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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第六章 獣人達の王

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第97話 獣王親衛隊タイガ

 アンナは、狼魔団と戦っていた。

 今は、獣王親衛隊の一人タイガと対峙している。

 アンナは、既に獣王親衛隊の一人ファルコを倒していた。

 その戦いによって、体に疲労があるため、戦況はやや不利かもしれない。


「ファルコを倒したお前に対して、俺は手加減するつもりはない! 一瞬で蹴りをつけてやろう! 虎の爪(タイガー・クロー)!」


 タイガはその爪を立てながら、アンナの方に向かって来る。

 それに合わせて、アンナもタイガに向かっていく。


「おらあっ!」


 タイガは、腕を大きく振るい、その爪で攻撃してきた。

 アンナは、聖剣を振るい、それを受け止める。


「はあっ!」

「ちいっ!」


 剣と爪が重なり、大きな音が響く。


「だが!」

「くっ!」


 その瞬間、タイガはもう片方の手を振るってくる。

 アンナは大きく後退し、その攻撃を躱す。


「まだまだいくぞ!」


 タイガは後退したアンナを追ってくる。


「聖なる光よ! 二つにわかれ、剣となれ!」

「二刀流!? くっ! だが……」


 そこでアンナは、聖剣を二つ作り出す。

 両手の爪に対抗するために、二刀流を選んだのだ。


「おらあっ!」

「はあっ!」


 アンナの聖剣とタイガの爪がぶつかり合う。


「こっちだ!」

「はあっ!」


 タイガの二撃目も、アンナは受け止めた。

 二つの力が、拮抗する。


「ぐっ! この俺の剛力に対抗するとは……中々やるな」

「剛力? こんなものがか……?」


 タイガの言葉に、アンナは笑う。

 この程度の力で、剛力とはおかしかったのだ。


「な、何がおかしい!?」

「お前程度で剛力なんて、笑わせてくれる」

「な、なんだと!?」

「私が戦ってきた相手に比べれば、お前の剛力など大したものではない!」


 アンナにとって、タイガ以上の力など何度も受けてきたものである。

 よって、これを剛力などと呼ぶことはできないのだ。


「はあああああ!」

「な、何!?」


 アンナは、身に纏う聖闘気を高める。

 すると、タイガの体がどんどんと後退していく。


「ば、馬鹿な……!」

「そのまま、吹き飛べ!」

「ぐわああ!」


 アンナがさらに力を込めると、タイガの体が大きく吹き飛ぶ。

 剛力自慢のタイガだったが、アンナの力に負けてしまったのだ。


「ぐはっ!」


 タイガは地面に叩きつけられ、大きな声をあげる。


「いくぞ!」


 アンナはそんなタイガを追いかけ、追撃をしかけていく。


「はああっ!」

「くっ!」


 タイガは、地面を転がりそれを回避する。

 アンナはさらに追いかけていく。


「はああっ!」

「ふん!」


 アンナの一撃を、タイガは立ち上がりながら受け止めてくる。


「やああああっ!」

「くっ!」


 アンナはもう片方の剣を振るったが、それも受けとめられてしまう。

 だが、アンナはそのままの状態で、力を加えていく。


「はああああああっ!」

「ぐううううっ!」


 アンナは、聖剣でタイガの爪を上から押さえつける。

 そうすることで、後退を許さないのだ。

 そのため、タイガは逃げられない。


「くっ!」

「このまま、砕けろ!」

「ぐわああっ!」


 アンナはタイガの爪を砕きつつ、その体を斬りつけた。

 タイガの体から、鮮血が噴き出る。


「ガアアアアッ!」


 タイガは叫びをあげながら、大きく後退していく。

 アンナは、逃がさないようにそれを追いかける。


「ぐううっ!」


 タイガは、それから逃げ出す。


「待て!」

「ガアア!」


 追うアンナに、逃げるタイガ。

 二人の距離は、中々縮まらない。 


「聖なる光よ!」


 そのため、アンナは手を変えることにする。

 追いかけてはいるが、アンナが使えるのは近距離攻撃ではない。

 アンナは、その手に聖なる光を集中させる。


聖なる衝撃波(セイント・ショット)!」

「何!?」


 アンナの手から、光の球体が放たれた。


「ぐわあああっ!」


 ただ逃げているだけだったタイガは、突然の攻撃に反応できなかったようだ。

 アンナの光球が、タイガに当たり、その体を焼き尽くす。


「ガアアアア!」

「はああああ!」


 その隙をアンナは見逃さなかった。

 聖剣を握りしめ、大きく振るう。


十字斬り(クロス・スラッシュ)!」


 無防備になったタイガに、十字の斬撃が浴びせられる。


「ガアアアア……」


 タイガの体から、鮮血が溢れていく。


「ガア……」


 その足元はふらついており、まるで力がない。

 アンナは、最早追撃するつもりすらなかった。


「俺も……そ、っち、か……」


 最期にそんな言葉を放ち、大きな音ともに、タイガは地面に倒れる。

 その体には、生気が宿っていない。

 二人目の獣王親衛隊も、アンナの前に敗れるのだった。


「さて……」


 アンナは周りの様子を観察する。

 次に戦うべき相手を、見つけるためだ。


「あれは……」


 その相手は、すぐに目に入った。


「勇者アンナ……」

「狼魔将ウォーレンス……」


 アンナの前にいたのは、狼魔将ウォーレンス。

 狼魔団の将であるはずの獣人である。


「獣王親衛隊を二人とも倒すとは……」

「次の相手は、お前のようだな」

「くそっ! 覚悟を決めるしかないのか……」

「お前には、色々と借りがある……ここで、返させてもらうぞ」


 アンナとウォーレンスは、お互いに構え合う。

 アンナの次なる戦いが始まろうとしていた。

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