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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第九章 古の魔王

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第141話 久し振りの再会

 アンナとカルーナは、シャドーに連れられて魔王城に来ていた。

 アンナ達は、会議室のような場所まで来た。すると、そこには見知った顔がいる。


「アンナ、カルーナ、来たか……」

「ツヴァイ!」

「ツヴァイさん、お久し振りです」


 それは、かつてアンナ達と戦い仲間になった鎧魔将ツヴァイだ。

 ツヴァイは、人間と悪魔の混血であり、半人半魔(ハーフ)と呼ばれる存在である。

 人間と悪魔両方の特徴があるその姿を、ツヴァイはかつて隠していた。だが、今はその姿を隠すことはない。


「む、アンナ……髪が少し伸びたか?」

「そういうツヴァイは、髪を切った?」

「ああ、少々鬱陶しかったのでな……む、カルーナは少し背が伸びたか?」

「あ、はい。一応、成長期なので……」


 アンナもカルーナも、ツヴァイとの再会を喜んだ。

 二人とツヴァイは、久し振りの再会である。そのため、色々な感情が湧き出してきたのだ。


「いや、今はそんなことを言っている場合ではないか……」

「あ、そうだね。何か厄介なことがあったんだよね?」

「ああ、そうだ。申し訳ないが、お前達の力が必要になったのだ。魔界に、悪意のある何者かが現れたからな……」


 しかし、すぐにお互いにそれどころではないと気づいた。

 今は、魔界の危機なのだ。呑気に、懐かしんでいる場合ではないのである。


「ツヴァイ、後の説明は任せてもいいか? 私は、また客人を迎えなければならない」

「ああ、任せたぞ」


 そこで、シャドーが部屋を退出していく。

 どうやら、シャドーはまたアンナ達のように誰かを迎えるようだ。


「……まだ誰かを呼ぶんだね?」

「ああ、ガルスを呼ぶ」

「ガルスを?」


 アンナの質問に、ツヴァイはそう答えた。

 シャドーが迎えに行ったのは、ガルスであるらしい。

 ガルスは、ツヴァイと同じく、アンナ達と戦った後仲間になったリザードマンだ。

 彼は、竜魔将と呼ばれていた魔王軍幹部であり、実力者でもある。何かあった時、ガルス程頼もしい者はいないだろう。


「普段はよくわからない理由で隠居しているのだ。こういう時くらい、手伝ってもらわなければ困る」

「なんだか、怒っている?」

「当然だ。生き残った魔将の中で、魔王城に残ったのは、俺とシャドーだけだぞ。俺が、どれだけ仕事をしていることか……」


 どうやらツヴァイは、隠居したガルスに少し怒っているようだ。

 生き残った魔将は四人いるが、竜魔将ガルスは隠居し、闇魔将ドレイクは姿を消していた。

 よって、残ったツヴァイとシャドーだけで、魔王城は動いている。その激務に、ツヴァイも疲れているのだろう。


「む……!?」

「うん? 嘘っ!?」

「ええっ!?」


 そこで、三人はほぼ同時に声をあげた。

 なぜなら、その場に驚くべき人物が現れたからだ。


「ま、魔王……」

「久し振りだな、勇者」


 その人物とは、魔族を束ねる王、魔王である。

 彼は、かつてアンナ達勇者一行と激闘を繰り広げた男だ。

 その男の登場に、アンナもカルーナも驚きを隠せないのである。


「魔王様、何故こちらに?」

「ツヴァイ、強大なエネルギーが動き出したようなのだ」

「何ですって?」

「私の元に、連絡が入ったのでな……勇者達に会うついでに、報告に来たのだ」


 魔王の発言に、三人に緊張が走った。

 どうやら、魔界の上空に感じられていた強大なエネルギーが動き出したらしいのだ。

 それは、明らかな非常事態である。アンナ達も、動かなければならないだろう。


「勇者よ、早速で悪いが、動いてもらえるか? 私の指揮の元で動くことに抵抗はあるかもしれないが……」

「問題ないよ。今は勇者も魔王も関係ないし」


 魔王の言葉に、アンナは力強く答える。

 アンナの思考には、魔王だから従わないというようなものはない。

 むしろ、アンナは嬉しかった。かつての敵と、共闘できることに喜びを感じているのだ。


「それでは、行くとするか?」

「ああ、行こう」


 アンナとカルーナ、ツヴァイの三人は魔王城から駆け出していく。

 強大なエネルギーが、降り立つ場所に向かうのだ。

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