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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第九章 古の魔王

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第143話 進撃する竜人

 アンナ達は、突如現れた歴代の魔王達と対峙していた。

 その中の一人である紅蓮の魔王ボルバーが放った攻撃を、一人のリザードマンが受け止めた。

 竜魔将ガルスが、アンナ達の加勢にやって来たのだ。


「遅いぞ、ガルス……」

「安心しろ、遅れた分は今から取り返してやる」


 ツヴァイの前に立ち、ガルスはゆっくりと構える。

 その瞳が見据えるのは、目の前にいる一人の魔王だ。


「俺の炎を受け止めだと……ふざけやがって!」

「紅蓮の魔王ボルバーか……なるほど、どうやらややこしいことになっているようだな」

「ごちゃごちゃうるせぇ!」


 攻撃を簡単に受け止められたことに激昂したのか、紅蓮の魔王ボルバーがガルスに向かって来る。

 そんなボルバーの拳を、ガルスは軽く躱していく。


竜人拳(リザード・ナックル)!」

「がはっ!」


 ガルスは、そのままボルバーの腹部に拳を叩き込んだ。

 その拳は、ボルバーの体を突き抜け、赤い血が周囲に舞っていく。

 だが、ガルスは攻撃の手を緩めない。ボルバーの体から腕を抜き、足を振るう。


竜人脚(リザード・レッグ)!」

「うぐあっ!」


 ガルスの蹴りにより、ボルバーの体は宙に浮かび上がっていく。

 それと同時に、ガルスも空へと飛び立つ。 

 ガルスは、頭が下になるように、空中でボルバーを捕まえた。


「ふん!」

「ぬがああ!」


 そしてそのまま、落下していく。

 ガルスの体にみなぎる闘気によって、ボルバーの体がどんどんと破壊されていくのが、アンナ達には見えていた。


竜人落とし(ドラゴン・ドロップ)!」

「ぐあはっ!」


 ボルバーが、頭から地面に激突する。

 その衝撃と莫大な闘気によって、地面は大きく破壊されていく。


「ば、馬鹿な……」


 破壊されたのは、地面だけではなかった。

 ボルバーの体は、ボロボロに破壊されており、既に力が入っていなかった。

 一瞬の攻防ではあったが、ガルスはボルバーに勝利したのだ。


「うがああ……」

「む?」


 ボルバーの体はどんどんと形を崩し、塵となっていく。

 やがて、ボルバーを形成した塵は風によって吹き飛んでいくのだった。

 アンナ達は理解する。敗北した魔王は、そのように体を消滅させるのだと。


「……ガルス、流石だね」

「本当にすごいです。ガルスさんがいれば、百人力ですね」

「アンナにカルーナか、元気そうで何よりだ」


 アンナ達は、四人で並び立つ。

 ガルスの登場と、ボルバーが倒れたことによって、戦況はかなり変わった。四対四の図が、出来上がったのだ。


「勝手な行動をした魔王がやられたか……」

「だが、今ので相手の力量は理解した。どうやら、あまり舐めてはならないようだ」

「そのようだな……」


 残る魔王達も、アンナ達の前に並び立つ。

 それぞれの陣営が、構えていく。今、二つの陣営がぶつかり合おうとしていた。


「参る!」

「む……!」


 まず動いたのは、閃鳥の魔王ファテルだった。

 ファテルは、真っ直ぐにガルスの元へと向かってきた。

 その超高速から放たれた拳に、ガルスの体はどんどんと後退していく。


「ガルス!」

「貴様の相手は、我だ!」

「何っ!?」


 次に動いたのは、魔岩の魔王ガンディウスだ。

 ガンディウスは、その拳を振るい、ツヴァイの体をガルスとは別の方向に弾き飛ばしていく。


「さて、あなたはあの赤髪でいいのかな?」

「ああ、よかろう」

「なら、僕はあの金髪だね……」


 さらに、水華の魔王スロックとマントの魔王が動き始めた。

 スロックがカルーナ、マントの魔王がアンナにそれぞれ狙いを定めている。


「カルーナ!」

「お姉ちゃん、こっちは任せて!」


 アンナとカルーナは、それぞれの魔王に対応せざるを得なかった。

 それにより、二人は別の方向へと逃れていく。

 こうして、それぞれが一対一で戦わなければならない状況になるのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「遅いぞ、ガルス……」 「安心しろ、遅れた分は今から取り返してやる」 [一言] 真打ちは遅れて現れる。
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