら、その時点で一行程度のあらすじにはなっているはずだ。頭の中で。

着地点を考えられるだけの道筋はついてなくちゃいけない。


今書いてる作品、『花は花に、鳥は鳥に。』の場合、第一話を書き終えたときに作ったプロットがコレ。



 テーマ》

  別れると決めないで、もう少し様子をみてみよう。


 プロット》

  旅行先で、叔母さんと娘さんと出会う。

  浮気者の旦那と長年連れ添ってよかった、という意見を聞く。

  別れるのは簡単だから、もう少し迷ってみてもいい。納得。


こんだけだ。(笑


御存じの通り、現状は第二章で浮気相手だった遙香のパートへ突入している。(笑

それに応じた新生版プロットもある。

こっちはもう乱雑で、ネタの走り書きみたいになってて、メインは頭の中だ。

だから、第一章の最終直前、第八話の途中で止めて第二章を先に書いている。(笑

まるでどこかの建築途中の寺院みたいなもんで、後から付けたして整形していくタイプなのだ。

第二章のめどが立てば、自然と第三章が必要か否か、第一章のラストも決まろうというものだ。

だから今は、まだ第一章のラストシーンを決定していない。(苦笑


作者の数だけ作品の造り方というのがある。

わたしは特に基本から外れた論外な制作方法を取っているから、参考にならないだろうから、書かなくていいかと思っていたんだ。


けれど、どういう造り方だろうと、全体のストーリーラインは確立しておかねばならない。

完成後に影も形もなくなってしまうとしても、一本の道としての仮設路線は必要だ。

始点と終点があることは、最低限、完結させるためには不可欠な要素だ。

終点が多少ズレようが目的が変化しなければいい。

一番最初に決めた「主人公に何をさせる物語なのか?」が変化しなきゃいいんだ。


芯となるテーマに、後付けのテーマが幾つも合流していけば終点の位置もズレるだろう。

その終点を知っているのは作者だけなのだから、読者は変更後の終点を最初からの終点ではない、などとは夢にも思わない。作者がバラさない限りはね。(笑


新生プロットのほうで、わたしはあの作品に新たにテーマを付け足した。

浮気された側を書いたから、浮気した側を書いた。

なぜ、と問いかけた紗枝の疑問の答えが、文章の中に透けてみえるような仕様にしたいと、それがギミックであり、テーマだ。


このように、わたしは作品ごとにプロットの造り方まで変化するタイプの作者だから、教えることには適していない。(苦笑


だが、序盤が出来上がれば、次はラストへ向けての本流が必要となるわけだ。

序盤だけで終わる小説ってのは、さすがに数が少ないと思うから。

序盤があり、どんでん返しがあり、ラストシーンに続く。その場面場面を繋ぐ誘導のシーンがある。

序盤が「起」であり、どんでん返しが「転」であり、ラストは「結」、誘導が「承」だ。

だから「承」はエピソードごとに沢山出てくるものだ。


最初に定めたテーマや付け足したテーマ、ギミック、それらを矛盾なく紡ぎあげ、小さく畳んでいかなければいけないから、全体のおおまかな流れとそれぞれのエピソードの関係は頭に入っていなくちゃいけないってことだ。

最後は、たった一つのシーンに収束していくんだから。


小説は、最初は分岐していく。

いろんなエピソードが次々と生み出され、房となる。

それが、途中からは結合されてゆかねばならない。

最終的には、たった一つにまで絞るということだ。

それが、難しいから、どんな形であれプロットが必要なのだ。


小説家が基本的に必要とする才能は、この「畳める能力」だ。

作家になれるか否か、第一関門であり、ここで振るい落とされる者は少なくないと思う。

終わればいいというわけじゃない。綺麗に収束する、という意味で畳めることが条件だ。

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