117話 9/17 少し焦っている、宣伝方法、クライヴ君起床
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さて、飯屋から帰って来た訳だが、クライヴ君はまだ起きてきていないみたいだな。とりあえずは紅茶を入れて落ち着こうか。少し喉が乾いたところなんだ。
まあ今日ものんびりすれば良いんだよ。のんびりすれば良いんだ。そこまで焦る必要は無い。焦ったところで結果が変わる訳でもないんだからな。焦りは禁物な訳だ。
実際の所は焦っているがね。何に焦って居るかって、客が来ないことに焦っているわけだ。もっと来てくれても良いんだがな。魔法が毎日のように売れていってくれると嬉しいんだけどな。
そう言う訳にも行かないだろうさ。結局は客が求めてくれないといけない訳だからな。魔法屋をやっている期間が短すぎるな。まだまだ認知度が足りない。どんどんと新しい客に見つけてもらわなければならない。そうしないと売れないからな。
認知してもらうには宣伝をしなければならないんだが、効果的な宣伝方法というものが解っていない。今は地道に冒険者に宣伝をしていくしか無い訳だ。
チラシをばら撒くにしても効果は薄いだろう。誰がその紙代を払うと思っているのか。紙は案外値段がするものなんだからな。定形のものだとなおさらだがな。
それにチラシという文化がまず無い。紙が高いからな。無駄には出来ないのだよ。まあ一応は考えては見たんだがね。駄目だろうという結論に至った訳だ。
ならば大声で店があることをアピールすれば良いのではないかとも思ったさ。街宣活動だな。効果があるかと言われれば、効果はあるだろう。色んなクランの人間が中央通りを通っているのだからな。
効果が無いという訳ではない。しかし、やらない。何故か。恥ずかしいからだな。大声を張り上げて宣伝したとして、本当に来てくれるのかどうかは解らない。
それよりも羞恥心が勝ってしまった。ならば仕方がない。流行らなかったときの最終手段はこれにするとは決めているが、そうするまでも無いようにしたいとは思っている。
後の宣伝方法は思い付いていない。結局は恥ずかしくもなく、無難に熟せるのが、日々の食事の際の宣伝活動だったわけだ。街宣は私には無理だった。
クライヴ君にやらせてみるか? 私には関係ない所でやって貰うのであれば、許容できるのだがね。まあ可哀そうだからな。それも止めておこう。自分のやりたくないことを押し付けるのは駄目だろう。
地道にシェアを伸ばしていくしかあるまい。見つけてもらわなければなるまい。それはある程度仕方のないことなんだよ。スタートダッシュをかけられるとは思っていない。
最初から売れる訳が無いんだよ。宣伝も無しに、売れるはずが無いんだよ。人伝に伝わっていく感じで良いんだ。ゆっくりじっくり広げていけば良いんだよ。
焦ることは何も無いんだよ。焦っているのは仕方が無いとしてだ。焦っても何も産まないんだよ。焦りは禁物。紅茶の温度も焦って温すぎれば不味くなるのと同じだ。
一度は沸騰させなければならんのだよ。煮沸消毒は大事だ。基本的には浄化した水では無いのだからな。水道と言ってもそういうものなんだよ。水道があるだけマシだがね。
そして、待ちすぎても駄目な訳だ。一度沸騰させてから待ちすぎても温くなってしまう。良い感じの温度で入れるのが吉だ。それの加減は大体だが覚えてきたぞ。
温度計などは無いし、そもそも紅茶に適した温度が何度なのかが解らない。ただ、解ったのは沸騰している状態で入れるのが今の所最も美味しい気がしている。
それでも沸騰したお湯で入れた紅茶を飲むのは少し間を開けた方が美味い。入れたてが美味しいという訳でも無いんだな。何杯目かの方が美味しく感じることが多いわけだ。
その道のプロで無いと解らない事なんだろうが、経験と勘でなんとなくだが、こうした方が美味しいと思う方に入れ方を変えていっている。邪道かもしれないが、私はそれでいいと思っている。
宣伝の方も邪道な方法があれば良いんだがね。何分そう言う事には精通していないのでね。解らない所ではあるんだよ。宣伝の仕方で正しい方法なんてあるのかは知らないが。
商業ギルドに置かせて貰うというのも1つの手なのだろうが、魔法使いが商業ギルドに行くのかと考えたら行かない気がしていてな。無駄になりそうな気がしているんだよ。
色々と考えたんだよ。宣伝の方法も。これだというものが思い付かないんだよ。テレビやラジオなんてものが無いんだから仕方が無いだろう? 広告を打とうにも広告をする媒体が無い。
完全に手詰まり感があるんだな。人伝に伝わっていくのを待つしか無いんだろうな。ゆっくりと待たないといけないんだろうな。それは仕方のないことなんだよ。
「お、おはようございます。寝坊、でしょうか?」
「おはよう。いや、別段急いで起きなければならない訳では無いからな。とりあえず紅茶を入れたんだ。飲んでいきなよ。それから飯屋に行ってくると良い。食費はこちらで出すからな」
「ありがとうございます。……いただきます」
「それと、今日やることなんだが、買い物をしてもらう。魔法ギルドへお使いに行ってもらうことにしたからな。それについては食事が終わってからゆっくりと話すことにするから、先に食べて来てくれ。私は既に食べてきた後だからな。気にしなくても良い」
これも急ぎという訳では無いんだが、もう少し在庫を抱えていても良いかなという判断だ。とりあえず、6属性作ってあるが、風属性ばかりが売れていくからな。
その品薄状態を解消せねばならない。とはいっても、50本以上はあるのだがね。それでも作り過ぎても風属性の物は売れるからな。他の属性は微妙な所ではあるんだが。
売れるものを中心に作っていけば良い。在庫を抱えられるくらいにしておいた方が良い気がするんだよな。後で急いで作る破目になるのは面倒だからな。
とりあえずは確保だけしておきたい。なあに、客足が近くなれば売れるものだからな。放っておいても劣化しないしな。数を確保しておけば良いんだよ。




