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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第六章 獣人達の王

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第90話 それぞれの修行

 ティリアとネーレは、地下修行場の一室にいた。

 しばらく待っていると、二人の前に教授が現れる。


「教授!?」

「うわっ!? なんか薄いぞ!?」


 しかし、現れた教授は何故か透明であった。

 そんな教授を見て、二人は困惑してしまう。


「ああ、これは魔法で作った分身のようなものさ。気にしないでくれ」

「分身……ですか?」

「それは、あんまりいい思い出がないな……」


 教授の話を聞いて、ネーレは先日の戦いを思い出してしまった。

 水魔将フロウは、分身によってネーレ達を苦しめたので、いい思いはしないのだ。


「まあ、いいや。それで、俺達は何をするんだよ?」

「ふむ、君達がするのは戦闘能力の向上かな? 他の四人に比べると、君達は弱いからね。もっと強くならないと、これからついていけないし、君達自身も危険だ」

「た、確かに私は戦えません……」


 教授の言葉に、ティリアは納得する。

 ティリアは回復魔法が得意だが、攻撃魔法などはほとんど使えない。

 そのため、自身を守れなくなる可能性は充分ある。それでは、周りの仲間に、迷惑をかけてしまうかもしれないのだ。


「確かに俺も強くないしな……」


 ネーレも、教授の言葉は理解できた。

 強くならなければ、水魔将フロウとの戦いのようになりかねない。


「よし、それなら早く始めようぜ。一体、どんなことをするんだ?」

「ああ、いいだろう」


 ネーレがそう言い、いよいよ修行が始まるようだ。


「君達には、僕と戦ってもらう」

「教授と?」

「ああ、遠慮はいらないよ。先程言った通り、これは分身だからね」


 どうやら、二人の訓練は教授と戦うことのようだ。

 その中で、戦いを学ぶということなのだろう。


「さて、それでは始めようか……ああ、疲れたりしたら言ってくれていいよ。向かいの部屋には、ベッドや食べ物が置いてある。自由に使ってくれていい」

「そうなんですか? それは、ありがとうございます」

「ありがとうよ」


 こうして、二人の訓練が始まるのだった。





 カルーナは、地下修行場の一室にいた。

 しばらく待っていると、教授が部屋に入ってきた。


「やあ、カルーナ、君の訓練を始めようか」

「は、はい。でも教授、他の皆はいいんですか?」

「ああ、そちらには僕の分身が行っている。だから問題無いよ」


 カルーナの元に現れたのは、教授本体である。

 他の者と違い、カルーナの元には本体が来る必要があるのだ。


「分身……?」


 カルーナは少し疑問を感じたかが、とりあえず気にしないことにした。

 それよりも、今は重要なことがあるのだ。


「それで教授、新しい魔法を教えてもらえるんですよね?」

「ああ、だから、本体で来る必要があったんだ。分身では、消滅呪文(フレア)を使えないからね」


 どうやら、教授が本体で来たのは、それが理由のようである。

 教授が教えてくれるのは、消滅呪文(フレア)という魔法だ。

 それは、究極の魔法らしいので、カルーナはかなり期待しているのだった。


「さて、まずは実際に見てもらった方が早いだろう」

「え?」


 そう言って、教授は指を鳴らす。

 すると、カルーナの前に大きく黒い球体が現れていた。


「これは……?」

「これは僕が作った特別な物質だ。これに、君の魔法を放ってみてくれ」

「は、はい」


 教授にそう言われたカルーナは、手を構え魔法を放つ。


紅蓮の火球(ファイアー・ボール)!」


 カルーナの手から火球が放たれ、黒い球体に着弾する。

 小規模の爆発が起こり、辺りを煙が覆う。


「あっ……」


 煙が晴れた時、カルーナの目に入ったのは、傷一つついていない黒い球体であった。


「このように、この黒い球体はとても固いんだ。特に、魔法に対する耐性はかなりのものだ」

「そうなんですか……」

「落ち込む必要はないよ。君はこれを壊せるようになる」


 そこで、教授はカルーナの前に移動する。

 そして、球体に対して手を構えた。


「いや、正しくは消滅させられるようになるか……」


 教授の手に、魔力が集中していくのが、カルーナにもわかる。


消滅呪文(フレア)!」


 教授が言葉を放った瞬間、黒い球体に変化が起こった。

 球体の一部に、赤いものが浮き上がる。

 それは、大きな光を放ち、やがて消えていく。


「こ、これは……?」


 カルーナは球体を見て、目を丸くする。

 黒い球体は、一部が無くなっているのだ。

 その部分は、とても綺麗になくなっており、爆発などによって破壊されたのではないことを表していた。


「これが消滅呪文(フレア)……対象を消滅させる魔法だ」

「しょ、消滅……?」


 教授の言葉を聞き、カルーナは驚く。

 対象を消滅させるなど、とても恐ろしい魔法だからだ。


「これを君に覚えてもらう……僕のを見て、少しはわかったかな?」

「あ、はい……なんとなくは」


 カルーナは、教授の魔法を見て、なんとなくどのようなものかは理解していた。

 そのため、練習をすることはできるのだ。


「それでは、始めてくれ。何か質問があったら、僕に聞いてくれ」

「はい、よろしくお願いします」

「あ、疲れたりしたら言ってくれていいよ。向かいの部屋には、ベッドや食べ物が置いてある。自由に使ってくれていい」


 こうして、カルーナの修行が始まった。





 ガルスとツヴァイは、地下修行場の一室にいた。

 二人は、教授の指導とは関係なく、修行することにしたのだ。


「ガルス、どうする?」

「ああ、戦うのが一番だろう」


 ガルスの提案は、ツヴァイも思っていたことである。

 そのため、異論はなかった。


「お前と戦うのは、あの時以来か……」


 ツヴァイは、前にガルスと戦った時のことを思い出していた。


「あの時は敵だったが、今は味方同士……おかしなものだな」

「そうかもしれんな……」


 二人は構え合い、お互いに警戒する。

 二人の修行も、始まるのだった。

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