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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第九章 古の魔王

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第148話 それぞれの力

 アンナ達は、初代の魔王であるバオウガと対峙していた。

 バオウガの邪なる闇に締め付けられていたアンナだったが、ガルスのサポートにより、なんとか抜け出すことができた。

 そして、その隙にアンナはバオウガの元に踏み込んでいく。


聖なる十字斬り(セイント・クロス)!」

「うぐっ!」


 アンナの十字の斬撃が、バオウガの体を斬り裂いた。

 ガルスの蹴りで怯んでいたこともあり、バオウガはまともに攻撃を喰らっている。

 その衝撃で、バオウガは後退していく。しかし、その隙をアンナもガルスも見逃すつもりはない。


「おおお!」

「ふん!」

「邪なる闇よ!」


 アンナもガルスも、それぞれ剣と拳を振るう。

 このまま、バオウガを倒しきるつもりだったからだ。

 だが、バオウガは自身の周りに邪なる闇を展開する。その邪なる闇によって、アンナとガルスの攻撃は防がれてしまう。


「まだだ! この私をこの程度で倒せると思うな!」

「くっ!」

「ぬうっ!」


 さらに、バオウガはその邪なる闇で二人を振り払っていく。

 その攻撃で、アンナとガルスは後退してしまう。まだバオウガには、力が残されているようだ。


「このバオウガを……むっ!?」


 しかし、そこでバオウガはゆっくりと動きを止めた。

 その体には、一本の槍が突き刺さっている。


「お、お前は……」

「俺を忘れていた訳ではあるまい」

「な、何……」


 バオウガを貫いたのは、ツヴァイだった。

 ツヴァイは、バオウガの攻撃で吹き飛ばされていた。そのダメージは、それなりのものだったはずである。

 だが、今のツヴァイはそのようなダメージを感じさせない。そのことに、バオウガは驚いているようだ。


「馬鹿な……どうして、これ程の闘気が? お前は、俺の攻撃で倒れたはず……」

「残念だが、そのダメージは回復させてもらった。そこにいる魔術師は、回復もできるのだ……」

「回復魔法……?」


 ツヴァイは、カルーナの補助により回復していたのである。

 カルーナは、かつては攻撃魔法しか使えなかった。だが、旅を続けていく中で進化していた。仲間の一人が回復魔法の達人であったため、カルーナもその魔法を覚えていたのだ。


「カルーナ、流石だね」

「うん、回復魔法を覚えておいてよかったよ」


 そんなカルーナは、ゆっくりとバオウガの元に近づいていた。

 その手には、橙色の魔力が集中されている。


「ぐっ、まさか、その魔法は……」

「ふん、お前はかなりの実力者らしいが、それでもあの魔法は防げまい。全てを消し去る究極の魔法を精々味わうがいい」

「ぬぐっ!」


 ツヴァイは、バオウガの体から一気に槍を引き抜く。

 そのダメージに、バオウガは少し怯んだ。

 その隙に、カルーナは魔法を構える。全てを消滅させる魔法を、バオウガに放つのだ。


消滅呪文(フレア)!」

「ぬうっ!」


 カルーナの魔法から、橙色の魔法が放たれる。

 その攻撃は、バオウガの体を包んでいく。

 数々の攻撃により、バオウガは疲労していた。そのため、その攻撃を躱すことができなかったのだ。


「ぐああああっ!」


 橙色の魔法が、バオウガの体を消滅させていく。

 膨大な闘気を持つバオウガでも、究極の魔法を防ぎきることはできなかったのである。


「勝った……」


 その様子に、アンナはゆっくりと呟いた。

 カルーナの魔法が消えた後、その場には何も残っていない。バオウガの肉体が、完全に消滅したからだろう。


「カルーナ、やったね。見事な魔法だったよ」

「うん、お姉ちゃんやガルスさんが時間を稼いで、ツヴァイさんが動きを止めてくれたおかげだよ」


 アンナとカルーナは、手を取り合って勝利を喜んだ。

 戦いが無事に終わったという安堵感に、二人は包まれているのである。


「かなりの強敵だったな……四人いなければ、危なかったかもしれない」

「ああ、本当にお前が間に合って良かった。俺達三人だけでは、ここまで無事に済むことはなかっただろう」


 ガルスとツヴァイは、バオウガが消滅した位置を見ながらそのように話した。

 四人の力がなければ、バオウガはここまで無事に倒せなかった。それは、アンナもカルーナもわかっていることである。


「とりあえず、これで戦いは終わりだね?」

「うん、そうだね」

「ああ、久し振りに暴れて、少々疲れたな……」

「ふん、何を隠居したつもりでいるのだ」


 四人が協力したことで、バオウガを倒すことができた。

 こうして、アンナ達の新たなる戦いは終わるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 完結おめでとうございます。 楽しく拝読させて頂きました。 しかし、消滅呪文強い…(汗)
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