前へ目次 次へ 3/38 暁に空を駆ける 茜色の空を、青銀の鱗で照り返しながら、竜がゆく。 うねる背を眩しく見上げる君からは、手も届かないけれど。 知ってるよ、君の背中。 まだ柔らかい鱗が生え始めている。 風を知らない水色の鱗。 いつかきっと、君もあの竜の後を追う。 天空の玉座に身を揺らして、風を切る。 千切れ雲を従えて、地上を睥睨する。 その鱗が生え揃った暁には。 背中を向けた君に、僕の姿はきっと見えないね。 見えなくて良い、振り返らなくて良いから。 ただ、風に舞う君を待っている。