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貴族に転生したけど、平民落ちするので魔法屋をすることにしました  作者: ルケア


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336話 10/13 ポール来店

 まあ、そうなる事もある。客足が今日は遠い。新規の客が来てくれると助かるんだが、既存の客は、もう来ない時間帯だ。帰り道を狙うしかないんだよ。


 それでも良いんだけどな。仕方がない部分でもある。絶対に必要なんだが、ここを通るのかは、運が必要だ。私の運は良いという訳ではない。悪いとも思っていないんだがね。


 そういう訳だ。座して待つしかないんだよ。椅子に座ってゆっくりと待つんだよ。のんびりとしていても良いじゃないか。売上的には、忙しい方が良いんだけどな。


カランカラン


「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」


「いらっしゃいませ!」


「……ここを忘れていたよ。そうだった。ここにもあったんだった。なんで忘れてたんだろう。あんなにも特徴的な魔法だったのに、忘れるなんてことは……」


 ……たしか、ポールだったとは思うんだが、考え込んでしまった。前もそんな感じだったような気がしないでもない。考え込むのは良いんだが、買ってくれると有難い。


 しかしまあ、直ぐには帰ってこないんだろうな。前回もそうだったし。考え込むのは良いんだが、話も聞いてくれなくなりそうだからな。話すだけ無駄だと思う訳だ。


「……切り替えましょうか。店主さん。魔法の方を見させて貰いますね。あの、雷属性の痺れるやつは、何処になるんでしょうか?」


「ああ、それならここの山になる。そこから取って探してみてくれ。まあ、殆ど同じ性能をしているんだけどな。数が1増えるかどうかと言ったところの違いしかない」


「同じ性能をしているというのは、良いことですね。普通はもっとばらつきがあるので、性能が同じというのは、大変に有難い事です。迷わずに買えるって良いことですよね」


「ああ、そうだな。それでだ。弟子の魔法はどうだった? 弟子の魔法も買っていったとは思うんだが、相性がどうだったかと思ってな。良ければ、弟子の魔法を優先的に買ってやって欲しい」


「お弟子さんの魔法ですか? えーっと、確か、あんまりだった気がしますね。致命的に合わないって訳では無かったんですけど、それでも、書いてある事よりは……」


 また思考の海に沈んで行ったぞ。まあ、相性的には、そこまで良くなかったって事なんだろうな。致命的に合わないって訳では無かったって事から、赤系統の色だとは思うんだが。


 魔力の色を調べるのは、私でなくてもいいからな。それは研究者にやって貰うとしてだ。私に関しては、魔力の色がどうのこうのという事はしない。雇い入れる弟子の魔力の色は見るけどな。


 特殊な色をしている場合は、魔法屋にならない方が良いとは思うんだよ。魔道具職人になった方がいいんじゃないかと思う訳だ。本人がそれを許容するのかは、置いておくとしてだな。


 魔道具職人にも、色が関係するのであれば、どうにもならないとは思うんだけどな。魔力の色で、諦めろという事もあるだろうとは思う。それが普通の事だからだな。


 職業を諦めないといけないってのは、普通だろうと思う訳だ。やりたい職業とその才能が合致していない事なんて、良くある話だ。別に悲観することでも、何でもない。


「お弟子さんの魔法は、今後は買わないでおきましょうかね。多分、他の人に使ってもらった方が良いと思いますので。僕には若干合っていなかったので、そういう事だと思います」


「そうか。残念だ。それなら、私の魔法を買ってくれるという事で良いんだな? それと、雷属性の魔法を使ってみて、どうだった? 私の魔法を使ってみた感想は、どうだったんだ?」


「そうですね。他の魔法とは大きく違うとは思いました。追尾機能があるってだけで、命中率に安定感が出るし、威力や効果も申し分ないとは思いました。良い魔法だと思います」


「それは良かった。使いやすい魔法であれば、ある程度は買って行ってくれると助かるな。平原を主な狩場にしていたとは思うが、この雷属性の魔法であれば、どの魔物についても対応しているからな」


「それが一番おかしなところだとは思うんですよね。なんで雷属性なんだって思う訳です。普通では、あり得ない事なんです。なのに、しっかりと効果が出ているし、訳が解らないです」


「気持ちは、解らんでもない。属性が関係ないというのは、普通はあり得ない事だというのは、認識している。ただ、そういう魔法もあるって事を覚えておいてくれればいい」


「普通じゃないってのは、色々と波紋があるようには思うんですけどね。普通であれば、ある程度の事は、解るんですけど、こうも普通じゃない魔法があると、色々と考えてしまいます」


「考えることは、悪い事ではないだろう。考えなしに使っても良いだろうとは思うが、考えていかないと、そもそもの話、魔法使いとして、終わる可能性があるだろう?」


「そうですね。ある程度は、考えないといけないと思うんです。相手の動向から、どんな魔法を使うのかまで考えないといけないと思うんです。そうしないと、進歩が無いから」


「だろうな。1つの魔法を盲目的に使うのは、危険だろう。幾つかの選択肢を持っておく方が良い。迷ったらこれだという魔法も作っておくと良いだろうな。即応性も求められる事もあるだろう」


「そうなんですよね。僕は、それが苦手なんですよね。じっくりと考える方が性格に合っているとは思うんですけど。時と場合に因るんですよね。これだけください」


「クライヴ君、会計だ」


「はい。中銀貨5枚になります。……丁度いただきました」


「毎度どうも。またどうぞ」


「ええ。今度は忘れない様にします」


 行ったか。まあ、忘れることもあるだろう。彼は、まだまだ若いんだから、行ったことのある場所を全部覚えるのは、難しいだろう。初めての場所が多いだろうからな。


 忘れたころにやってくる客もいるという事だな。常連になってくれると、助かるんだけど、どうにもな。絶対必要かって言われると、解らないが、出来れば、客は逃したくないな。

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