367話 10/17 ジョシュア来店
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割と良い感じに大量生産が出来ているようだった。これなら、手続きを早めにしておいた方が良いだろうな。今日にでも行って来て手続きをしてしまうとするか。急ぎの案件だからな。
手続きはそんなに難しい事ではない。店を買って、看板を貰って、警備結界を買って、税金を払ってお終いだ。面倒な調整なんかは、商業ギルドがやってくれることになっている。こちら側がやる事は、案外少ないんだよ。後は、幟を用意するくらいだろうか。幟も必須だよなあ。宣伝になるんだからしないといけない。作る手間もそんなに無いんだしさ。
とりあえずは急いでみて、駄目そうならそれはそれでという感じで良いと思うんだよ。特殊な事をやらせるわけではないから、その内真似されるとは思うんだけどな。
真似されない内に稼いでおきたいとは思う。他の副業が思い付かないからな。ブランド化が出来れば良かったんだろうが、まずもって無理だろうからな。携行食だぞ? 安さを売りにしないと。
1食大銅貨3枚が安いのかどうかだよな。骨の値段を考慮していない金額がこれだ。魔道具代と魔石代、住宅代を考えると、元を取るのにこのくらいの金額の方が良いと考える。
1年で真似されると思っておいた方がいいからな。1年で売り切りたいと思っている。時間が経つと利益が大きくなっていくと考えれば、十分だと思うんだよな。
何処までやれるのか、だよな。何時までやれるのか、だよな。ずっとは無理だと思う。安定した商売になる可能性があるんだから、参入はし易いだろうな。多分だけど。
塩の価格を上げられなければ大丈夫だと思うんだよ。塩を保存食価格にされると、値上げをしないといけないんだけど、そこまでしてくるのかが疑問な所だな。干し肉とは違うんだよ。
まあこの間解ったことなんだけど、干し肉は干している訳では無いらしい。塩は大量に使うんだが、魔道具で干し肉にしているんだそうだ。塩がその分大量に必要らしいんだけどな。
魔石も使うしな。どうりで高いわけだ。塩の値段もそうだが、高すぎてもな。売れない値段にはしないと思うんだ。だが、冒険者たちには必須の様な物だからな。
早く帰って来れる小規模クランでも、ある程度は必要なんだから、当然だよな。長丁場になる可能性もあるんだから、持っていかない訳にはいかない。食糧だもの。
水もそうだしな。水は最低限必要な物資だから。喉が乾いても水分を補給しないというのは危険すぎる。集中力が落ちるんだから、水分補給は必須だろうと考えている。
だから、簡易スープの素は売れると思っているんだよ。水分も補給できるし、腹も多少は膨らむ。良い事だとは思うんだけどな。値段の設定は、ちょっとだけ高めだが。
薄利多売はリスクが大きい。真似された場合、投資資金を回収する前に店を畳まないといけない可能性が出てくるからな。値下げ合戦も避けたい所。相手側がどう出てくるのかだよな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「おう、邪魔するぜ。今日もゆっくりと買い物をさせてくれや」
「ああ、ゆっくりと見て行ってくれ。そして買って行ってくれ。売り上げに貢献してくれると助かる」
「って言っても、必要以上には買わないけどな。必要分だけで良いんだよ。雷属性の魔法があれば十分なんだよな。他の属性の魔法も幾つかは買うけどよ」
「そう言ってもらえると作った甲斐があるが、雷属性の魔法にだけ慣れて貰っても困るんだ。この魔法が無いと戦えないと言われてしまったら、お終いだからな。適度に買ってくれ」
「そりゃあ解っているさ。適度にしておかないと、無くなった時に困るのは俺だからな。他の魔法も使って、戦い方を工夫するのが普通の魔法使いだ。1つの魔法に頼っていたら駄目なんだよ」
「解っていても、魔法は売り続けるんだがね。便利だと解っていて使ってもらう様にしているんだからな。これが売れてくれないと、店の売り上げが上がらないんだよ」
どの魔法でも、同じ値段だけどな。だが、折角作っているんだから、どんどんと売れてくれる方が良いのは確かだ。使い勝手が良い分、皆買ってくれるとは思うんだけどな。
「そう言えば、ジョシュアは弟子の魔法が合っていたんだったか。そっちの魔法を中心的に買ってもらえると助かるとは、言ったような気がするが、言ってたよな?」
「ああ、だからこっちを優先的に見てるんだろ? っつっても、雷属性の魔法を買う気にはなれないんだがな。あれは、数が少し多くなるだけで、店主のと殆ど変わらなかったからな」
「あ、あー。そういう事か。確かに、今でも効果が過剰な程だからな。今以上の効果を求めている訳では無いから、そこまで必要を感じないか。それは言われてみて初めて考えたな」
「だろ? 良い魔法には違いないんだがよ。そこまで欲しいかって言われると、解らねえって答えになるんだよ。じゃあ店主ので良くないかとなるんだよな。雷属性についてはだけどな」
「風属性の魔法であれば、威力が上がった方が良い事もあるから、言いたいことは解るつもりだ。雷属性の魔法は、効果を伸ばしたところでと。そうか。そういう事も考えないといけないのか」
完全に盲点だった。確かに麻痺魔法は、タイフーンウルフにも効果があるくらいの強力な魔法だ。それの効果が上がったところで、という事なんだろう。今以上の効果が必要なのかと。
要らないだろうというのがジョシュアの判断だという事だな。確かに要らない気がするな。私の魔法で十分な気がする。それであれば、他の人に回した方が建設的だ。
指摘はごもっともである。そういう見方も出来るのか。今日は新しい発見が多いな。単純に相性だけで判断しても駄目だという事なんだろうな。使い勝手の問題もあるんだとは思うが。
「まあ、悪いわけじゃないんだよな。悪いわけじゃないんだが、そこまで必要なのかって感じだ。必要であれば買っていくんだがな。俺の判断としては、そこまで必要ないって感じだ」
「言いたいことはよく解った。過剰な物を必要かと言われたら、私も微妙な返事しか出来ないだろうからな。風属性の魔法については良いとは思うんだが」
「そっちは威力が欲しいからな。っつう訳で、こんだけ買っていくわ。会計は幾らだ?」
「クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨6枚になります。……丁度いただきました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。貴重な意見だったな。過剰すぎるから要らない、か。気持ちは解らんでもない。適度で十分の効果が出るんだから、当然と言えば当然なんだが。
麻痺魔法も改良をした方が良いんだろうか。だが、効果を下げるとタイフーンウルフに効かなくなってしまうのが難点か。難しい所ではあるんだが、どう判断するかだな。




