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≪室町時代≫ 花の御所と中条流

 兵法三大源流の始祖――念阿弥、飯笹家直、愛洲久忠の三人にある人物を加えて

兵法四大源流と称す説がある。その4人目の剣士の名は中条長秀。


 中条長秀は足利尊氏に従って鎌倉幕府を滅ぼし、武功を立てた中条景長の次男で

室町幕府の評定衆や足利義満の剣術師範でもあった。

長秀は念流の念阿弥に師事したと伝えられており、また祖父の中条頼平、あるいは父の景長も刺撃の名人であったことから、念流の妙技と中条家家伝の刀法が合わさって出来たが中条流なのではないかとされている。


 中条流は短い太刀を用いることが有名な剣術であるが。この理由としてはおそらく将軍足利義満の剣術師範であることと、時代背景が関係していると思われる。南北朝の動乱から室町時代にうつり室町幕府3代将軍足利義満が京に君臨すると花の御所が現れた。南北の争いは依然として続いてはいるが大規模ないくさから散発的なゲリラ戦へと移り、いつ個人が襲われてもおかしくない時代だ。とはいえいつも弓や長刀を持って歩けるわけでもないし、屋内や街中においては使用が困難である。そこで携帯性や殺傷力という点から刀を以て自衛や敵を斃す技術が必要となり取り回しやすい短い太刀を使った中条流の長秀にスポットライトが当たったのではないかと思う。




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